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最終更新日:2019.04.15 公開日:2019.04.15

3代目「70スープラ」と5代目「GRスープラ」が共演!【オートモビルカウンシル2019】トヨタ編

4月5日から7日まで開催された、旧車・ヒストリックカーの祭典「オートモビルカウンシル2019」。国内メーカーや海外メーカーの日本法人・正規輸入代理店が参加しているのが特徴だ。まずはトヨタから紹介する。

トヨタは、トヨタ博物館として出展。初代「スープラ」など、80年代のデートカーやハイソカー3車種に加え、新型「スープラ」(画面右端)も展示した。

 トヨタ(トヨタ博物館)は「Neo Classic 80’s」をテーマに掲げ、1980年代当時の若者が憧れた”デートカー”や”ハイソカー”を展示した。初代(3代目)MA70型「スープラ」1988年式、5代目GX71型「マークII」1986年式、2代目MA20型「ソアラ」1989年式の3車種に加え、初代の横には17年ぶりの復活となった新型「スープラ RZ」も展示された。

「セリカXX」から独立して誕生した本格GTカー初代「スープラ」

初代(3代目)MA70型「スープラ 3.0GT」1988年式。2代目「セリカXX」がフルモデルチェンジした際、国内では「セリカ」から独立させて誕生した初代「スープラ」。

 通称「70スープラ」と呼ばれる初代GA70/MA70型は、2代目「セリカリフトバック」をベースにして、1978年に誕生した高級スペシャリティカー「セリカXX」の系譜だ。GA70型は排気量1988ccの直列6気筒エンジン「1G」シリーズを搭載し、MA70型は2954ccの直6エンジン「7M-GTEU」を搭載する。

 「セリカXX」は1981年にフルモデルチェンジして2代目となり、1986年2月に2度目のフルモデルチェンジを実施。その際、プラットフォームが「セリカ」ベースではなくなったことから、北米など海外で「セリカXX」の代わりに使われていた車名である「スープラ」を国内でも使うことにしたという経緯がある。つまり「スープラ」は初代であると同時に、「セリカXX」の3代目でもあるのだ。

 「スープラ」とはラテン語で「超えて」や「上に」といった意味があり、本格的なGTカーとして超えるべき目標は「2000GT」だった。その証のひとつが、トヨタとしては「2000GT」以来となる4輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用したこと。また上写真の最上位グレードのMA70型「3.0GT」には、別のグレード名として「3000GT」の名が与えられていた。

 その誕生の詳しい経緯やスペックなど、初代「スープラ」については別記事『トヨタ「2000GT」を超えるグランツーリスモを目指した初代「70スープラ」。そのグラマラスかつ高性能な魅力に迫る!』をご覧いただきたい。

17年ぶりに復活した新型の最上位グレード!5代目「GR スープラ」

5代目「GR スープラ RZ」(年式、車両型式とも未発表)。全長4380×全幅1865×全高1295mm、ホイールベース2470mm、トレッド前1594/後1589mm。車重1520kg。排気量2988cc・直列6気筒ツインターボエンジン、最高出力250kW/5000-6500rpm、最大トルク500N・m/1600-4500rpm、FR駆動、時速0→100km加速4.3秒。ミッション8速スポーツAT。タイヤ前255/35R19、後275/35R19。

 2019年1月に米ミシガン州で開催されたデトロイトモーターショーで発表された、5代目となる新型「スープラ」。モータースポーツで培われた技術をフィードバックしたTOYOTA GAZOO Racingの名を冠した、コンプリート・スポーツカーブランド「GR」シリーズ初のグローバルモデルで、「GR スープラ」と呼ばれている。上写真の「スープラ RZ」は、その最上位グレードだ。

 「スープラ RZ」は、歴代「スープラ」の特徴である、”直列6気筒エンジン”、”FR駆動”を継承。その上で、ホイールベース、トレッド、重心の高さという基本的な3要素にこだわり、ピュアスポーツカーにふさわしいハンドリングを求めたという。また大きな特徴として、BMWと共同開発しており、「Z4」とは兄弟車となる。

 国内において「スープラ」の名が使われたのはGA70/MA70型が初であり、本来「GR スープラ」は3代目のはず。しかしGA70/MA70型の項で触れたように、北米など海外では「セリカXX」からカウントすることから、「GR スープラ」は5代目という扱いで世界的に統一されることとなった。

 「GRスープラ」は国内でも今春の発売を予定しており、すでに3月から予約を受け付けている。オーストラリアのマグナ・シュタイヤーグラーツ工場で生産されており、3月初旬には量産第1号車(車両識別番号20201)のラインオフが報じられた。

「スープラ RZ」のリアビュー。全長はGA70/MA70型の4620mmに対し、4380mmと短くなっている。その一方で、全幅はGA70/MA70型の1690mmに対して1865mm、全高は1310mmに対して1295mmと、ロー&ワイドなのが特徴。

【「GR スープラ」関連の記事はこちら】
トヨタ&モデリスタ&TRD編:「スープラ」や「センチュリー GRMN」など!【東京オートサロン2019】(1)

