名古屋三河道路のルートが決定! 3月に全線開通予定の名豊道路とも接続する構想に期待高まる。【道路のニュース】
名古屋市から岡崎市までを東西に結ぶ高規格道路として期待される「名古屋三河道路」の計画に進展が見られた。2024年12月9日に開催された第3回名古屋三河道路有識者委員会で優先ルートが決定されたのだ。3月の全線開通を間近に控える「名豊道路」と接続する重要な構想に注目が集まる。
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名古屋港から岡崎市までを結ぶ「名古屋三河道路」
「名古屋三河道路」は伊勢湾岸自動車道の名古屋港付近と東名高速道路の岡崎IC付近を結ぶ、新たな東西軸の道路構想だ。中部国際空港や名古屋港のアクセス向上の他、伊勢湾岸道の代替路としての機能などが期待される。
特に、知多地域と西三河地域間のアクセス路となっている国道247号「衣浦大橋」と知立東浦線「平成大橋」の渡河部は渋滞が発生しやすい。名古屋三河道路に渡河部の交通を分散すれば、名古屋~岡崎間の所要時間短縮にもつながる見込みだ。
これまで名古屋三河道路は、西知多道路~名豊道路を結ぶ区間を優先整備区間(評価対象区間)として、3つのルート案の検討が進められてきた。名豊道路はラスト区間である「蒲郡バイパス(豊川為当IC~蒲郡IC)」の開通が2025年3月8日に控えており、名古屋~豊橋間のアクセス向上に期待感が高まっている。
名古屋三河道路の3ルート案
名古屋三河道路の優先整備区間については、以下の3ルートで比較検討がなされた。
【A案:北側ルート】
最短ルートとなる「北側ルート」は、西知多道路の長浦ICから知多半島道路の東浦知多IC付近を経て名豊道路の高棚北ICに至る。所要時間を短縮できる一方、建設コストが最も高くなる。延長は約19km。ルート整備による短縮時間は約25分。
【B案:南側ルート】
「南側ルート」は沿線に立地する工場などのアクセスも考慮したルートで、西知多道路の長浦ICから知多半島道路の阿久比ICを経て名豊道路の高棚北ICに至る。沿線に立地する工場など、生産拠点の物流効率化につながる。延長は約20km。ルート整備による短縮時間は約25分。
【C案:現道活用案】
既存道路を拡幅や立体化して機能を強化する「現道活用案」。西知多道路の長浦IC付近から県道西知多線を経由、知多半島道路の阿久比ICから東浦知多ICまで北上する。そこから県道知多東浦名古屋線を経由して名豊道路の高棚北ICに至る。ほぼ現道を活用するルートのため、3ルートの中では最も建設費を抑えられる。延長は約23km。ルート整備による短縮時間は約14分。
2024年12月9日、愛知県建設局は「第3回有識者委員会」にて、名古屋三河道路の優先整備区間について「B案:南側ルート」に決定。他2案と比較して、名古屋港や中部国際空港への速達性や定時性が向上し、生産拠点や防災拠点等へのアクセス性に最も優れる点を評価した。
なお、インターチェンジについては、主要な幹線道路と接続するとともに、市街地や名古屋港、中部国際空港、産業集積地などへのアクセス性にも考慮した位置を検討するとしている。
名古屋三河道路の優先整備区間は、詳細なルートや道路の構造の検討を進め、新規事業化を目指すことになる。今後、西側の伊勢湾岸道と接続する区間と東側の東名高速と接続する区間も、具体的な事業の検討が進展することを期待したい。
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