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最終更新日:2025.02.05 公開日:2025.02.04

「GRカローラ」がさらに進化! 改良新型はGRヤリス採用の8速AT「GR-DAT」搭載でさらに過激に【新車ニュース】

トヨタは2月4日、改良を受けた新型「GRカローラ」の注文受付を開始した。「RZ」の1グレード展開で、税込車両価格は6速MTが568万円、8速ATが598万円。発売は3月3日だ。

文=細田 靖

写真=トヨタ

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高速コーナーでの旋回&加速性能が向上

トヨタ GRカローラ RZ|Toyota GR Corolla RZ

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2024年8月2日に米国で発表した進化型「GRカローラ」の日本仕様車がついに発表された。本日2月4日より注文を受け付け、3月3日より発売する。

このたびの改良では、スーパー耐久シリーズなどのモータースポーツに参戦するなかで得た知見を生かし、高速コーナーでの旋回性能や加速性能、冷却性能が向上した。

旋回性能では、前後ショックアブソーバーにリバウンド側で作動するスプリングを内蔵し、旋回時の車両姿勢と内輪の接地荷重特性を改善。これにより旋回中の車両安定性を高めている。

リアアクスルのトレーリングアーム取付点イメージ

さらに、リアアクスルの回転中心であるトレーリングアーム取付点を上げることで、加速時のリアの沈み込みを低減。アクセル操作に対する車両姿勢変化を抑えることで、駆動力の応答性を向上させるとともに安定した姿勢でのコーナーリングを実現する。

合わせて、リアのコイルスプリングとスタビライザーのばね特性が見直され、それぞれのロール剛性の分担率を最適化することで、旋回時のリアタイヤの接地性を向上させ、車両コントロール性も高めている。

トヨタ GRカローラ RZ|Toyota GR Corolla RZ

加速性能では、スポーツ走行でのエンジン使用領域を分析し、コーナーでの立ち上がり加速に重要な中速域でのエンジントルクを現行型に対して30Nm上乗せし、最大トルクを400Nmまで高めた。なお、304psの最高出力は従来から変わっていない。

新8速AT「GR-DAT」は世界最速水準の変速を実現

GRヤリスにも採用した8速AT「GR-DAT(GAZOO Racing Direct Automatic Transmission)」

新開発8速AT「GR-DAT(GAZOO Racing Direct Automatic Transmission)」の採用もニュースだ。これは進化型GRヤリスにも採用された、世界トップレベルの変速スピードを目指したもの。

従来は、減速度や車両速度などの車両状態に基づいて変速させていたところを、よりドライバーの意図を反映するために、ブレーキの踏み込み方や抜き方、アクセル操作まで細かくモニタリングすることで、運転状況を先読みし、プロドライバーによるシフト操作と同じようなタイミングでのギヤ選択を実現。シフト操作に気を取られず、ステアリング、アクセル、ブレーキの運転操作に集中できることにより、スポーツ走行の楽しさが広がる。

A:サブラジエーター、B:ブレーキダクト、C:ラジエーターグリル、D:インタークーラー、E:空冷ATFクーラー(GR-DATに標準装備)

このGR-DAT搭載車には、エンジン始動時の暖気促進も兼ねる水冷式ATFウォーマー&クーラーに加えて、空冷式ATFクーラーを標準装備。さらにスポーツ走行を考慮して、エンジン冷却を強化するためにサブラジエーターも備わっている。

車体フロント部には、空冷式ATFクーラー前のロアグリルに冷却用の開口を設定。フロントバンパー側面のサイドダクトに空気の排出用の開口を設けることで。冷却用の空気をスムーズに排出できる構造が採用された。

車体フロント部に設定された開口部イメージ

そして、より安定した制動力を確保するブレーキダクトも採用。フロントブレーキローターに風を直接導いて冷却効果を高める効果で、ブレーキ温度の上昇を抑制する。

加えて、限界領域でも安全・安心で懐の深いクルマに近づけるためにABSを改良。上下Gセンサーにより、ABS作動輪の接地荷重をモニタリングすることでABS作動時の安定した制動力を実現。

