2020年04月08日 13:30 掲載

ライフスタイル C3~C4をつないで埼玉県南部の交通を変える! 高速道路「新大宮上尾道路」とは?

「新大宮上尾道路」は、埼玉県内の新大宮バイパスおよび中山道(国道17号)の渋滞を解消することを目的に計画された高速道路だ。これから用地買収の段階に入り、建設作業が本格化していくという。

神林 良輔

画像1。さいたま市中央区の新大宮バイパスにかかる円阿弥(北)歩道橋から北側を向いて撮影。この上部に高速道路「新大宮上尾道路」が建設される。

画像1。さいたま市中央区の新大宮バイパスにかかる円阿弥(北)歩道橋から北側を向いて撮影。この道路の上空に高速道路「新大宮上尾道路」が建設される。

 埼玉県内の交通状況は、C4圏央道以南の東京寄りの地域に交通が集中していることが判明している。そのうちの県央地域においては、新大宮バイパス(国道17号・画像1)および中山道(国道17号)に交通が集中しており、渋滞の発生回数も多い。

C3外環道~C4圏央道をつなぐ高速道路で交通容量を増強

 新大宮バイパスおよび中山道の渋滞緩和と、県央地域の発展に有効と考えられているのが、E4東北道とE17関越道の間に新たな高速道路を通すことだ。C3外環道とC4圏央道をつなぎ、南北方向の交通容量を増強させるこの高速道路は、「新大宮上尾道路」と呼ばれている。

 新大宮上尾道路は、さいたま市中央区円阿弥(えんなみ)から鴻巣市箕田(こうのすしみだ)までをつなぐ計画の、延長約25.1kmの高速道路だ(画像2)。ルートは、新大宮バイパスおよびその延長といえる上尾道路(国道17号バイパス)上に建設される計画である。上下2車線ずつの高速道路(道路規格は第1種第3級)で、設計速度は時速80km、道路の幅員は18.75~20.5mというスペックだ。

画像2。計画中の新大宮上尾道路全区間(さいたま市中央区円阿弥~上尾市箕田)。大宮国道事務所プレスリリース「平成31年度大宮国道事務所の事業概要」より。

画像2。計画中の新大宮上尾道路全区間(さいたま市中央区円阿弥~上尾市箕田)。大宮国道事務所プレスリリース「平成31年度大宮国道事務所の事業概要」より。

 新大宮上尾道路は、南端の与野JCT(仮称)において首都高の埼玉大宮線および埼玉新都心線と接続。それにより、外環道や首都高・5号池袋線には美女木JCTにてアクセスできることになる。一方の北側では、桶川市川田谷(おけがわしかわたや)の桶川北本IC近辺に新たにJCTを建設して圏央道と接続させる計画だ。新大宮上尾道路はそこでは終わらず、さらに北へと向かい、終点は9kmほど北の鴻巣市の「箕田交差点」である。

 さいたま市中央区円阿弥から桶川市川田谷(桶川北本ICの北側)までは、すでに新大宮バイパスと上尾道路(I期)が開通しており、新大宮上尾道路はその上を高架の高速道路として建設される。その先の鴻巣市箕田までは「上尾道路(II期)」の建設が進められており、新大宮上尾道路はその上を通ることになる。上尾道路(II期)は現在、調査設計、用地買収、改良工事の段階だ。

与野JCT~上尾南出入口間は首都高として建設される予定

 新大宮上尾道路は、2016年から与野JCT~上尾南出入口(上尾市堤崎)までの南側約8kmの区間(画像3)が、国土交通省関東地方整備局大宮国道事務所により先行して着手されることとなった。そして翌2017年3月の有料道路事業許可(※1)を経て、現在では首都高速道路株式会社と共同で事業が進められている。よって、与野JCT~上尾南出入口間に関しては首都高の1路線として開通する予定だ。

※1 事業許可:道路整備特別措置法第3条に基づいて、国土交通大臣から受けるものである。

画像3。新大宮上尾道路の事業化区間8kmと、その周辺のマップ。首都高速プレスリリースより。

画像3。新大宮上尾道路の事業化区間。首都高速プレスリリース「国道17号 新大宮上尾道路(与野~上尾南)の事業の進捗状況についてお知らせします」より。

これから用地買収がスタートして建設作業が本格化

 事業化区間については、これまで現地測量や道路設計が行われてきた。しかし検討・精査が実施された結果、一部の道路構造を見直す必要が出たことから、2019年10月に都市計画の変更を実施。それを踏まえて、2020年3月13日に与野JCT~上尾南出入口間における都市計画の事業承認・認可(※2)の告示がされたのである。

※2 都市計画事業承認・認可:国土交通大臣が国土交通大臣自身から承認を、そして首都高が埼玉県知事から認可を受けた。

 今後は都市計画法第66条に基づき、地権者などに対して地元説明会(承認・認可の内容、設計内容、用地取得の流れなど)が開催され、その後に用地買収がスタートする。さらにそれ以降は、幅杭の設置⇒用地の測量⇒用地交渉と契約⇒埋蔵文化財調査⇒工事説明⇒工事という流れを経て、完成となる。完成時期は未定だ。

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新大宮上尾道路の出入口について

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