車検を受けられる期間が「2か月前から」に拡大! いつから改正される?

2025年4月から車検制度が改正され、車検を受けられる期間が長くなります。これまでは「車検証の有効期間満了日の1か月前から満了日まで」の間に車検を受ける必要がありましたが、新制度では「2か月前から満了日まで」の間に受けられるようになります。なぜ改正されるのでしょうか? その背景やユーザーからの反響を見てみましょう。

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車検を受けられる期間が拡大!
車検制度の改正によって、2025年4月から車検を受けられる期間がこれまでより長くなります。これまでは「車検証の有効期間満了日の1か月前から満了日まで」の間に車検を受ける必要がありましたが、新制度では「2か月前から満了日まで」の間に受けられるようになります。
いったいどのような背景があって変更されたのでしょうか。
従来の車検は、年度末となる3月に集中する傾向があり、ユーザーが車検の予約を取りづらくなること。さらに自動車整備士への負担も増大して、残業や休日出勤が常態化するという問題がありました。
国土交通省によると、月別車検台数の平均は約281万台なのに対し、3月は約389万台と圧倒的に多くなっています。これは、年度末決算へ向けて自動車の販売台数が増え、それに伴って車検を受ける車両も増加するためです。
こうした課題を解決するため、2024年6月に国土交通省は車検制度の見直しを実施。2025年4月1日から、車検の受検期間を「有効期間満了日の2か月前から満了日まで」に拡大することを決定しました。さらに新制度では、満了日の2か月前に受験しても、残存する有効期間が失われないことになりました。
これまでも、満了日より前に受けることは可能でしたが、早めに受けると次の有効期間が短くなってしまうため、「早く受けるのは損だ」と考えられていました。そのため、多くのユーザーは満了日ギリギリで車検を受けることが多く、それが車検の集中の一因になってたからです。
この改正によって、3月に集中していた車検が分散されることが期待されています。
車検期間の変更に対するユーザーの反響は?

ユーザーからは賛成の声があがっている一方で、自動車整備士不足を懸念する意見も。
この制度変更について、SNSやネット上ではさまざまな意見があがっています。
「車検を出す側の都合もあるし、整備工場の負担も考えると、2か月前後は妥当だと思う」
「旧車に乗ってると部品が調達できなくて期限に間に合わないことがあるから、2か月前から受けられるのはありがたい」
「2月末の車検がいつも大雪で大変だったけど、12月に受けられるようになるのは助かる!」
「車検の有効期間を損しないなら、ユーザー側も早めに車検を受けやすくなるね」
全体的に、車検期間が延びることに関して賛成の声が多くみられました。しかし、肯定的な意見だけでなく、否定的な意見もあります。
「期間を伸ばしても、そもそも整備士が不足してるから、問題の根本解決にはならない」
「自動車整備士の待遇を改善して、もっと働きやすい環境を作るのが先では?」
このように、自動車整備業界の人手不足について指摘し、根本的な解決を望む声もありました。
自動車整備士は人手不足

自動車整備士は人手不足状態に陥っており、志願者も少ないといわれている。
実際、自動車整備士の不足は深刻化しています。
特に若年層の志望者が減少しており、国土交通省によれば自動車整備専門学校への入学者数は、2003年と2021年を比較すると約47%減少しました。
さらに、車両の技術が高度化するに伴い、整備士の負担は大きくなっているのも問題です。電気自動車のシェア拡大や、衝突被害軽減ブレーキなどの先進技術を搭載したクルマの増加によって、従来以上に高度なスキルが求められる状況になっているからです。
今回の改正で車検の時期が分散すれば、多少なりとも整備士の負担軽減につながることが期待されますが、人手不足という根本的な課題を解消するための施策も求められています。
改正後の車検計画はどうするべき?

車検を受けられる期間が延長されたため、混雑を避けて余裕を持って受検しよう。
車検を受けられる期間が有効期間満了日の2か月前からに延長されたことで、ユーザーもより柔軟にスケジュールを立てられるようになります。以下のポイントを押さえて、混雑を避けながらスムーズに車検を受けましょう。
- 混雑しやすい時期を避ける
年度末・中間期決算が控えている3月や9月は車検が集中するため、これらの時期を避けると予約が取りやすくなります。 - 天候が落ち着いている時期を狙う
冬場は積雪や凍結の影響でクルマの移動が大変になることも。天候が穏やかな時期に受けるのも1つの選択肢です。 - 期間に余裕を持って予約する
特に旧車や輸入車などは、部品の取り寄せに時間がかかることがあるため、早めの予約を心がけましょう。 - ディーラーや整備工場などのキャンペーンを活用
早期予約で割引が受けられるケースもあるため、お得に車検を受けられるように、事前に確認するといいでしょう。
このように、2025年4月から車検を受けられる期間が有効期間満了日の「1か月前」から「2か月前」に拡大します。この改正を上手に活用し、余裕を持った計画を立てることでスムーズに車検を受けられるようにしましょう。
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