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最終更新日:2022.07.11 公開日:2022.07.11

カーエアコンで燃費は悪化する?上手に使って夏ドライブを快適に

夏のドライブは、車内の暑さとの戦いだ。窓を開けて風を入れたり、カーエアコンを点けたりして、快適な車内温度で過ごしたいもの。しかし、一般的に「カーエアコンを使うと燃費が悪くなる」といわれている。さて実際にはどれくらい影響があるのだろうか?

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カーエアコンと燃費の関係

上:(c)benjaminnolte – stock.adobe.com 、 下:(c)dougilly – stock.adobe.com

 クルマのエアコンを作動させると燃費が悪化するといわれている。特に夏場は、冷房を多用するため、その影響を気にするドライバーも少なくないだろう。

 カーエアコンの「A/C」スイッチを入れてエアコンをオンにすると、クルマの内部ではコンプレッサーという機械が動く。コンプレッサーはエアコンガス(冷媒)を圧縮するためのもので、冷房や除湿をする際には欠かせない。このコンプレッサーが主に燃費に影響している部分である。ガソリン車ではエンジンの回転を動力にして、コンプレッサーが作動する。そのため、カーエアコンを作動させると少なからずガソリンを消費することになるのだ。

 一般社団法人日本自動車工業会(JAMA)によると、カーエアコンを作動させていると、ガソリン車の燃費は1割以上悪化するという。単純計算で走行距離を考えてみよう。燃費性能が20km/Lのクルマの場合、通常、ガソリン1Lで20kmは走行できる。しかし、カーエアコンを使用した場合には、18kmしか走行できなくなるのだ。

 なお、JAMAによるとカーエアコンは、家庭のエアコンと違い、温度設定による燃費への影響は大きくなく、風量設定の方が燃費に影響するという。

画像=一般社団法人日本自動車工業会(JAMA)

外気温とエアコンと燃費の関係

画像=財団法人 省エネルギーセンター

 次に、財団法人 省エネルギーセンターの資料から、外気温とカーエアコンの設定による燃費への影響についても見てみよう。

 省エネルギーセンターが2500ccのミニバンを用いて行った測定によると、外気温が25℃の時にエアコンをオン(内気循環・オートモード)にすると、オフ時に比べて燃料消費が14%増加。一方、外気温が35℃の時に、エアコンをオン(内気循環・オートモード)にすると、オフ時に比べて燃料消費が38%増加したという。エアコンの設定が同じであっても外気温が高くなると、燃費は悪化するようだ。

 また、外気温が35℃の時にエアコンを外気導入かつオートモードでオンにすると、内気循環かつオートモードに比べて燃料消費が4%増加。内気循環かつ風量最大でオンにすると、内気循環かつオートモードに比べて燃料消費が14%増加したという。つまり、外気温が同じ条件であっても、内気循環よりも外気導入の方が、オートモードよりも風量最大の方が燃費を悪化させることがわかる。

画像=財団法人 省エネルギーセンター

 省エネルギーセンターの測定結果は「cc/km」という単位で示されているので、馴染みのある「km/L」という単位に変換すると、外気温25℃でエアコンがオフの場合、燃費は約8km/L。外気温が35℃でエアコンが内気循環かつ風量最大でオンの場合、燃費は約5.1km/Lとなる。つまり、同測定によると、暑い日にエアコンをマックスでつけると通常より約3km/Lも燃費が悪化するということになる。

 これらのことより、カーエアコンを使用すると通常よりも燃費は悪化すること。エアコンを使用する際は、内気循環を使い、風量調節は最大ではなくオートモードを使用することで燃費が良くなるとわかった。燃費が気になるドライバーは、エアコンの風量に注意するといいだろう。ただし、内気循環のみを使用していると車内の二酸化炭素濃度が上昇するので、たまには換気も必要だ。

 ガソリン価格が高騰する昨今、できるだけ燃費は良くしたいもの。しかし、エアコンを付けずに熱中症になってしまう方が、結果的には大きなマイナスを生むことは明白だ。暑い日はエアコンを活用し、まずは体調管理を優先してほしい。

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