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最終更新日:2025.05.12 公開日:2025.05.12

アストンマーティンから新型SUVが登場! 最上級モデル「DBX S」はさらなるパワーと軽量化を実現【新車ニュース】

アストンマーティンDBX S|Aston Martin DBX S

アストンマーティンは4月30日、ハイパフォーマンスSUVのDBXに、新たなフラッグシップモデルとなる「DBS S」をラインナップした。すでにオーダー受付が始まっており、顧客への納車は今年の第4四半期からの予定だ。

アストンマーティンDBX S|Aston Martin DBX S

文=細田 靖

写真=アストンマーティン

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「S」は特別なハイパフォーマンスモデルを示す称号

アストンマーティンDBX Sは、DBXの新しいフラッグシップモデル。既存のDBX707のダイナミックな魅力と、登場間近の新型スーパースポーツカー「ヴァルハラ」の技術を直接受け継いで強化されたエンジンを持つDBX Sは、これまで以上のパワーと軽量化を実現し、存在感を主張するデザインで、最高に夢中になれる応答性の高い走りを堪能できる。そしてその走りにマッチするエクステリアとインテリア両方の新要素が、DBX Sに紛れもない個性を与えている。

アストンマーティンにとって「S」は特別なハイパフォーマンスモデルであることを示す称号。その伝統は、2004年のパリ・モーターショーで披露されたV12エンジン搭載車「ヴァンキッシュS」から受け継がれてきた。DBX Sは、軽量・高出力・高性能の三拍子揃ったモデルが、今もアストンマーティンの中核を成す量産モデルの一部であることを証明し、ハイパフォーマンスモデルの系譜を未来へとつなぐ。

アストンマーティンのエイドリアン・ホールマークCEOはこのように述べている。

「この2年間、アストンマーティンは次世代スポーツカーの新たな中核コレクションと新型DBXを新しく登場させてきました。そのどれもが、社内で設計された完全ビスポークの新しいインフォテインメントシステムを搭載しています。今後もクラス最高のパフォーマンス、ウルトララグジュアリーなデザインとイノベーションに重点を置きながら、各コアモデル下の製品ラインアップの拡大に取り組んでいきます。DBX Sは、最もエキサイティングで満足感を感じられる美しいクルマの創造を目指すアストンマーティンの決意を改めて示すだけではありません。DBXだけでなく、アストンマーティンというブランドに対して私たちが掲げる野心を強力に発信するものでもあります」

4.0L V8ツインターボは20psアップの727psを発生

アストンマーティンDBX S|Aston Martin DBX S

アストンマーティンDBX S|Aston Martin DBX S

搭載されるエンジンは、評判の高い4.0リッターV型8気筒ツインターボのアップグレード版。近く発表される新型スーパースポーツカー「ヴァルハラ」から直接受け継いだ、大型コンプレッサーホイールをはじめとするターボテクノロジーとその他の内部的な改良によって、最高出力は20ps上乗せとなる535kW(727ps)を実現した。

その結果、3.3秒の0-100km/h加速タイム、そして310km/hの最高速はDBX707と変わらないものの、0-200km/h加速は0.3秒の短縮を達成した。なお、900Nm(91.8kgf-m)の最大トルクはDBS707から変わっていない。

パフォーマンスとその表現の両方の印象を深めているのが、改良を加えられたエキゾーストシステム。V8エンジンの自然な轟きにこれまで以上に個性を加え、エンジンのターボ強化の成果を最大限発揮させている。なお、DBX707と同様、DBX Sもフロントとリヤへのトルク配分が変更できる。フロントへは最大50%、リヤには100%までトルクを配分する。

トランスミッションは革新的な湿式クラッチによる9速ATを採用するため、従来型のトルクコンバーターが不要で、停止状態からの発進で過激なパフォーマンスを実現。DBX Sのギヤボックスには、これまで以上に忘れられない走りを実現する改良がほかにも加えられている。回転範囲の拡大を反映してシフトポイントの調整が行われ、オートマチックにあるときの「Sport」および「Sport+」の各モードでのシフトダウンはさらにアグレッシブさを増している。

