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ライフスタイル最終更新日:2016.05.10 公開日:2016.05.10

第2回 身体をゆるめて、気分爽快リフレッシュ! 

こり固まった上半身の筋肉をゆるめて、みずみずしい酸素をたっぷり身体に取り入れよう!

正しい運転姿勢は、安全運転に役立つだけでなく、肩、首、腰などに負担をかけない姿勢でもあります。しかし、どれだけ正しい運転姿勢をとっていても、運転中は前かがみになるので、腕の付け根や胸まわり(大胸筋と呼ばれる付近)が縮んでしまい、血の巡りが悪くなります。また、同じ姿勢を続けることも血の巡りが悪くなる要因です。血の巡りが悪くなると身体に十分な酸素が行き渡らなくなり、肩、首などの”こり”につながったり、集中力の低下やイライラなどを誘発します。

第1回の深呼吸編でもお伝えしたように、ドライブ中は交感神経が活発に働いています。そもそも忙しい現代人は、交感神経が優位になっている場合が多く、常に身体が緊張状態となり、表面の筋肉が硬くなりがちです。みすみずしい新鮮な酸素を身体に気持ちよく取り込むためには、まずは、硬く緊張した表面の筋肉をゆるめてあげることがポイントです。

そこで今回は、緊張した身体をゆるめるエクササイズをご紹介します。まずは、疲れた身体に心地よい刺激となる運動を。次に、ほどよくゆるめるエクササイズで、内側の巡りを良くし、”こり”にもアプローチ。仕上げは、すっきりとした集中力を取り戻して気持ち良く運転に戻ることができるようなメニューです。全部やっても、いくつかだけでももちろんOK。ドライブ途中の小休止時に、ぜひ取り入れてみてください。

→次ページ:まずは、胸まわりの筋肉をほぐす方法

エクササイズ1
縮んだ胸まわりの筋肉をほぐす大胸筋のリリース

まずは大きな筋肉からアプローチ。運転中は、前かがみで腕を曲げているので、胸の前のスペースが縮まっています。つまり、胸まわり(大胸筋まわり)の筋肉が緊張している状態。その緊張をほぐしてあげると、深い呼吸がしやすくなり、肩まわりもすっと楽になります。では、さっそくほぐしていきましょう。

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脇の下の手前にある胸の筋肉を、反対側の手で掴みます。

① しっかりと掴んだらもう片方の手で肩を掴み、肘をぐるぐる後ろ回し。

② 気持ちよく回るようになったら、反対側も同じように行います。このエクササイズだけでも、表面の筋肉がゆるむので、呼吸がしやすくなるはずです。

→次ページ:ろっ骨まわりはこんなに緊張している

エクササイズ2
ろっ骨まわりの筋肉の緊張をほどいてろっ骨の動きを作ろう

運転中の前かがみの姿勢は、ろっ骨まわりの筋肉も緊張させています。ろっ骨まわりの動きが制限されると、呼吸が浅くなります。気持ちよく酸素を取り込むには、ろっ骨まわりの筋肉をゆるめ、ろっ骨の動きを滑らかにすることがポイント。では、ろっ骨の動きを作る簡単エクササイズです。

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やり方は、写真のように両手でろっ骨の左右下端にやさしく手を当てて、呼吸をするだけ。手を当てた場所に酸素を入れることを意識して、深い呼吸を繰り返します。このとき左右で差があれば、動きの少ないほうに多く酸素を取り入れるイメージで呼吸を繰り返します。呼吸は、頭の中で意識するだけでも意外と簡単に変わります。緊張がゆるむと、ろっ骨の動きが大きくなるので、緊張していたことに気が付くはず。と同時に、深く心地よい呼吸ができるようになります。

→次ページ:続いて、いつも置き去りにされているココをほぐす

エクササイズ3
運転中、置き去りになっている背中に注目! 背中に呼吸を入れよう

運転中も、日常生活でも、”背中”を意識することはあまりありません。いつも背中は身体の中で置き去りにされているので、背中の筋肉は硬くなりがち。背中も、呼吸を用いてゆるめましょう。

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やり方はシートに背中をつけて呼吸するだけ。背中に酸素を入れるイメージを頭で描きながら、深い呼吸を繰り返します。運転で硬くなっていた背中まわりの筋肉がふわっとゆるんで、背中全体がリラックスしていきます。

→次ページ:首まわりのだるさ、目の疲れを解消する方法は?

