2020年07月14日 18:10 掲載
交通安全・防災 10m近く水没。豪雨の浸水推定図公開される。道路も広範囲に水没
SNSの情報と標高データをもとに浸水推定図を国土地理院が公開
熊本県球磨村、球磨川流域の浸水推定図 出典:国土地理院ウェブサイト(https://www.gsi.go.jp/BOUSAI/R2_kyusyu_heavyrain_jul.html)
停滞する梅雨前線の影響で、7月4日から記録的豪雨に見舞われている九州地方。各地で浸水被害が拡がっている中、球磨川の氾濫で被害を受けた熊本県人吉市周辺や、ポンプ場浸水の影響で被害が拡大した福岡県大牟田市などの浸水推定図を、国土地理院がWebサイトにて公開した。この浸水推定図は、SNSに投稿された画像、国土交通省災害用ヘリコプターの撮影画像、標高データをもとに浸水深を算出したものだという。
熊本県における浸水被害が甚大な地域は、球磨川流域の球磨村渡地区一帯であることが浸水推定図からは見て取れる。濃淡で表現された水深では、球磨川が大きく蛇行している地域や、支流と本流の合流する地域が最も深いと推定され、その深さは10メートル近くに及んでいる。
また、JR人吉駅周辺でも被害は拡がっており、市街地で最大5メートルほどの浸水があったとされている。
福岡県大牟田市、堂面川、大牟田川、諏訪川流域の浸水推定図 出典:国土地理院post_129ウェブサイト(https://www.gsi.go.jp/BOUSAI/R2_kyusyu_heavyrain_jul.html)
大牟田市周辺では、住宅地の浸水を防ぐためのポンプ場が水没し、雨水の排水が行えなくなったことで被害が拡大した。浸水推定図では、堂面川の河口付近で最大4~5メートルほど浸水したことが確認できる。同市を流れる大牟田川と諏訪川流域でも、住宅地の南北約1~1.5kmの広範囲に渡って、2~3メートル浸水していることが分かる。
ほかにも、筑後川と同水系花月川、矢部川流域の浸水推定図がWebサイトで確認可能だ。浸水推定図について国土交通省は、作成時点の情報のため最大浸水範囲を示したものではないとしており、実際の浸水範囲と相違がある可能性もあるという。なお、公開情報は、被災地の避難や救助、復旧活動に対して役立てる目的で提供されている。
九州北部地方では大雨の峠は越えつつあるが、依然として災害への警戒が必要と報じられている。気象庁のWebサイトなどで最新情報を確認し、身の安全を守るための行動ができるように備えたい。
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交通安全・防災