このほか、クルマとの一体感をさらに進化させるべく、以下の変更を実施している。

●ステアリングコラムとインストルメントパネルリインフォースメントの締結部に締結剛性の高い溝付ワッシャーボルトを採用。直進安定性とステアリング操作に対するダイレクト感を向上。
●シャシー部品の締結ボルトの一部に締結剛性の高い特別なボルトを採用。ロアアームとロアボールジョイントの締結部はステアリング操作に対する応答性を、そしてリアショックアブソーバーとボディの締結部はステアリング操作に対するリアのグリップ感を向上。
●クラッチシステムのトータルレバー比やクラッチカバー、ターンオーバースプリングの荷重特性を最適化することで、クラッチペダルの操作性を向上。ピーク踏力を高めに設定し、踏みごたえのあるペダル操作フィーリングとしたほか、ピーク踏力以降はペダルストロークでの踏力を減少させることでペダルの踏み切り感を向上させている。さらにスポーティな操作感となるようにクラッチ特性を最適化し、戻し側の荷重増加による足への追従性、半クラッチストロークの短縮による操作性を向上。

日本仕様限定「スポーツパッケージ」をオプション設定

SPORT Packageに設定された「ウルトラスエード 巻き3本スポークステアリングホイール」

SPORT Packageに設定された「専用セミバケットシート(スライド&リクライニング/GRマーク付)」

改良版GRカローラでは、よりスポーティで上質感のある内装にこだわった「スポーツパッケージ(税込25万3000円)」を、日本仕様車限定でメーカーオプション設定された。内容は以下のとおり。

●専用セミバケットシート(スライド&リクライニング/GRマーク付)
●ウルトラスエード巻き3本スポークステアリングホイール(鋳物ブラック塗装/GRエンブレム・センターマーカー付)
●ウルトラスエード巻きシフトノブ(アルマイトレッド加飾リング※MT車はGRロゴ付)、シフトレバーブーツ(ウルトラスエード/レッドステッチ付)
●手動パーキングブレーキ(ウルトラスエード巻きグリップ)、パーキングブレーキブーツ(ウルトラスエード/ステッチ付)
●ELR付3点式レッドシートベルト(プリテンショナー&フォースリミッター機構付[フロント])
●鋳物ブラック加飾(メータークラスター、サイドレジスター、ディスプレイオーディオサイド、センタークラスター、シフトベゼル、ドアトリムガーニッシュ、ドアスイッチベース、シートオーナメント)

サーキットモード専用メーター「シフトタイミングインジケーター(タイムカウント式)」の表示画面。この画面ではシフトアップタイミングをエンジン回転数と緑・赤・青のインジケーターを組み合わせてドライバーへ視覚的に伝達してくれる。

さらに、日本仕様車では「サーキットモード」を設定。サーキットモードは、国内のサービス対象サーキット・施設において、アンチラグ制御の追加やスピードリミッター上限速度の引き上げなど、クルマのポテンシャルを引き出す機能が有効となるサービス。

GPSによる位置判定および専用アプリ上での操作により、シフトタイミングやエンジン回転数を直感的に示す専用メーター表示に切り替わり、サーキットモードが利用可能となる。

このほか、今年の夏頃には「締結剛性向上ボルトセット」や「旋回性能向上サスペンションセット」など、既存のGRカローラオーナーも今回の進化が体感できるアップグレード用品が発売される予定(価格は未定)だ。

SPECIFICATIONS
トヨタ GRカローラ RZ|TOYOTA GAZOO Racing Corolla RZ
ボディサイズ:全長4410×全幅1850×全高1480mm
ホイールベース:2640mm
車両重量:1500kg(※1480kg)
駆動方式:4WD
総排気量:1618cc
エンジン:直列3気筒インタークーラーターボ
最高出力:224kW(304PS)/6500rpm
最大トルク:400Nm(40.8kgf-m)/3250-4600rpm
トランスミッション:8段AT(※6段MT)
価格:598万円(※568万円)
※はMT車

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