85年にグッドデザイン受賞したハイオーナー・サルーン! 5代目「マークII」

5代目GX71型「マークII ハードトップ グランデ・ツインカム24」1986年式。全長4690×全幅1690×全高1385mm、ホイールベース2660mm、トレッド前1425/後1440mm。車重1280or1300kg。排気量1988cc・直列6気筒DOHCエンジン「1G-GEU」、最高出力160ps/6400rpm、最大トルク18.5kg-m/5200rpm。サスペンション前・独立懸架式ストラット/後・独立懸架式セミトレーリングアーム(トヨタ電子制御サスペンション「TEMS」搭載)。

 5代目GX70型「マークII」は、1968年9月に誕生した初代RT60型「トヨペット コロナ マークII」から数えて5代目で、1984年8月に登場した。上写真は4ドアハードトップモデルの最上位グレードで、GX71型「グランデ・ツインカム24」。最高出力160馬力を誇る排気量1988ccの直列6気筒DOHCエンジン「1G-GEU」を搭載していることが大きな特徴だった。

 4代目で4ドアハードトップモデルが人気を博したことから、5代目のエクステリアはそれをリファイン。1985年にはそのデザインが評価されてグッドデザイン賞を受け、ハイオーナー向けのサルーンとして人気となった。

 余談だが、その車名から「マークII」は「コロナ」から分派したようなイメージを受けるが、実際には異なる。「クラウン」と「コロナ」の間を埋めるために開発された、当時のミドルクラスの新規車種だった。「コロナ」の「マークII」としたのは英国車に倣ったといわれ、「コロナ」よりも車格が上であることを意味しているという。また車名は少しずつ変遷しており、1980年10月登場の4代目で”トヨペット”が外れて「コロナ マークII」となり、5代目からは「コロナ」も外れて「マークII」となった。

 5代目は1988年まで生産され、同年8月にフルモデルチェンジして6代目が登場。最終的に「マークII」は2000年10月登場の9代目が2004年11月に生産を終了した。後継モデルは「マークX」で、その系譜は現在まで続いている。

「マークII ハードトップ グランデ・ツインカム24」のリアビュー。5代目のハードトップモデルの外見的な特徴は、光沢のある黒い樹脂でカバーしたリア(C)ピラーだ。今回の展示車両のボディカラーは、ハイソカーの象徴のひとつだった”スーパーホワイト”だ。

2代目「ソアラ」の500台限定のオープンカーモデル「エアロキャビン仕様」

2代目MZ20型「ソアラ 3.0GT エアロキャビン仕様」1989年式。全長4675×全幅1725×全高1345mm、ホイールベース2670mm、トレッド前1460/後1455mm。車重1500kg。排気量2954cc・直列6気筒DOHCエンジン「7M-GTEU」、最高出力230ps/5600rpm、最大トルク33.0kg-m/4000rpm。サスペンション前後共にダブルウィッシュボーン。ブレーキ前後共にベンチレーテッドディスク。

 高級パーソナルカーとして1981年2月に誕生した初代GZ10/MZ10型「ソアラ」。日本に”プレステージ・スペシャリティカー”ブームを起こし、その評価などもあって1981~82年と2年連続で日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。そんな成功した初代を引き継ぎ、1986年1月に登場したのが2代目GZ20/MZ20型だ。型式のGとMの違いは「70スープラ」と同じで、排気量1988ccの「1G」シリーズエンジン搭載グレードと、排気量2954ccの「7M-GTEU」エンジン搭載グレードの違いを意味する。

 2代目は初代をリファインし、品質感を高めたエクステリアデザインを特徴とする。上写真の「エアロキャビン仕様」は2代目の特別モデルで、1989年4月に500台限定で発売。電動でルーフとリアウインドウを折りたたんで格納でき、オープンカーにできることが大きな特徴だった。

 2代目は1991年5月にフルモデルチェンジして3代目となり、国内では2001年4月登場の4代目が2005年7月まで生産されて終了。その後、レクサスで後継モデルとして「SC430」が同年8月に登場したが、こちらも2010年7月に生産を終了した。直系ではないものの、現行では2017年3月に発売された「LC500」がその後継モデルという見方もされている。

「ソアラ 3.0GT エアロキャビン仕様」のリアビュー。2代目「ソアラ」は、すべてのウインドウに3次元曲面ガラスを用いており、ボディ表面と面を極力揃えたフラッシュサーフェスも特徴としていた。


 今ではもはや死語といっていいデートカーやハイソカー。80年代半ばから始まり、バブルがはじけて徐々に衰退していった90年代前半ぐらいまでの時代は、多くの若者が自らの青春をより充実させるため、そうしたクルマに乗りたがったのである。あれから30年、クルマの文化的な側面も随分と変わったと、しみじみと実感する方も多いのではないだろうか。

 またトヨタは今回、国内4社が共同開催したコーナー「百花繚乱80’s」にも出展。初代AW11型「MR2」1984年式、初代ST160型「カリーナED」1985年式、そしてレクサスの初代「LS400」1990年式(発売開始は1989年)の3車種が展示された。こちらはまた「百花繚乱80’s」のレポートで取り上げる予定だ。

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