エクササイズ4
首まわりのだるさや目の疲れを感じたら……
後頭下筋群(こうとうかきんぐん)をゆるめましょう

次にゆるめたい場所は、頭と首の境目に位置する「後頭下筋群」と呼ばれるエリア。頭と首の境目は、耳の後ろの隆起した左右の骨(乳様突起)を結んだ高さが境目と言われています。

① まずは、後頭下筋群のリリースから。頭と首の境目に沿って、外側から内側へ親指で押していきます。

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硬い場所があったら、その場所を長めに押し続けます。ゆるんだら、順に内側へ親指の位置を変えていきます。

② 次は後頭下筋群のストレッチ。片方の手で上アゴを掴んで軽くアゴを引き、頭と首の境目に向かって、掴んだ上アゴを斜め上に押します。頭と首の境目にスペースを作るようなイメージです。

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頭と首の境目のエリアが硬くなると、顔色が悪くなったり、頭痛などを引き起こします。また、目とも密接に関係していて、後頭下筋群のエリアに掌を当てて眼球を左右に動かすと、眼球の動きと一緒に筋肉が動くことがわかるでしょう。運転中、首まわりのだるさや目の疲れを感じたら、頭と首の境目、後頭下筋群をゆるめてリフレッシュしましょう。

→次ページ:板状筋(ばんじょうきん)&半棘筋(はんきょくきん)は本当によく効く!

エクササイズ5
マニアックな筋肉ながら効果てきめん。
板状筋(ばんじょうきん)&半棘筋(はんきょくきん)をゆるめよう

首の中心から耳の後ろの突起、乳様突起のほうに向かって、背骨にくっついている筋肉が板状筋。背骨の両サイドから中央に向かってくっついている筋肉が半棘筋。この2つの筋肉がこり固まると、頭と首を行き交う血液、体液の通り道をふさいでしまいます。すると、頭に酸素や栄養が行き届かなくなり、”こり”にもつながります。この2つの筋肉をゆるませるエクササイズです。

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① 身体を正面に向けて背筋は真っ直ぐの状態にし、頭の後ろで両手を組みます。

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② 身体は正面に向けたまま、顔だけを右に向けます。

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③ 顔は右に向けたまま、頭を下に倒します。

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④ 開いていた肘を閉じて頭を挟み、倒した頭の方向に手の重みを乗せていくと、肩甲骨の辺りから首の後ろ側が伸びていきます。このとき、首と一緒に身体を倒さないように注意します。伸びを感じる場所が、板状筋&半棘筋。右を1分間キープしたら、次は左も同様のやり方で1分。これで酸素が行き届くようになって、巡りもアップ。頭も目もすっきりです。

→次ページ:ほぐした後に忘れてはならない最後の仕上げは?

エクササイズ6
最後の仕上げは、筋肉の活性化。すっきり目覚めて、運転に戻りましょう

最後の仕上げは、ゆるんでリラックスした身体をシャキっと活性化させ、気持ちよく運転に戻れるようにスイッチを入れるエクササイズです。

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シートの座面にしっかり座ったまま、シートの下に手を入れて固定し、頭頂を上に引き上げます。頭が上から引っ張られているようなイメージです。手が固定されている状態で、頭を上に引き上げると、自然に肩が下がります。この状態で5秒間キープ。筋肉に刺激が入るので、リラックスしていた身体が一気に活性化。目覚めの良い朝を迎えたかのようなすっきりとした状態になります。さあ、再び運転に戻りましょう。

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指導:大久保圭祐(おおくぼ けいすけ)

パーソナルトレーナー・ロルファー™。
中央大学卒業。同大学キックボクシング部に在籍し、主将として活躍。在学中、プロライセンスを取得し本場タイのムエタイジムに留学。卒業後は様々なフィットネスクラブの専属パーソナルトレーナーを経験し、フリーランスとして独立。ボディワークの”Rolfing®”に興味を持ち、渡米してRolf Institute®を卒業。筋膜メソッド+パーソナル技法で女性の身体を美しく整えるケイスケ式メソッドを綴った初の著書『筋膜ボディセラピー』(三栄書房)好評発売中。
大久保圭祐先生のWEBサイトhttp://www.keisuke-o.net/

撮影=小林悠佑 企画・編集=鈴木珠美(オフィスタマ)

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