クルマのある暮らしをもっと豊かに、もっと楽しく

クルマ最終更新日:2021.04.08 公開日:2021.04.08

【AD】尾花沢牛と書いておばなざわぎゅう、と読む。その心は「雪降り和牛、うますぎる」

山形県に雪降り和牛あり。山形県といえば、山形牛、米沢牛の知名度が高いが、尾花沢市の産する尾花沢牛、とりわけ長期肥育の上に出荷される雪降り和牛尾花沢が業者の間で評判だという。尾花沢市といえば銀山温泉で有名だが、尾花沢牛とはいかなるものなのだろう。

記事の画像ギャラリーを見る

品評会で上位独占の尾花沢牛

尾花沢牛と書いておばなざわぎゅう、と読む。|くるくら

 山形県尾花沢市。自治体のWebサイトには「雪とスイカと花笠のまち」とある。いずれも、尾花沢の人たちが大切にしている文化であり、観光資源である。

 そしてもう一つ、尾花沢の人たちが大切にするブランド和牛、尾花沢牛をご存じだろうか。国産和牛の数ある品評会で、歴史あるブランド和牛以上の評価を獲得する新進気鋭の和牛ブランドである。直近の品評会では2020年11月、山形県牛枝肉共進会で農林水産大臣賞と最優秀賞の上位2位を、2019年12月の山形セレクション牛枝肉共進会で上位3位を、同じ年の7月にJAみちのく村山牛枝肉共進会で最優秀を、それぞれ尾花沢牛が独占した。総称山形牛や米沢牛で著名な当地において、まだブランド和牛としては後輩にあたる尾花沢牛が賞を総なめにした。

 尾花沢牛がここまで評価される理由は何なのか。肥育される尾花沢市を知るとわかるかもしれない。

雪国で黒毛和牛を肥育するということ

尾花沢牛と書いておばなざわぎゅう、と読む。|くるくら 山形県尾花沢市は日本を代表する大豪雪地帯である

 晩秋。11月も終わりが近くなると、尾花沢市は初雪を見る。クリスマスのころには町はすっかり雪景色となり、年が明けると2mを超す積雪になる。そして東京ソメイヨシノが散り、新緑のシーズンを迎えるころ尾花沢の町からようやく雪が消える。

 およそ4か月。尾花沢の畜産農家は、牛の世話だけでなく、雪との闘いに明け暮れる。積もった雪を下ろさなければ、牛舎が雪の重みでつぶれてしまう。下ろした雪を処理しなければ、下ろすスペースがあっという間に枯渇する。だから尾花沢の牛舎は、広い敷地に一見不釣り合いなほど小さく、雪に負けない堅牢さをもって、ゆったりと建てられる。その見返りに、そこで育った牛は冬の寒さに耐え抜くための、良質の脂肪蓄え牛の熱い鼻息が湯気のように立ち込める牛舎の中で。

尾花沢牛と書いておばなざわぎゅう、と読む。|くるくら

 多くのブランド和牛と同様に、尾花沢牛にも明確な定義がある。尾花沢市で肥育された黒毛和種の未経産雌牛(子牛を生んだことがないメスの牛)または去勢牛(肉質が柔らかくなるように精巣を除去されたオス牛)3等級以上が、その定義だなかでも、未経産メス牛で月齢32か月(日齢970日)の長期肥育に成功した尾花沢牛は「雪降り和牛」を名乗ることができる。

 肥育期間は、そのまま肉のうまさに直結するという

 山形県畜産研究所の研究によると、黒毛和種の牛は月齢30か月を境に、オレイン酸の含有量が急上昇する。オレイン酸はオリーブオイルやアボカドに多く含まれ、濃厚なうまみを作り出す。融点が低く、常温で溶け始めるオレイン酸がちりばめられた牛肉の、舌の上に乗せた瞬間ふわりと溶けるまろやかさ。脂ののった軽やかなうまみの強さの源泉であるともいえる

 だからといって、どんな牛でも長期肥育が適うわけではない。和牛の長期肥育にはリスクが伴う。病気やケガをしてしまうこともある。食欲が落ちて、それ以上の成長が見込めなくなることもある。そうなったら、30か月を前に出荷せざるを得ない。尾花沢市で肥育されるおよそ4300頭の食肉用牛のうち、雪降り和牛の名のもとに出荷できるのはおよそ、1000頭に過ぎない。

 そうして32か月3年に少し満たない肥育期間だが、雪降り和牛として出荷されるこの時期の牛は、3回の厳しい冬を乗り越えている和牛に旬があるとは聞かないが、雪降り和牛は過ごした冬の数が1回多いこの時期の肉が、一番うまいことだろう

尾花沢牛と書いておばなざわぎゅう、と読む。|くるくら

雪降り和牛を味わう

 さて、そんな寒さに磨き上げられて長期肥育された雪降り和牛、どのように味わうのがその魅力を堪能できるのか。

 まずは雪降り和牛の、舌の上でほろりと溶ける食感をステーキで味わってほしい。家庭用のコーティングフライパンでいい。むしろコーティングフライパンなら、油をひかずに焼くことができる。雪降り和牛に油は要らない。もし使うならオリーブオイルを、それもエクストラバージンなどの良質のものを使うといい。雪降り和牛の脂を信じて、焼き上がるのを待つ。そして、フライパンから下ろしたら、アルミホイルで包んで余熱を入れる。ナイフが吸い込まれるような柔らかさと、舌に広がる気高い香りを、ほんの少量の塩とともに味わってほしい。

 意外なことに、ハンバーグもおすすめだという。雪降り和牛の持つ良質な脂が、パテ全体に及ぶ。ハンバーグこそ、肉のうまさをダイレクトに感じることができる、という料理人もいる。今年、尾花沢の保育園では雪降り和牛のハンバーグが振る舞われた。なんともうらやましい。

 2020-21年の冬は、尾花沢市を豊かな雪が覆った。その賜物、である。

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

応募する

応募はこちら!(4月30日まで)
応募はこちら!(4月30日まで)