2022年11月21日 19:00 掲載

ライフスタイル 外環道・中央JCTの工事現場を取材! 圧巻のシールドマシンの掘削工程

首都圏三環状のひとつ、外環道の中央JCTでは、本工事が進められない間もHランプシールドの掘削工事が完了していた旨を知り、取材に向かった。広大な敷地を進み、深さ35mの立坑を降りた先には、滅多に見られないシールドマシンの姿を間近で確認することができた。約410mの掘削に半年の工程を要する、Hランプの途方もない工事内容を紹介したい。

文・写真=会田肇

外環道中央JCT取材の背景

シールドマシンを裏側から見たところ。この反対側に地中を掘削するカッターが装備されている

シールドマシン先端部の裏側。掘削工程は記事の後半で説明

 今、首都圏では都心を中心として、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)、東京外かく環状道路(外環道)、首都高速中央環状線(中央環状線)の3つの環状線の整備が進められている。これを"首都圏三環状"と呼ぶ。

 この路線の整備目的は、都心から放射状に延びた各高速道路を横断的に相互接続することで、都心部への不要な交通量を減らすことにある。すでに中央環状線は全線が、圏央道も9割の約270kmが開通して、その効果を私自身も実感しているところだ。

 残る外環道は、都心から約15kmの東京23区の外側を周回する高規格道路で、周回しても距離がそれほど長くないことから使い勝手の良い環状線と言えるだろう。しかし、この外環道の工事が思うように進んでいない。その理由は工事を進めるに当たって想定外のアクシデントが発生してしまったからだ。

 詳しくは別レポート(https://kurukura.jp/car-life/20221101-30.html)でも報告しているが、要は東京都調布市内で進めていたシールドマシンによる工事の最中に、地表面に陥没箇所を発生させてしまったことに起因する。現在、この区間の本工事再開は見込めない状態となっているのだ。

中央JCT全体の構造イメージ

中央JCT全体の構造イメージ

 そんな矢先、事業用地内にある中央JCTの工事で、2022年10月13日、Hランプシールドの掘削が完了したとの話が伝わってきた。「え、外環道の工事って進んでいるの?」この話を聞いたとき、私もにわかに信じられなかったが、国道事務所に訊ねてみるとそれは事実だった。しかも、その当該場所の取材も許され、この日を迎えたというわけだ。

掘削完了後のHランプが見たい!

 では、東京外環の工事はどこまで進んでいるのだろうか。外環道と中央道が接続する中央JCTの場所は世田谷区と三鷹市の境界付近で、東名高速からは北へ7kmほどの地点にある。ここでは甲州街道(国道20号)と、その北側に並行している東八道路への出入り口が同時に建設される。これにより、外環道と中央道の相互接続が可能となり、一般道からの出入りも実現することになる。

中央JCT北側A/Hランプシールドの工事概要

中央JCT北側A/Hランプシールドの工事概要

 今回、取材が許されたのは、この中央JCT北側にあるHランプシールド工事の現場で、ここは清水・竹中土木特定建設工事共同企業体の手によって工事が進められている。国道事務所の建設監督官の須釜 弘さんは、「すでに用地買収は大半が済んでおり、工事が実現できたのもここを用地として提供してくれた地域住民がいたからこそ」と話し、工事は地元の人たちの理解抜きには成り立たないのだと理解した。

中央JCTの工事現場。工事が終わったところで全体がコンクリートで蓋をされる

中央JCTの工事現場。工事が終わったところで全体がコンクリートで蓋をされる

 そういった説明を聞きながら、まず訪れたのは工事現場が一望できる見晴台だった。そこに上がって見た光景はとにかく「広い!」の一言。サッカースタジアムでも入るのではないかと思われる広さだ。どのぐらい広いのかを地図上で確認すると、中央道に向かって北から"T字形"に接しており、その範囲は南北に1km、東西に1.2kmほどの敷地となっていた。

 この見晴台で工事の概要を説明された後、いよいよHランプの工事現場へと向かう。工事現場というと何となく雑然とした印象を持っていたが、敷地内は想像以上に整理整頓されていて、歩くにもまったく困らない。取材途中でトイレをお借りしたら、シャワートイレとなっていたことにも驚いた。もう昔の工事現場のイメージは完全に払拭されてしまった。ただ、作業は続けられているため、うかつな行動は危険を伴う。国道事務所の担当者からは、指定枠からは絶対にはみ出さないで行動することが呼びかけられた。

地中での作業となるため、万一のガス発生に備えて警報装置も装備されている

地中での作業となるため、万一のガス発生に備えて警報装置も装備されている

全長約400mのHランプすべてに空気を送る巨大な装置も用意されている

全長約410mのHランプすべてに空気を送る巨大な装置も用意されている

 地下の工事現場へと続く階段を下り、地下35mのレベルに降り立ち、そこで目にしたのは緩やかにカーブを描き本線へと延びる巨大なトンネルだった。ここは外環道から中央道へ向かうHランプの一部で、計画図を見るとトンネルはそのまま中央道の下をくぐり抜けたところで右カーブとなり、その後は地上に出て中央道下り線に接続する。トンネルの直径は本線の16mよりも細い12mほどで、下から1/3ぐらいのところに路面が作られる。路面下には避難通路となるスペースも設けられる計画だ。

10月13日、掘進が終了した中央JCTのHランプ。この先が外環道につながる

10月13日に掘進が終了した中央JCTのHランプ。この先が外環道につながる

シールドトンネル工事を行う設備の全体イメージ。この配置は東名JCT側のイメージのため、中央JCT側の配置とは異なる。画像=国土交通省

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Hランプで採用されたシールド工法を紹介

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