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公開日:2026.01.05

東京都の“新しい道路計画”が発表! 新規追加の優先整備路線はどれ!? 「第五次事業化計画」の整備リストを深掘り【いま気になる道路計画】

調布都市計画道路3・2・6号「調布保谷線」の様子。

東京都の都市計画道路の優先整備路線を定める新たな10か年計画「第五次事業化計画」案の全貌が明らかにされた。これまでの「第四次」の計画と比べて、どんな変化があったのだろうか。その詳細を深掘りしてみよう。

調布都市計画道路3・2・6号「調布保谷線」の様子。

文=鳥羽しめじ

資料=東京都

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新たな10か年計画「第五次事業化計画」が間もなくスタート

東京都内の都市計画道路の整備は着実に進行している。

東京都内の都市計画道路の整備は着実に進行している。

東京都の道路整備は、戦後から連綿と続く都市計画に沿って少しずつ進められてきた。道路整備にかける予算が限られるなか、全ての道路を一気に整備することはできず、優先する路線を10か年計画でリストアップし、そこから優先的に整備する形をとっている。

現在の整備で活用されている10か年計画は「第四次事業化計画」(2016~2025年)で、今年度が最終年度となる。そして次なる新たな10か年計画「第五次事業化計画」の全貌が、ついに明らかになってきた。

2025年12月19日に発表された取りまとめ案を見ると、「第四次」で整備しきれなかった優先整備路線とともに、リストに新規追加された区間も存在する。「第五次」でどういった変化が起きているのか見ていこう。

「第五次事業化計画」の区部の優先整備路線。

「第五次事業化計画」の区部の優先整備路線。

「第五次事業化計画」の取りまとめ案を概観すると「あまりダイナミックな変化が無い」といえるだろう。結局は、ほとんど「第四次事業化計画」の宿題を引き継ぐ形で、環状道路や放射道路などの主要幹線軸について、特段の前進は見られない。

リストの項目数は都施工が139箇所→96箇所、区市町施工が181箇所→131箇所へと減少しているが、「環状第4号線(白金台・高輪工区)」「南多摩尾根幹線」など事業化済みの計画がリストから抜けたのが実態で、実質的に「第四次事業計画」の“第2期”ともいえる内容だ。

町田市の「新町田街道」や立川市の「中央南北線」をはじめ、複数の主要計画が引き続き事業化に向けて調整されていくこととなる。

新たに追加された優先整備区間は?

「第五次事業化計画」で新たに優先整備路線に追加された「⼋王⼦3・5・43号線」。

「第五次事業化計画」で新たに優先整備路線に追加された「⼋王⼦3・5・43号線」。

とはいえ「第五次事業化計画」で新たに追加される優先整備区間もある。そのうち、事業延長やインパクトなどをふまえ、筆者が厳選した道路を紹介しよう。

●補助第240号線(富士見街道)
板橋区前野町から東側を拡幅し、さらに新規区間としてイナリ通り商店街南側から板橋本町で国道17号へつなぐルート。

●補助第87号線
国道17号の板橋第三中学校から北東へ延伸し、帝京大学医学部附属病院の付近へつなぐ新ルート。環七通り南側の抜け道として、中板橋~東十条が一本で結ばれる。

●補助第264・283号線
江戸川区北小岩の「江戸川堤防線」において、国道14号「一里塚交差点」から北へ790mの区間を拡幅する計画だ。スーパー堤防の整備と一体となった街づくり事業が進められる。ここでは、古くから反対運動が続いているが、いよいよ優先整備の順番が回ってきた。

●⼋王⼦3・5・43号線
JR八王子駅の東側を南下する「かえで通り」を「子安町五差路交差点」から南へ延伸し、京王高尾線を越えて「北野街道」へつなぐ新ルート。

八王子~片倉エリアの南北軸はとにかく貧弱で、国道18号現道も八王子バイパスも大渋滞している。この新ルートは、渋滞する両路線の中間を抜ける貴重な道路となる。京王南側に残された空きスペースが計画の存在をうかがわせる。

●西東京3・5・10号線
保谷地区の東西軸として、ひばりが丘地区から保谷庁舎南側を抜け、かえで通り(保谷~東伏見)へ接続するルート。2025年度に先行して事業化された550m区間の西側、2060m区間を一気に事業化する構えだ。

ほかにも計画変更の新工区が多数!

「第五次事業化計画」で新たに追加された計画内容再検討路線。

「第五次事業化計画」で新たに追加された計画内容再検討路線。

現在の都市計画道路について、施工性や交差構造などを再検討する「計画内容再検討路線」にも、6つの区間が新規追加されている。こちらも目ぼしい路線を見ていこう。

●補助第7号線
麻布の仙台坂をさらに渋谷方面へ延伸し、國學院大學手前の東四丁目までつなぐルート。凹凸が多いエリアであるためか、地形条件などによって再検討が必要であるとされている。

●補助第91号線
JR上中里駅を南北に横断し、都電梶原駅と地下鉄南北線西ケ原駅付近をつなぐルート。広大な鉄道ヤードによって分断された両岸を結ぶ貴重な道路となるが、鉄道との交差方法について再検討が必要とされている。

●小金井3・4・1号線
JR武蔵小金井駅の南側エリアの東西軸となるべく計画されたルート。ここには武蔵野崖線という、野川に向かってズドンと切り落ちたような地形の崖がある。その崖線は、クネクネとした形状をしており、そこを真横に串刺しにするルートのため、地形地物の状況等を踏まえた検討が必要とされている。

●秋多3・5・2号線
JR五日市線の北側を並行する新ルートで、五日市街道のバイパスとなる存在だ。JR五日市線の終着駅「武蔵五日市駅」に近い区間で、線路も崖の間近を走っている。その線路よりも崖側にこの路線が計画されているため、事業の実現性および施⼯性の観点から検討が必要とされている。

 

「第四次事業化計画」で事業化された「環状第4号線(白金台・高輪工区)」の概要。

「第四次事業化計画」で事業化された「環状第4号線(白金台・高輪工区)」の概要。

「第四次事業化計画」では、「新たに検討する都市計画道路」として8路線が挙げられていた。このうち「環状第4号線(港南工区)」は事業化し、「多摩川スカイブリッジ」は開通した。残り6つはそのまま「第五次事業化計画」へ引き継がれる。今回新たにリストへ追加される構想はゼロだ。


ついに今後10年間の東京における道路整備の将来像が見えてきた。やはり重要な視点として、「第五次事業化計画」に新規追加されなかった工区は、少なくとも10年間は大きな動きがなくなるということだ。環状第3号線や新五日市街道など、主要軸ながら全線開通にほど遠い路線も追加されていないため、2036年以降の計画へと保留になりそうだ。

「第五次事業化計画」にリストアップされた各ルートは、次の10年間で事業化や完成にいたるのか、引き続き注視していきたい。

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