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最終更新日:2017.03.10 公開日:2017.03.10

ロケット雲は見える

 JAF Mate読者から寄稿を募り、このたび8作品を大公開。この企画では、記事を多く読んでもらうほど、投稿者様への謝礼もUPします! 集計期間は5/10正午まで。気に入った記事は、ぜひお友達にも紹介してファンを増やしてあげてくださいね。※PV集計は終了しました。

 それでは、ペンネーム ☆Ikuzo さんの作品をどうぞ!


夕日が沈んでも輝いている雲、もしかしてあれは・・・?

1979年2月6日夕刻に種子島から打ち上げられたNロケット5号機は、実験用静止通信衛星「あやめ」を軌道上に投入した。このロケット雲を東海沖からとらえた。

この日、上空に夕日が沈んでも輝く雲を見つけたので不思議に思い、撮影した。確認した時刻は、覚えていない。見えた方角は、西南西。後で気づくことになったが、ほぼ種子島の方角だった。

入道雲は、夕日が沈んでからも空高く輝くことがある。その高度は約12,000m。この日発見した輝く雲は、その入道雲が届かないと思われる上空にたなびいていた。

見えるはずのないロケット雲は、なぜ見えたのか。

自宅に戻ってテレビニュースでNロケット打ち上げを知った時、「これだ」と直感した。さっそく、電話で宇宙開発事業団(現JAXA宇宙航空研究開発機構)に問い合わせた。

電話口に出た職員に「たぶん、見えるはずないと思います」と否定された。しかし、Nロケットの打ち上げ方向とおおまかな軌道などを教えてもらった。

なぜ、ロケット雲は「見えるはずない」だったのかだ。種子島から東へ向けて発射されたロケットは、東海地方からは「遠ざかる」と勘違いしたためらしい。

多くの場合、人工衛星を搭載するロケットは、東向きで地球の赤道上空を目指すコースで打ち上げられていた。地球の自転速度を加算するためだ。Nロケット5号機について宇宙開発事業団が教えてくれた軌道は、東向きで東海沖の高度約130㎞を通過するという情報だったと思う。

東京で観測すると仮定して軌道を計算すると、東京―種子島間990kmに対して、東へ飛行するNロケットは少しずつ近づき、東京の真南を通過する最接近時点で約580kmということになる。410kmほど近づくことになる。

もう一つの疑問は、水平距離約580㎞かなたのNロケットが見えるのかだが、高度約30㎞を超えれば、約600㎞離れた距離から確認できる計算だ。

Nロケットは、発射から約100秒で高度60㎞ほどまで到達する。この間、高度12~50㎞の成層圏を飛行している。さらに軌道は高高度になる。九州、四国、東海、そして東北の太平洋側からも見える位置を飛行することになる。

→ 次ページ:愛知県下で撮影されたNロケット5号機のロケット雲

愛知県下で撮影されたNロケット5号機のロケット雲

当時撮影したロケット雲は、宇宙開発事業団の機関誌に載せてもらうことになった。その機関誌の写真の複写なので見にくいが、愛知県下で撮影した【写真1】は、最近、ネット上で紹介されるような形と輝きを特徴としている。
【写真2】は、静岡県下でほかのグループが撮影した。画面右下から上昇する一直線のロケット雲だ。

その後、Nロケット打ち上げの機会あるたびに友人の望遠レンズを借り、撮影に挑戦したが、撮影できなかった。

  • 【写真1】
  • 【写真2】

そして、36年ぶりに撮影は成功!

【写真3】は、2015年11月24日夕刻、種子島から打ち上げられたH2Aロケット29号機のロケット雲。偶然、36年ぶりで撮影に成功した。
【写真4】は、2017年1月24日夕刻、同じ種子島から打ち上げられたH2Aロケット32号機のロケット雲。

  • 【写真3】
  • 【写真4】

宇宙航空研究開発機構のHPに掲載されているH2Aロケット4号機フライトシーケンス図を見ると、種子島から南へ飛行している。

29号機と32号機が、どの方角に向かって飛行したか分からないが、この2枚のH2Aロケットのロケット雲も南西から西南西の種子島方角に見えた。つまり、成層圏を通過したNロケットが残した噴煙が、西から差し込む太陽光に輝き、光っていたのだと思う。

→ 次ページ:

ロケット発射から、ある程度時間が経って、上空にたなびくロケット雲を撮影することは難しくない。静岡県下で撮影された【写真2】のように一直線に上昇するロケットとその噴煙を狙いたいが、簡単には成功しないだろう。

  • 【写真2】

1975年から1987年までのNⅠ、NⅡのNロケット時代には、世の中にデジカメはなかった。フィルムで撮影した。それも、カラーとは限らなかった。最近は、高性能のデジカメがあり、動画も簡単撮影できる。すぐにネット上に情報が流れる。32号機のロケット雲は、NHKでも紹介されていた。

情報化は、みんなで地上60㎞超まで捉えている。フィルムカメラで追いかけていたころが、今は昔だ。

投稿者:ペンネーム ☆Ikuzo(愛知県)

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