車中泊できる場所を専門家が解説! 道の駅・RVパークなど種類別の特徴も紹介。
車中泊は、道の駅やRVパークなどで手軽に楽しめるアウトドアとして人気を集めています。しかし、場所によっては車中泊が禁止されているケースもあるため、車中泊に出かける際には場所選びに注意しなければなりません。そこでこの記事では、キャンピングカー専門誌の編集長を長年つとめ、車中泊にも詳しい渡辺圭史さんに、車中泊ができる場所や車中泊スポット選びに役立つサービスなどを解説していただきます! これから車中泊を始めたい方や、車中泊初心者の方はぜひ参考にしてくださいね。
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目次
記事提供元/カエライフ
車中泊できる場所はRVパーク・シェアリングスペース・キャンプ場の3つが基本!
温泉やプールが設置されたホテルライクな「エンゼルフォレスト那須白河のキャンプ場」
車中泊できる場所(車中泊が許可されている場所)には、大きく分類すると、以下の3つがあります。
①RVパーク
②シェアリングスペース
③オートキャンプ場
順番に説明しましょう。
①RVパーク
山梨県北都留郡小菅の「RVパーク道の駅こすげ」
RVパークは、日本RV協会が認定した車中泊専用の駐車場で、道の駅や温泉施設などと提携して設置された施設です。ちなみに日本RV協会とは、キャンピングカーの普及促進に向けて設立された一般社団法人で、キャンピングカービルダー、ディーラーなどで結成されています。
RVパークとはいわば「クルマで泊まっていいですよ!」というお墨付きの駐車場なので、堂々と宿泊できるのがいいですね。トイレや水道などの設備もあるので、初心者でも安心して利用できると思います。入浴施設があったり、ゴミ処理も可能だったり(有料の場合もあります)、ペット同伴可というところもあります。利用料も1,000円〜3,000円くらいと手頃なのも嬉しいところ。
私は仕事柄、ひんぱんに車中泊しますが、車中泊場所として最も快適なのはRVパークです。たいていコンビニや飲食店などが近くにあり、ビジネスホテルのような感覚で気軽に宿泊できるからです。
②シェアリングスペース
神奈川県葉山の車中泊スポット「Hayama RV-SITE by Star Home」。カーステイで予約可能
近年は、車中泊のためのシェアリングサービスも登場しています。
車中泊したい人と空いている駐車場をマッチングするプラットフォーム「Carstay(カーステイ)」がその代表的な存在で、カーステイのWebサイトやアプリで簡単に検索・予約できるので便利です。
日本全国にある空き地や使われていない駐車場などを車中泊スポットとして活用するシステムで、シェアエコノミーの観点からも注目されています。
ちなみにカーステイでは、キャンピングカー、バンライフカーのカーシェアリングサービスもあるので、車中泊スポットを探すだけでなく、車中泊してみたいクルマを一緒にレンタルすることもできます。
③オートキャンプ場
長野県「戸隠イースタンキャンプ場」で車中泊キャンプの様子
車中泊場所として、オートキャンプ場は定番です。キャンプ経験者で車中泊は初心者、という方はオートキャンプ場が安心でしょう。
車中泊専用の施設では、キャンプ行為(火気の利用やテントを張ることなど)は禁止のところが多いのですが、キャンプ場ならもちろんOK。焚き火やBBQも楽しめますし、トイレ、洗面所(給水・排水)、ゴミ処理施設、AC電源の供給など、快適に車中泊するためのほとんどの設備が整っています。
埼玉県飯能の「ケニーズ・ファミリー・ビレッジ/オートキャンプ場」にて
オートキャンプの場合は、タープやテントをリビングルームとして使い、クルマを寝室にして夜はクルマの中で寝る、というふうに使い分けられるのがいいですね。女性のソロキャンプでも、夜はクルマで寝るほうが安心だと思いますし、クルマの中のほうが冬も暖かく過ごせますよね。
ただ、オートキャンプ場は、市街地から離れた場所にあることが多いため、近隣に飲食店なども少なく、旅先での行動範囲が限られてしまうのをマイナスポイントに感じる人もいるでしょう。私自身、キャンプそのものを楽しみたいときはキャンプ場に行きますが、車中泊場所としてキャンプ場を選ぶことは少ないです。
湯YOUパーク・ぐるめパークなど車中泊ができる場所は他にもある!
出典:くるま旅クラブ公式サイト「くるま旅」内「湯YOUパークのご案内」より
RVパーク・シェアリングサービス・オートキャンプ場以外にも、車中泊が公認されている施設として以下があります。
- 湯YOUパーク(ゆうゆうパーク)・・・温泉施設やホテル・旅館の駐車場を利用。かんぽの宿の駐車場を利用できる「くるまパーク」も湯YOUパークの一種。
- ぐるめパーク・・・レストランの駐車場を利用。
- 民パーク・・・カフェやゴルフ場の駐車場などを利用。
これらを利用するには、日本RV協会の関連組織「くるま旅クラブ」の会員になる必要がありますが、旅先で温泉や食事を楽しみ、その場所でそのまま車中泊できるので便利です。
道の駅は車中泊禁止の場合も! できる場所であるか事前に確認しよう
静岡県伊東市の道の駅「伊東マリンタウン」。道の駅では仮眠OK
最近、道の駅の駐車場で車中泊する人のマナー違反が問題視されるようになっています。国土交通省のWebサイトでは、次のようにアナウンスしています。
回答:「道の駅」は休憩施設であるため、駐車場など公共空間で宿泊目的の利用はご遠慮いただいています。
もちろん、「道の駅」は、ドライバーなど皆さんが交通事故防止のため24時間無料で利用できる休憩施設であるので、施設で仮眠していただくことはかまいません。
出典:国土交通省のWebサイト内「休憩施設『道の駅』」
道の駅の駐車場は、上記のとおり、仮眠はOKで、宿泊目的の利用は禁止になっていることが多いようです。
しかし、道の駅によって、「数時間の仮眠以外の車中泊はすべて禁止」「マナーを守れば車中泊もOK」など規定は大きく異なります。道の駅での車中泊を検討するのであれば、事前に問い合わせをするのがおすすめです。
ただ最近は、道の駅にRVパークが併設されているところが増えています。道の駅の充実した施設を利用しながら、宿泊はRVパークで、というプランであれば安心かつ快適に車中泊ができますよ。
高速道路のSA・PAは基本的に車中泊ができない! 仮眠のみにとどめよう
ガソリンスタンドのある双葉SA
高速道路のサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)は、高速道路を利用する人が安全に走行するために、休憩などを目的として設置された施設です。
上里SAにて。大型車両の多いSA・PAで仮眠するときは、なるべく駐車場の端に車をとめ、振動や音などの影響を受けないようにするのがコツ
売店や食堂以外は24時間営業で、夜でも駐車場の照明がついていて明るいので、防犯面でも安心です。
そのため車中泊場所として最適のように感じる方もいるかもしれませんが、実は、SA・PAで許されているのは「あくまで休憩のための仮眠」です。仮眠の範囲を明確に線引きすることは難しいのですが、長時間にわたって駐車場を占拠することはマナー違反です。
道の駅、SA・PAだけでなく、自治体運営の公園など公共施設の駐車場では、「車中泊お断り」の場所があります。禁止されている場所でうっかり車中泊してトラブルにならないよう、しっかりと事前に調べて確認するようにしましょう。
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