出力アップに加えて軽量化も追求され、DBX707比で最大47kgの重量削減を実現した。なかでも、新しくオプション設定されたカーボンファイバー製ルーフがその好例。アストンマーティンで使用されるものとしては最大級のカーボンファイバー部品である、3m近くにおよぶ見事な平織りのものだ。ルーフレールが装備されなくなって18kg軽くなっただけでなく、車両の最も高い位置が軽量化されたことから重心が下がり、安定性と敏捷性のさらなる向上に寄与している。

加えて、SUVセグメントでは初めてマグネシウムホイールがオプション設定された。マグネシウムは強度が高いだけでなく驚異的な軽さを誇る素材で、スチールに比べて約75%軽く、チタンの半分の重さで、アルミニウムと比較しても約1/3の軽量化を図ることができる。オプションの23インチのホイールを選択した場合、バネ下重量をさらに19kg削減でき、乗り心地、ステアリングの精度とフィール向上に加え、入力に対する応答性も高められる。

マグネシウムホイールを指定した場合、ルーフレールもなくなり、さらなる軽量化を実現できる。またビスポークの軽量ポリカーボネートのハニカムグリルも選べる。なお、DBX Sに標準装着されるのは23インチの鍛造アルミホイールだ。

ステアリングレシオは4%向上し、敏捷性はさらに高まった。よりスポーティで応答性の高い感触を得られながら、ハンドリングにわずかな不安も感じさせない。最小回転半径は50cm近く縮小した6.0mと、都市部でのドライビングをより快適にする。

サスペンションは、昨年導入された全体的な改良の恩恵を受けている。エアスプリングと電子ダンパーの両方のキャリブレーション調整でボディコントロールが向上。重量移動が少なくなってプライマリーライドの乗り心地と全体的な安定性が高まっている。

標準装備の48V電子制御式アクティブ・アンチロール・コントロールシステムは1.5度以上のロールを起こさず、自然なコーナリングのフィーリングを生み出す。多くの専用設計の2座スポーツカーより車体をフラットに保てるのだ。選択されたドライブモードに合わせてサスペンションのスプリングレートも変更され、コーナー通過時にロール剛性のバランスを積極的に移動させてグリップを強化し、ステアリングのレスポンスを高める。

縦に並ぶクアッド・エキゾーストが最高にスポーティ

アストンマーティンDBX S|Aston Martin DBX S

アストンマーティンDBX S|Aston Martin DBX S

エクステリアにおいて、アストンマーティンのデザインチームは、DBX Sが最高にスポーティで高い動的性能を持った、人を夢中にさせるウルトララグジュアリーなSUVであることを、それを目にした誰もが疑う余地もないものに仕上げた。

フロントでは、すぐにそれが新型DBX Sであることがわり、確かな存在感を放つピュアブラックのvanedグリルが目を引く。その一方で、DBSの最終モデル「DBS 770アルティメット」にヒントを得た軽量ポリカーボネートのハニカムグリルもオプションで用意されている。さらに、新しいスプリッターとディフューザー、特徴的なラップアラウンドデザインのデイタイムランニングライトが、生来の自信に満ちた存在感をいっそう高めている。

サイドでは、新しいシルが極めて特徴的な上向きのエアスプリッターを際立たせている。アストンマーティンらしくデザイン性のみならず機能性も高いもので、車体の脇を通る空気の流れを集めて導く。サイドミラー、サイドストレーキ、ドアシルにはカーボンファイバー製も選べる。

フロントフェンダーの「S」のバッジは、この強力なモデルの本質を示している。「V12ヴァンテージS」および「ラピードS」でも見られた「S」のバッジは、アストンマーティンの由緒あるウイングバッジと同様にガラスエナメル加工された金属製で、赤の「S」が埋め込まれたもの。バッジの周囲は、オーナーが選んだウイングの色に合わせ、ブライトクロームまたはダーククロームでプレーティング加工される。

