2021年12月27日 15:40 掲載

クルマ 急速に進む軽自動車の先進安全機能。その現状に迫る!


タグ:

文・写真=会田 肇

【SOSコール】

日産・デイズに搭載されたSOSコールのスイッチ。このカバーを開いて中のボタンを押すとオペレーターと通話ができる

日産・デイズに搭載されたSOSコールのスイッチ。このカバーを開いて中のボタンを押すとオペレーターと通話ができる

 事故など緊急事態が発生した際にオペレーターセンターへ接続し、救援を依頼できるサービス。救援依頼は自らが専用ボタンを押して呼ぶ方法と、エアバッグと連動して自動通報する2つの方法がある。通報には車両側のGPSによって得た位置情報が同時に送信されるため、センター側では通報位置が把握できるようになっている。

 通報があるとオペレーターは、電話回線によってドライバーへの呼びかけを行い、応答があった場合には必要な救援方法について相談を受ける。もし応答がない場合は、緊急事態が発生していると判断して取得した位置情報を基に警察や消防、救急などの手配を行う。

日産デイズのSPSコールの作動イメージ図。ボタンを押してオペレータと通話できるほか、エアバッグが作動した際は自動的に接続される機能も装備する

日産デイズのSPSコールの作動イメージ図。ボタンを押してオペレータと通話できるほか、エアバッグが作動した際は自動的に接続される機能も装備する 出典=日産自動車株式会社

 SOSコール用ボタンを車内に設置しているのは日産とスズキで、ダイハツはダイハツコネクトに対応したカーナビの画面上にSOSコール用ボタンを表示させて対応する。いずれも設定車のみの装備とはなるが、エアバッグとの連動も実現している。ホンダは今のところ専用機能は搭載せず、スマホアプリ経由でオペレーターにつなぐサービスにとどまっている。

【ヘッドアップディスプレイ(HUD)】

走行中の車両情報をフロントガラスに直接映し出すスペーシアの例。ガラス面よりも先に投影するように見えるため、焦点が合わせやすい

走行中の車両情報をフロントガラスに直接映し出すスペーシアの例。ガラス面よりも先に投影するように見えるため、焦点が合わせやすい 出典=スズキ株式会社

 前方の視野内に速度をはじめとする車両情報を表示する装置のこと。運転中にメーターなどに視線移動することなく情報が得られるため、安全運転支援として極めて有効な装備となっている。特に年齢が高くなってくると焦点を合わせにくくなるため、前方からメーター内を視認するまでにわずかながら時間がかかる傾向にあり、この意味でもヘッドアップディスプレイは高齢者に優しい装備といえるのだ。ただ、この装備は小型車や普通車でも上級車にのみ搭載されてきたものでもあり、少し前まで軽自動車への搭載など考えられなかった。

ダッシュボード上に立ち上げたコンバイナー(透明の樹脂板)に車両情報を投影する新型アルトの例。フロントガラス面より手前だが、それでも焦点は合わせやすい

ダッシュボード上に立ち上げたコンバイナー(透明の樹脂板)に車両情報を投影する新型アルトの例。フロントガラス面より手前だが、それでも焦点は合わせやすい 出典=スズキ株式会社

 そうした中でこの装置の搭載を積極的に進めているのがスズキだ。現行ワゴンRにコンバイナー(ダッシュボード上から起き上がる透明の樹脂板)を立てて車両情報を映し出すヘッドアップディスプレイを軽自動車で初めて搭載したのだ。さらにその次に登場したスペーシアでは、このモノクロ表示をカラー化し、その上で、これまた軽自動車として初めてフロントガラスへ直接投影するタイプとした。これによって表示がフロントウインドウよりも先に映し出したように見えるようになり、焦点が一段と合わせやすくなったのだ。

 その後はワゴンRスマイルや新型アルトにもコンバイナー方式で搭載。スズキ以外にこれを採用するのは、スズキよりOEMを受けているマツダのみで、それ以外では今のところ軽自動車で採用例はない。

ライターお勧めの関連記事はこちら