結婚40周年記念のラッタッタ
JAF Mate読者から寄稿を募り、このたび8作品を大公開。この企画では、記事を多く読んでもらうほど、投稿者様への謝礼もUPします! 集計期間は5/10正午まで。気に入った記事は、ぜひお友達にも紹介してファンを増やしてあげてくださいね。※PV集計は終了しました。
それでは、ペンネーム・66magna さんの作品をどうぞ!
ラッタッタって、何のことか知っていますか?
ラッタッタと言う響きを聞いた事がある人も多いと思います。さて、これは何から発せられた言葉でしょう? 約40年前、女性向けに製作されたホンダのロードパルというバイクのCMに出演した、イタリアの女優ソフィア・ローレンが、エンジンを掛ける時の掛け声だったのです。
このバイクは軽くて、色も女性好みのオレンジやグリーンと多種あったと思います。前カゴまで付けた斬新なスタイルをしており、小さなキックペダルを数回踏み、そして左ブレーキを引けばエンジンが掛かると言う画期的なスターター方式です。いわば足でゼンマイを巻き、それを一気に解除することでエンジンを回す仕掛けになっています。
ここまで書けば思い出していただいた方もおられるでしょう。
どうして今さらこのロードパルの事を書くかと言いますと、私達夫婦は結婚40周年を12月18日に迎えます。結婚した当時、私の実家と新居とは少し離れていましたので、私は家内に少しでも知らない土地と私の家族を知ってもらう為にこのロードパルをプレゼントしました。当時21歳だった妻がまだ世間にあまり出回っていなかったそのバイクで大阪市内を風を切って走ると、信号待ちで「それは何と言うバイクですか?」と何度も聞かれたとのことでした。このたび結婚40周年を迎えるにあたりこのバイクを探しました。ネットオークションでグリーンの色あせたこのバイクを見つけ、落札することができました。
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どうやってよみがえらせたのか?
40年ぶりにやってきたぼろぼろのバイク。
どうやってよみがえらせたのか?
数日経った雨の午後、愛知県から積車に載ったロードパルが我が家に届けられた時、運転手の方はバツが悪そうに「私は届けに来ただけなので、受け取りだけお願いします」と言うと、サインを受け取るなりそそくさと帰って行きました。
バイクを見た妻は唖然とし、一度見たきりガレージにも入ってきません。それもそのはずでプラスチック部分の割れた処には何やらガムのようなパテが盛ってあったり、陥没箇所もあったり、また金属部分は錆だらけ、タイヤはペチャンコで空気も入っていませんでした。当然このまま公道を走れるものではありません。何とかエンジンだけは掛かりました(家内曰く、このバイクどうするの?)。
私も何処から手を付ければよいやら、とにかくビスやボルトを一つずつ外し、割れたプラスチック部分を複製し、裏庭で密かに塗装、金属部分もすべて磨き上げ、タイヤも新品に替え、バッテリーはもちろん、安全にも配慮してウインカーも音が出るようにしました。何と言ってもメインキーの取り付け部のヘッドライトのプラスチックが割れているのと、キー本体もばらけてしまっていたので修復に3日もかかりました。ガソリンタンクの洗浄、オイル類も入れ替えて部品すべてを元に戻し、40年前の彼女が乗っていたオレンジと白のツートンにし、現在にも通用するバイクに変身させ登録も完了することができました。
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よみがえったバイクをプレゼント! すると妻は・・・。
私が試運転で走ると、40年前の妻と同じように、信号待ちで女子高校生から「このバイクなんて言うの?」と声をかけられました(超うれし~)。
そして12月18日、妻にプレゼントすることができました。
彼女はまさかここまで出来るとは思ってもいなかったようで、それはそれは喜んでくれ、バイクと同じく自分も若い時に戻ったような気分と言いながら、どうせならこの前カゴにバラの花で一杯にして欲しいとまで・・・。「君の容姿もレストアしようか」と言いたいところだがそれは言うまい!!
ヘルメットも買いそろえ、寒い中でも気分転換に時々乗ってくれています。
私も今まで知らなかった地元を散策するのがとても楽しく、毎日、天気と気温を眺めては乗っています。
レストアして思う事、40年経っても少し手を加えればまだまだ元気で走る妻とバイクに驚きと感激です。
投稿者:ペンネーム・66magna(大阪府)