2018年05月16日 15:00 掲載

写真ビストロ SNAP×SNAP 「ダットサン」に「ブル1600SS」、「240Z」、「バイオレット」、「シルビア」…!! 1950~80年代の日産のラリーカーを集めてみた!


ラリー・モンテカルロでも活躍! 「ダットサン240Z」(1972年)

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HLS30型「ダットサン240Z」(1972年・第41回ラリー・モンテカルロ3位入賞車)。全長4115×全幅1630×全高1290mm、ホイールベース2305mm、トレッド前1355・後1345mm。車重1050kg。排気量2393cc・直列6気筒OHCエンジン「L24」、最高出力220ps(162kW)/7200rpm、最大トルク24.0kg-m(230.4N・m)/6400rpm。サスペンションは前後共にストラット。ブレーキは前ベンチレーテッドディスク・後アルミフィン付きドラム。タイヤは前後共FR70R14(ダンロップSP44 PW72+スパイク・PW52・R7)。東京オートサロン2017のダンロップブースにて撮影。

 「240Z」のラリーへの投入は翌1972(昭和47)年にも続けられた。熱砂のアフリカの大地を駆け抜けるサファリ・ラリーに打って変わって、今度は雪と氷の伝統の1戦、ラリー・モンテカルロ(第41回)に出場したのである。

 雪や氷を最も苦手とするのがフロントエンジン・リアドライブの2輪駆動車。エンジンの搭載位置と駆動輪が同一なら荷重がかかって空転が起きにくいが、FR2WDだと荷重がかかりにくい。そのため、「240Z」は下馬評では苦戦すると見られていたが、まさかの大活躍。3位に入賞したのである。このときにコ・ドライバーを務めていたのが、F1などの国際レースを統括するFIAの現会長であるジャン・トッドその人だった。

 HLS30型「240Z」に搭載されるエンジンは、前年のHS30型よりもさらに強化されており、最高出力は10ps、最大トルクも0.5kg-mアップされた。そのほか、全高が15mm低くなり、車重が50kgほど重くなっている。

 また、フロント部分もかなりデザインが異なる。これは、当時夜間走行のあったラリー・モンテカルロらしく、4連の補助灯がノーズ部分に追加されている。ボンネット先端に補助灯の4連ポッドを追加したラリーカーも多く、その無骨さが好きなラリーファンも多いが、HLS30型はこの追加の仕方の方を採用しており、空力的には有利だったはずだ。

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撮影は東京オートサロン2017のダンロップブースだが、「240Z」のラリーカーは当時、ダンロップ製のタイヤを履いており、その関係もあって展示された。

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