外観的に最も目新しいのはリヤビューだ。新しく縦に並ぶクアッド・エキゾーストはグロス仕上げとマット仕上げから選べ、最大限の力を発揮するV8ツインターボの壮麗なサウンドを響かせる。そして、デザインが一新されたリヤバンパーとディフューザーは、サイドシルやウイングとともにカーボンファイバーを指定することで、さらに7kgの軽量化を図ることができる。

DBX Sでは、ロッソ・コルサ・レッド、トロフィー・シルバー、ポディウム・グリーンの3色を指定できる、ボディ下部用の新しいカラーリングも用意されている。このスポーティなカラーリングはフロントスプリッター、ディフューザー、サイドシルからリヤに向かい、新しく縦に並ぶクアッド・エキゾーストを囲む。

ヘリンボーン模様をあしらったシートが「S」を主張

アストンマーティンDBX S|Aston Martin DBX S

アストンマーティンDBX S|Aston Martin DBX S

アストンマーティンDBX S|Aston Martin DBX S

アストンマーティンDBX S|Aston Martin DBX S

インテリアでは、ビスポークの「S」のテーマが展開され、なかでも標準シートの特徴的なヘリンボーン模様が特徴的。オプションのカーボン・ルーフを選択した場合には、ヘッドライナーにも同じヘリンボーン模様となる。ヘリンボーンの線はシートの上部にいくほど幅が広くなり、スピード感が強調されている。

標準トリムでは、軽さを感じさせるアルカンターラをシート、ヘッドライナー、センターコンソール、ロア・インストルメントパネル、アッパートリムに使用。シートボルスターなどの摩耗しやすい部分には、アルカンターラと自然に調和するセミアニリンレザーが用いられた。さらにラグジュアリー感を高めたい場合には、トリムすべてにセミアニリンレザーを使用することもできる。また、レッドシートベルトを選択して「S」の要素をインテリアに加えることも可能だ。

「S」が刺繍されるシートのヘッドレストには、極めて高い圧力(1.5トン)と熱でミリ以下の精度とディテールを実現する、エンボス加工とデボス加工の両方を用いた業界初の技術によってアストンマーティンのウイングがレザーに浮かび上がる。「S」はこのほか、トレッドプレートやエンジンプラークでも目にすることができる。

DBX Sにも、アストンマーティンが社内開発した最先端のインフォテインメントシステムを採用。新しいキャビン構造が強い印象を与えている。大きく変わったキャビンは、完璧なデザインと贅を尽くしたラグジュアリー、圧倒的なコネクテッドカー技術を組み合わせた技とイノベーションの展開の好例となっている。

標準装備には、800W/14スピーカーのアストンマーティン・プレミアムオーディオシステムも含まれている。先進的なハードウェアを活用して開発されたこのシステムは、クアンタムロジック・サラウンドサウンド処理によるサラウンドサウンドモードで完全な没入感のある音の風景を生み出す。

アストンマーティンのオーディオパートナーであるバウワース&ウィルキンスと共同開発したシステムも、オプションで用意されている。DBX Sの車内スペースと形状に合わせて音響設計されたこの格別なシステムは、評判の高いバウワース&ウィルキンスの世界一流のスピーカー技術とイノベーションを活用し、アルミニウム製ダブルドームツイーターとコンティニュウム・ミッドレンジスピーカーが、23台のスピーカーで構成されるダブルアンプの1600Wサラウンドサウンドシステムで、バランスの取れた正確なサウンドを実現。専用の3Dヘッドライナースピーカー、低音用スピーカー、強力なサブウーファーが、DBX Sの性格を反映したパワフルでダイナミックなサウンドを生み出してくれる。

SPECIFICATIONS
アストンマーティンDBX S|Aston Martin DBX S
ボディサイズ:全長5039×全幅1998×全高1680mm
ホイールベース:3060mm
車両重量:2245kg(前後重量配分53:47)
総排気量:3982cc
エンジン:V型8気筒ツインターボ
最高出力:535kW(727ps)/6250rpm
最大トルク:900Nm(91.8kgf-m)/3000-5250rpm
トランスミッション:9速AT
駆動方式:4WD
0-100km/h加速:3.3秒
最高速度:310km/h

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