2018年12月25日 01:57 掲載
ライフスタイル
菰田潔のATの新常識。イマドキのAT車は変速の必要はない
それでもカシャカシャ変速したくなる人の事情
現在ATはとても進化している。もうドライバーが変速する必要がないほどだ。こと変速に関する限り、一昔前の常識は通用しない。それでもシフトレバーやパドルがついているのはなぜだろうか。モータージャーナリストの菰田潔氏が解説する。
20年ほど前のことです。氷上でのドライビングレッスンの準備のため、何人かのインストラクターとコース設営をしました。設営がひと通り終わり、出来上がったコースをどれぐらい速く走ることができるのか、インストラクターや地元の氷上整備業者らで勝負することになりました。インストラクターはウデ自慢の猛者たちです。一台一台スタートしてタイムを計測。みんな真剣に走りました。結果一番速かったのは、コースを整備する地元のおじちゃんでした。
写真はイメージです
インストラクターたちはウデに物を言わせてATのマニュアルモードを駆使してバシバシ変速して走ります。見た目には雪煙を立ち上げてすごく速く見えるのです。一方整備のおじちゃんは普通にATのDレンジでスーッと走りました。氷上は車の挙動がすぐに出るので、走るのが難しい環境です。だからこそ運転の技量の差が出るのですが、ATのマニュアルモードを適切に操ってこそ車は速くなると思っていた私は、このとき初めて「実はAT車のDレンジで走るのが最適なのでは?」と思い始めました。インストラクターのウデでもDレンジのままのATに負けたということは、一般のドライバーが中途半端な知識と技量で操作するよりも、車のコンピューターのほうが冷静で賢いのかもしれないと。
そして車のトランスミッションはさらに進化しました。
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