2021年12月27日 15:40 掲載

クルマ 急速に進む軽自動車の先進安全機能。その現状に迫る!


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文・写真=会田 肇

【衝突被害軽減ブレーキ】

ダイハツ・タントでは、ステレオカメラを使った「スマートアシスト」によってクルマ以外にも歩行者との衝突回避もサポートする

ダイハツ・タントでは、ステレオカメラを使った「スマートアシスト」によってクルマ以外にも歩行者との衝突回避もサポートする 出典=ダイハツ工業株式会社

 これは一般的に "自動ブレーキ" とも呼ばれている装備で、JNCAPでの評価対象となっている装備だ。この中には、アクセルの踏み間違いによる誤発進抑制制御機能も含まれる。2021年11月よりフルモデルチェンジした新車は搭載が義務化されており、そうした背景もあって軽自動車でも基本的には全グレードに標準装備されている。

ダイハツ・タントの例。ペダルを踏み間違えたとき、前方はステレオカメラで、後方は超音波センサーによって急発進を抑制する

ダイハツ・タントの例。ペダルを踏み間違えたとき、前方はステレオカメラで、後方は超音波センサーによって急発進を抑制する 出典=ダイハツ工業株式会社

 ポイントはそのセンシングする方法で、今販売されている車両で採用されているのは、カメラ方式、カメラ+ミリ波レーダー方式、カメラ+赤外線レーザー方式の3タイプがある。これらはいずれも前方用として使われるが、後方用としてはバンパー内に埋め込まれた超音波センサーによって制御される。

ダイハツ・タントに搭載されたステレオカメラ。カメラの解像度を上げることで左右の間隔を狭めても高い検知能力を実現したという

ダイハツ・タントに搭載されたステレオカメラ。カメラの解像度を上げることで左右の間隔を狭めても高い検知能力を実現したという 

 カメラ方式を採用するのはダイハツとスズキで、いずれも二眼タイプのステレオカメラとしている。カメラの感度を高めることで夜間での検知能力も高めているのが特徴だ。カメラ+ミリ波レーダー方式を採用するのは日産と三菱、ホンダで、カメラは単眼タイプであるものの、夜間でも認識能力が高いミリ波レーダーを組み合わせてトータルでセンシング能力を高めている。

 カメラ+赤外線レーザー方式は、スズキがワゴンRとラパンに採用している。衝突被害軽減ブレーキが普及し始めた当初は赤外線レーザーのみで対応していたが、制御できる速度域が低いことや人などの形状を認識できないことから、今はカメラを併用する方式に置き換わっている。ただ、今後は赤外線レーザーは使われなくなっていくものと予想される。

【アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)】

日産・ルークスのプロパイロットでは、カメラとミリ波レーダーによって先行車を捉え、車間を維持しながら速度を調整して停止まで自動追従する

日産・ルークスのプロパイロットでは、カメラとミリ波レーダーによって先行車を捉え、車間を維持しながら速度を調整して停止まで自動追従する 出典=日産自動車株式会社

 アクセルとブレーキの操作を制御して、先行車との車間を維持しながら自動追従することができる。主に高速道路での使用が基本となるが、ロングドライブでの疲労軽減に役立つ。小型車や普通車を中心に普及してきたこの機能だが、最近では軽自動車でも急速に普及が進んでいる。

日産・デイズのプロパイロットが作動している時のメーター内の表示。ステアリング制御を行いながら先行車に追従している状況を示している

日産・デイズのプロパイロットが作動している時のメーター内の表示。ステアリング制御を行いながら先行車に追従している状況を示している

 センシングにはカメラやミリ波レーダーが使われ、車種によっては車線のはみ出しを警報だけでなく、車線中央を走行するようにステアリング制御までサポートする車線逸脱防止支援機能を備える車種も増えてきた。

ホンダ・N-WGNに搭載された電動パーキングブレーキのスイッチ。ACCによって自動停止した後もこの機能によって停止状態は維持されるホンダ・N-WGNに搭載された電動パーキングブレーキのスイッチ。ACCによって自動停止した後もこの機能によって停止状態は維持される

 ACCで見逃せないのが、組み合わせるパーキングブレーキの仕様だ。これまで軽自動車のパーキングブレーキは足踏み式や手動式の「機械式」がほとんどだったが、最近ではこれを「電動式」とするクルマが増えてきた。これはACCの機能を左右する極めて大きなポイントとなる。というのも、機械式の場合は、たとえACCが全車速域に対応して一旦は停止まで制御しても、数秒後にはアラームを発してその状態をリリースしてしまうからだ。一方で電動式では停止後もその状態がホールドされ、クルマは動き出さない。

ダイハツ・タントでは、車線をセンシングしながら中央部を走行するようステアリングを制御するレーンキーピング機能が搭載されている

ダイハツ・タントでは、車線をセンシングしながら中央部を走行するようステアリングを制御するレーンキーピング機能が搭載されている 出典=ダイハツ工業株式会社

 電動式パーキングブレーキは小型車や普通車でも上級車を中心に搭載されてきた機能だったが、日産と三菱が採用して以降、搭載はホンダやダイハツにまで広がっている。特にホンダの場合、社内規定で機械式の組み合わせではACCを全車速対応にしないとし、N-BOXがようやく電動式となってACCの全車速対応としたのもこの規定があったからだ。一方でスズキ(&OEMのマツダ)には今のところ、電動式を採用する車種は用意がない。

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