【動画あり】日産「プロパイロットチェア」に乗ってみた!
「プロパイロットチェア」は4日間限定で、日産グローバル本社ギャラリーで展示された。
日産は9月27日に、行列待ちのときに座ってるだけで自動的に前に進んでくれるイス、「プロパイロットチェア」を公開。同月29日から4日間にわたって、実際に同社のグローバル本社ギャラリーにて、5台を用いた体験可能な展示を行った。
同社は、2016年2月にも、駐車時に自動でステアリングを制御してドライバーをサポートする「インテリジェントパーキングアシスト」技術から着想を得て開発された、自動的に指定された場所に移動する「インテリジェント パーキング チェア」を公開したが、今回はその第2弾となる。
インテリジェント パーキング チェアの公式動画。手拍子ひとつでイスが整列してくれる。
日産の自動運転技術をイスに導入
今回は、8月に発売された新型「セレナ」に搭載された同社の自動運転技術「プロパイロット1.0」から着想を得たもので、行列を自動で進んでくれるという機能を持つ。
プロパイロットチェアのアップ。制御はいわずもながら、座面下部の機器で行っている。
前のイスを認識しており、一定の距離を保ちながら追従し、また指定されたルートに合わせて自動でストップ&ゴーも行える。
要は、人気の飲食店などで行列待ちでの使用が想定されているわけだが、先頭のイスの客が順番が来て立ち上がって店内に入ると、その先頭の空いたイスが自動的に行列の最後尾に移動し、同時に2番目以下のイスが人が座ったままひとつ前に移動するというもの。
セレナに搭載された自動運転技術のプロパイロット1.0は、自動車専用道路の同一レーンで利用できるものだ。前走車との車間距離を一定に保って走れるのに加えて、車線中央を走行できるようにステアリング操作をサポートしてくれることなどが主立った機能だが、その内の前走車の認識と車間距離の保持といった技術がプロパイロットチェアにも応用されている。
同社は、こうした自動運転技術をよりわかりやすく世間に広めることを目的として、プロパイロットチェアを開発したというわけだ(実際にイスを製作したのはBIRDMAN社)。
日本国内のお店などに無償貸与を予定
また、今回のプロパイロットチェアはただ開発したというだけでなく、プロパイロットチェアの試用を希望する日本国内の飲食店などに対して無償貸与を行うとしている。
試用を希望する場合は、お店などのSNS(Twitter、Facebook、インスタグラム)のアカウントより 「 #NissanProPilotChair #Wanted 」 とハッシュタグをつけた形で、お店の情報がわかるサイトのURLなどの必要事項を記載した上で投稿することで応募となる。締め切りは12月27日(火)17時だ。
応募されたお店などには、公開設定で投稿されたツイートの中から、情報や走行条件などを精査した上で、事務局より当選の連絡を行うとしている。
実際に乗ってみての感想は?
実際に座ってみての感想は、残念ながら行列といっても体験デモではプロパイロットチェアが5脚、最も待っても前に4人のみという設定なので、すぐに自分の番が来てしまい、ストレスを感じるほどの行列ではなく、そこから解放された! という実感は得られなかった。
ただし、これが実際の行列待ちで、同じ5脚しかなかったとしても、1人が減るのに何十分、下手したら1時間、5番目の自分の番が回ってくるのに何時間という状況であったら、楽に感じるだろうなとは思う。
自動で移動してくれるので、よく行列待ち用に用意されている普通のイスのようにいちいち移るために立って座ってを繰り返す必要もなく、スマホでゲームをしたり、読書をしたりといった暇つぶしに集中しやすいからだ(もちろん、イスに座れること自体がというのもある)。
プロパイロットチェアの動く様子。トータル時間は1分8秒。
プロパイロットチェアに実際に乗ってみての視点で撮影。トータル時間は1分37秒。
どんなお店なら導入に適しているか!?
それでは、実際にどうした店舗に導入するといいかというのを考えてみると、これが意外と難しそうである。
例えば、何十人、下手したら3桁なんていう人数が待つようなまさに「行列のできるお店」だったりしたら、全員分は絶対に無理なので、せいぜい先頭の何人かになるだろう。
また、スペースの点からいっても、5脚だけでも意外と必要とする。しかも、先頭のイスが空席になってから行列の最後尾に移動する際のスペースもいるので、スペース的にあまり余裕のないところでの使用は難しい。
よほど敷地が広ければ別だが、10脚となるとかなりのスペースを必要とするので、実際のところ、今回の5脚ぐらいが限界ではないだろうか?
当然、公道に面したお店などでは利用できないし、雨が降るようなところも不可能だ。よって、建物内や地下街などの店舗で、通路にそれなりの広さがあるところ、となるだろう。
と、現実的に考えていくと色々と簡単にはいかなそうなのだが、それでもこうしたチャレンジングな試みは評価されてしかるべきだろう。
ともかく、実際の店舗で、どれだけの人を行列待ちのストレスから解放できるかは、興味深いところだ。
「うちならスペースも雨も問題なく、適度な待ち人数!」というオーナーや責任者の方がいたら、ぜひ打診してみてはいかがだろうか? 実際に運用しているところを取材させていただきたいので、その折はよろしくお願いします!
2016年10月11日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)
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