はじめよう、クルマのある暮らし。

Traffic

公開日:2025.12.22

「広島高速」がいよいよ“広島駅直結”に!? まだまだ延伸する将来像とは?「南北線」計画も進行中【いま気になる道路計画】

広島高速の海上高架区間。

広島市街地のスムーズな移動を可能にする「広島高速」には、開通間近な新路線や計画路線、構想路線などが存在する。それぞれの計画について、詳細や進捗状況を見ていこう。

広島高速の海上高架区間。

文=鳥羽しめじ

資料=広島高速

この記事をシェア

広島高速の現状と“広島駅直結”の新路線とは

広島高速の路線網。5号線が工事中だ。

広島高速の路線網。5号線が工事中だ。

人口約118万人を有する広島市において、「広島高速道路」は信号を気にせず移動できる貴重な道路ネットワークだ。

とはいえ広島中心街を貫いているわけではなく、あくまで郊外と都心入口をつないでいるだけで、中心街ではまだ交通集中や信号待ちによる渋滞が発生している。

しかし、そんな広島中心街にも将来的には、「信号ゼロ」で通行可能となる広島高速の整備構想がある。

広島高速5号線の工事状況。

広島高速5号線の工事状況。

新路線について解説する前に、広島高速の現在の路線を振り返ってみよう。

●1号線・2号線
山陽自動車道「広島東IC」から南下し、広島駅の東隣の天神川駅でJRをまたぎ、「仁保JCT」で広島呉道路へ直通していく路線。関西方面からの玄関口で、広島市街地の東部を南北に貫いている。

●3号線
「仁保JCT」から臨海部を西進し、宇品・江波を経由して、そのまま草津地区へアクセス可能となっている路線。1・2号線と合わせて都心外縁の環状線を形成している。

●4号線
山陽道「五日市IC」にほど近い「沼田出入口」を起点とし、山岳地帯を「西風トンネル」で抜けて、JR横川駅南側の「中広出入口」に到達する路線。広島JCTにも近く、山陰方面・中国道から都心部へアプローチする玄関口ともなっている。

このような「山陽道~都心アクセス&環状線」として整備済みの広島高速に、1本の新路線「広島高速5号線」がいよいよ誕生しようとしている。

5号線は悲願の「広島駅直結」となる総延長4.0kmの路線だ。1号線の「間所(まどころ)出入口」に設置される「温品(ぬくしな)JCT」から西へ分岐したあと、新幹線の車両基地をまたぎ、山岳地帯を「二葉山トンネル」延長1.8kmで抜けて「広島駅北口」に到達するルートとなっている。

開通目標は2028年度とされており、二葉山トンネルは2025年4月末に掘削完了し、表面のコンクリートを打設する段階になっている。その他、地上区間でも橋脚どころか、橋桁もほぼ完成し、工事は温品JCTのランプ構築を中心に進められている。

さらなる「延伸計画」とは?

計画検討中の広島高速4号線延伸部。

計画検討中の広島高速4号線延伸部。

5号線は「整備計画路線」として整備が進むが、その他にも2つの計画路線が1段階前の「基本計画」にリストアップされている。

●3号線延伸
天満川大橋からさらに西側に位置する「商工センター地区」まで、3号線を延伸する計画だ。地上には現在、片側3車線の「広島南道路」があるが、中央部には高架道路を整備する余地が残されている。ここに3号線を延伸することで、五日市港方面から広島市街地へのアクセス性向上が期待される。

●4号線延伸
山陽道へ直結せずに終わっている4号線「沼田出入口」を山陽道「広島JCT~五日市ICの中間」へ直結する計画だ。激しい渋滞に悩まされる大塚エリアをスルーし、山陽道まで「信号ゼロ」で通行可能になる。

この2路線に具体的な動きはあるのだろうか。

実は広島高速の「中期経営計画(2025-2028)」では、今後4年間の具体的な取組内容として、「2・3号線の4車線化」とともに「4号線延伸」が明記されている。まずは山陽道「広島JCT~五日市ICの中間」と4号線が直結する工事のスタートに注目だ。

いよいよ本格的となる「都心路線」整備構想とは

広島高速の計画・構想路線図。

広島高速の計画・構想路線図。

さらに、広島市街地に影響する道路計画には、基本計画にも未掲載の「計画検討路線」が3つ存在する。そして、そのうち2本が「都心部をつらぬく広島高速」の路線である。

●5号線延伸(仮)
正式には「東部線II期」という仮称で検討されている。新白島~横川~中広出入口へと、都心部を北西回りで結ぶ延伸計画だ。実現すれば4号線を通じて、広島道方面と広島駅が直結するルートになる。

●南北線(仮)
「中広出入口」から南下し、舟入通り・吉島通りを斜めにつなぎ、吉島出入口付近で3号線と接続する。実現すれば、広島中心街の「3本の中州地域」がすべて信号ゼロでつながるルートになる。

広島中心街は太田川・天満川・本川・元安川という4つの南北河川で縦に分断され、特に東西方向の移動性が著しく悪いという地理的欠陥を抱えている。それぞれの川を渡る橋はボトルネックとなり、渋滞を引き起こしている。南北線はその中州エリアからほぼ等分に交通を拾い、4号線・広島駅・1号線へと分散させる役割を果たすのだ。

●草津沼田道路(仮)の有料バイパス
広島市西側の郊外エリアで、沼田~商工センターを縦につなぎ、「広島西風新都」や多目的スタジアム「広島ビッグアーチ」へのアクセスも担う4車線道路が「草津沼田道路」だ。市街部は高架道路となっており、商工センターまでほぼノンストップで結ぶルート。1985年に有料道路として開通し、2010年に無料化されている。

しかし、臨海部~山陽道・広島道の貴重なアクセス道であり、週末の買い物需要や、広島ビッグアーチでの試合やイベント開催時などには、混雑が目立っている。商工センター地区など沿線からも、混雑を解消してほしいという要望が出ている状況だ。

この混雑解消のため、広島高速による草津沼田道路の新たな有料バイパスが切り札として期待されている。

では上記3路線に具体化に向けた動きはあるのだろうか。実は、先述した「中期経営計画(2025-2028)」に、4号線延伸と合わせて「計画検討路線に係る検討」が明記されている。「いつか整備する」という夢物語ではなく、中期経営計画において検討するとハッキリ書かれているのは頼もしい。

広島高速の整備計画は、2025年7月に「第7回変更」があり、高速5号線の概算事業費の変更が行われた。来たる「第8回変更」で、これら3路線の「整備計画路線への昇格」が果たされるのだろうか。市街地のアクセス性向上に大きな変化をもたらす計画が目白押しの広島市の道路整備に、引き続き注目していきたい。

記事の画像ギャラリーを見る

この記事をシェア

  

Campaign

応募はこちら!(2026年3月1日まで)
応募はこちら!(2026年3月1日まで)