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最終更新日:2016.10.04 公開日:2016.10.04

GLM、EVスーパーカー「GLM G4」発表

GLMのEVスーパーカー「GLM G4」。同社のEVスポーツカー「トミーカイラZZ」を上回る性能を有する。

 GLMは、10月16日まで行われているパリモーターショー2016において、プレスデー初日の9月29日に、”次世代EVスーパーカー”と銘打ったコンセプトカー「GLM G4」を発表した。

 同社は現在、GLM G4の量産に向けた開発を開始しており、量産開始時期は2019年を目指しているという。正確な発売時期や価格は今後に発表される予定だ。

クーペの外観に4ドア&4シーター

GLM G4は、一見するとクーペスタイルだが、Bピラーを廃した観音開き型の4ドアで、なおかつ4シーターとなっている。

 GLM G4はクーペスタイルの外見としながらも4ドアかつ4シーターを特徴とする。ただし、4ドアといってもかなりユニークで、リヤドアが後ろ開き、Bピラーがなく、前ドアを開けると観音開きの状態になる。乗り降りはとてもしやすそうだ。

 スーパーカーのルーフラインを保持しながら、4人が窮屈な思いをすることなく移動を楽しめる快適性を維持しているという。

 同社はGLM G4のコンセプトとして、「RoadYacht(ロードヨット)」(路上を走るヨット)を掲げている。EVならではの大きなトルク(最大1000Nm)を活かし、エンジン車では実現できない、長距離の優雅なクルージングも得意とする、EVならではの新たなセグメントとして打ち出したいという。

サイドから見ると、よりスーパーカーらしいルーフラインが見て取れる。

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EVスーパーカーとしてのその性能は!?

時速100kmまでの到達時間はわずか3.7秒!

4ドアをオープンした状態は観音開きのため、正面から見ると、独特の様相を見せる。

 同社が開発したスポーツEVといえば、『同乗試乗動画で堪能してほしい! 0-100km/h3.9秒の実力の一部…… EVスポーツ「トミーカイラZZ」は凄い!』で紹介した「トミーカイラZZ」。同社は時速0→100kmまでの到達時間は3.9秒で、間違いなくスーパーカークラス。

 しかし、今回のGLM G4はその上を行き、3.7秒をマークするという。ちなみにほぼ同じタイムの国産スーパーカーには、レクサス「LFA」がある。

 また最高時速もトミーカイラZZの180kmから大幅にアップし、ガソリン車のスーパーカーにはまだ及ばないが、時速250kmを達成。航続距離は400kmを実現した。

GLM G4の性能を実現するための工夫とは?

斜め後方から。パワートレインは前後に1機ずつ搭載しており、EVならではのレイアウトとなっている。

 そのパフォーマンスを生み出すのが、最高出力400kW(540馬力)・最大トルク1000Nm(101kgm)というスペックの、専用開発のモーターを使ったEV駆動システム「Multi saliency power package(MSPP:マルチ・サリエンシー・パワー・パッケージ)」。これを前後に2基搭載して協調制御を行うことで、この性能を実現するという。

 なお、MSPPは、道路の表面状態に応じてタイヤの回転力を調整する制御技術を搭載しており、走行時の動力を最大化できるという。

 そして、強大なトルクをより効率よく快適に活用できるように、EVでありながらトランスミッションの多段化も図られ、運動性能の向上を狙っている。

 さらなるEVならではの工夫としては、大きな電流や電圧に耐えられるパワー半導体のIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)を改良し、スイッチングロス(電気回路の開閉で生じる電力喪失)を低減、電費(EVの燃費、単位はkm/kWh)の向上が図られる。

 またシャシーの構造にも複合素材が採用されており、MSPPは軽量で強固さを実現。他車種への応用も検討しており、コストの圧縮も可能になるとした。この複合素材の詳細に関しては、現時点では公表できないという。

 ちなみに、全長などのサイズや車両重量などは開発過程で変更や修正の可能性があるため、決定した時点で詳細を公開するとしている。

リアビュー。F1などでお馴染みの車体下面の空気の速度を高くするためのディフューザーがある。

GLM G4開発のための業務提携や新ビジネス

 このGLM G4の開発のため、デザインに関してはオランダのカロッツェリアである「サヴェージ・リヴァーレ」と業務提携を実施(GLMは同社の株式を同時に取得)。

 そして、EVの心臓部であるモーターとインバーターは、工業用ロボットなどの開発で国内外に知られる安川電機と共同で「モーター・インバーター」を開発することで合意している。

 また、GLMはトミーカイラZZの開発において、プラットフォームと外装に分けて開発するという手法を採用したが、GLM G4でも同じ手法を採用する。

 さらに、欧州やアジアなどでEV開発が注目されていることから、クルマメーカー以外の新規参入を目指す企業をターゲットとした、GLM G4のプラットフォームを販売する事業も展開していくとした。

2016年10月4日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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