2022年05月12日 17:10 掲載

クルマ レクサスのEV「RZ」とマツダのPHEV「CX-60」。2種の試作SUVに乗ってみた!


文=小川フミオ

レクサスらしいEVとは?

レクサス RZ|Lexus RZ

駆動用リチウムイオンバッテリーの容量は71.4kWhで、航続距離は約450km(J-WLTCモード)を開発目標値としている。

 RZは、全長4805mm、ホイールベース2850mmと、けっこう余裕あるサイズのボディを持ち、電気モーターを前後に載せた全輪駆動。モーターは、前輪用が150kW(204ps)、後輪用が80kW(109ps)だ。たとえば、22年5月12日発売のトヨタ「bZ4X」の全輪駆動仕様は前後ともに80kWなので、RZのほうがパワフルなのは数値から推して知れる。

 プロトタイプながら、RZは完成度が高い、とすぐに思った。ひとつはスタイリング。おそらく完成車に限りなく近いのだろう。フロント部分のマッス(かたまり)と、後輪を中心としたマッスが力強く組み合わさったような造形である。SUVというよりもっとスポーティな雰囲気の、いわゆるクロスオーバービークルだ。

「シャシー技術で、EVならではの楽しさが生み出せます」。RZのチーフエンジニアを務めている渡辺剛氏が、現場で私に教えてくれた。そこに留意してプロトタイプを運転してみて欲しい、という。

 走り出しは、暴力的な加速感はない。すっと、おだやかに発進して、そのあとは、するするっと気持ちよく速度がのっていく。カーブや車線変更では、ステアリングホイールを操ると、車両はすぐさま、ドライバーである私の意図を汲み取るかのように、反応よく動いてくれる。

レクサス RZ|Lexus RZ

プロトタイプのインテリア。特徴的なデザインのステアリングが目を引く。

 RZの走りがいいのは、「DIRECT4(ダイレクトフォー)」と名づけられた前後の駆動力制御システムが組み込まれているからだと渡辺氏は説明してくれた。「走りのコンセプトは"The Natural(ナチュラル)"で、それをドライバーの方に味わってもらうため、運転状況や路面の状態に応じて、前後輪のトルク(車輪を回転させる力)を変化させるシステム」だそうだ。

 その働きが顕著にわかるのがカーブ。体感的にはたいへんスムーズで、軽快な動きに感心する。じつは上記「DIRECT4」が働き、カーブにさしかかっていくときは、75対25から50対50の間で前後のトルク配分を調節している。カーブの出口に向けて加速するときは、50対50から20対80となる。アクセルペダルを踏みこむと後輪にトルクがかかって、強い力で車体を押しだしてくれるのだ。

 しっかりした走りのために、ボディに補強を入れるなど、いわゆる剛性をうんと上げている。これもRZの特徴だ。ブレーキの効きも、制動力が高いだけではない。操作性が繊細なのだ。ここで止まりたいと思った位置に、ぴたりとズレなく止まってくれる。電気自動車では、これが意外に難しかったりするのだ。

 電気自動車なんて誰が作っても同じになる、と巷ではよく言われているが、実際はそうではなく、"わかっているひと"が手がけると、ガソリンやディーゼルにはない特性を走りに活かした味付けのクルマになる、という。レクサスの主張に説得力を感じさせる出来栄えで、まだプロトタイプの段階でも十分印象的だった。

レクサス RZ|Lexus RZ

レクサスは2030年までにすべてのカテゴリーでBEVのフルラインアップを実現し、2035年にはグローバルでBEV100%の販売を目指している。

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