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最終更新日:2024.10.31 公開日:2024.06.06

自動車盗難件数ランキング【2024年発表】ワーストワンはアルファード!

警察庁が2024年6月に発表した自動車盗難等の発生状況についての統計資料によると、2023年における自動車盗難の認知件数は5762件。車名別でみると最も盗難台数が多いのはトヨタ・アルファードで700件だった。どのようなクルマが狙われているのかランキング形式で見てみよう。

文・画像=KURU KURA編集部

出典=警察庁・日本損害保険協会

自動車盗難件数は増加傾向!

自動車盗難認知件数の推移

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警察庁が2024年6月に発表した自動車盗難等の発生状況についての統計資料によると、2023年における自動車盗難の認知件数は5762件。2022年の5734件と比較すると28件増加。2021年と比較すると582件の増加となり、ここ2年は増加傾向にある。自動車盗難件数がピークだった2003年の6万4223件と比較すると、実に90%以上も減少しているが、依然として盗難はゼロにはならない。

果たして、どんな種類のクルマがいつどこで盗難被害に遭っているのか、自動車盗難の傾向を見てみよう。

自動車盗難件数ランキング2023年ワーストはアルファード

車名別の自動車盗難台数ランキング

【車名別盗難台数ランキング】
※順位、車名、盗難台数、千台あたりの盗難台数で記した。
■2023年
1位:アルファード 700台 0.9
2位:ランドクルーザー 643台 2.2
3位:プリウス 428台 0.2
4位:レクサスLX 261台 32.7
5位:ハイエース 187台 0.2

■2022年
1位:ランドクルーザー 710台 2.6
2位:プリウス 477台 0.2
3位:レクサスLX 344台 52.7
4位:アルファード 330台 0.4
5位:レクサスRX 188台 1.8

※「盗難台数」とは盗難等車両手配がなされた車名が明らかな車両であり、未遂等を含まないため、犯罪統計における自動車盗難認知件数とは異なる。なお、上記の一覧に小型・中型・大型トラックは含まない。
※「千台あたり」とは、車名別盗難台数を、保有車両台数(一般財団法人自動車検査登録協会統計「自動車保有車両台数(各年3月末現在」)で除し、1000を乗じた数である。
軽四乗用自動車等については、保有車両台数にかかるデータがないことから「-」としている。

2023年に自動車盗難台数(※)が最も多かったのは「トヨタ・アルファード」で700台。前年の330台から370台も増加し、4位から一気に盗難台数ワーストとなった。2位は「トヨタ・ランドクルーザー」で643台。前年の710台から67台減少してワースト1から脱した。3位は「トヨタ・プリウス」で428件。前年の477台から49台減少したものの、順位は据え置きとなった。

ランキング上位に入ったクルマの多くは、昨年より盗難台数が減少しているが、トヨタ・アルファード、トヨタ・ハイエース、ダイハツ・ハイゼット、トヨタ・レクサスLSの4車種は昨年より増加している。

上位の車名に注目すると、順位こそ入れ替わったものの4位までの顔ぶれに変化はなく、特定のクルマに盗難被害が集中していることがわかる。また、ランキング入りしている車のうち8種は、トヨタ製であることにも注目したい。

一般的に、トヨタ車は海外でも人気が高く、高値で売買されることが狙われる要因だと考えられている。また、ランドクルーザーなどは悪路走破性が高いこと、アルファードやレクサスLX、ハイエースは人や荷物の大量運搬に適していることから、発展途上国で人気が高いともいわれている。事実、千台あたりの盗難台数をみると、レクサスLXが32.7台、ランドクルーザーが2.2台と他のクルマに比べて大幅に盗難されている状況にある。

自動車盗難件数1位の都道府県は愛知県

次に都道府県ごとの自動車盗難認知件数を見てみよう。

都道府県別の自動車盗難認知件数ランキング2022、2023年

【都道府県別の自動車盗難認知件数】
■2023年
1位:千葉県 746件
2位:愛知県 698件
3位:埼玉県 683件
4位:茨城県 615件
5位:神奈川県 461件

■2022年
1位:愛知県 884件
2位:大阪府 652件
3位:千葉県 627件
4位:埼玉県 606件
5位:茨城県 587件

2023年に盗難認知件数が最も多かったのは千葉県で746件。前年は3位で627件だったが、そこから119件増加してワーストワンとなった。2位は愛知県で698件。前年は884件で1位だったが、そこから186件減少させた。3位は埼玉県で683件。前年は4位で606件だったが、77件増加して3位となった。

順位こそ変動しているものの、例年上位にランクインする顔ぶれは大きく変わらない。ちなみに、盗難件数の多い10府県を合計すると4401件で全体の約7割強を占めていて、ほとんどの盗難が一部の場所に集中していることが分かる。これらの地域の共通点は、国際的な貿易拠点となる大きな港があること。自動車を狙う犯罪組織は、盗んだ自動車をすぐに船で運びだせる場所を狙い目と考えているのだろう。

盗難発生は深夜~朝に集中!

自動車盗難の発生時間帯は何時頃なのだろうか。ここでは一般社団法人日本損害保険協会が集計する第25回自動車盗難事故実態調査(保険金が支払われた自動車盗難の件数調査)の結果を見てみよう。

車両本体盗難の発生時間帯(出典:第25回自動車盗難事故実態調査)

【自動車盗難の発生時間帯】
深夜~朝(22時~翌9時)58.4%
日中(9~17時)27.7%
夜間(17~22時)7.7%
不明 6.1%

2023年の自動車盗難は、約5割が22時~翌9時までの深夜から朝にかけて起こっていることがわかる。どんな犯罪でも言えることだが、暗がりで見つかりにくいことが、犯行には好都合なようだ。また、多くの人が寝ている時間帯なので、長時間の駐車が多いことも盗難が増える理由だろう。

自動車盗難を防ぐためにプラスワンの対策を!

(c)glebzter – stock.adobe.com

自動車盗難に遭わないために、どのように対策をすれば良いのだろう。愛知県警は、単に車の施錠をするだけでなく、以下のようなプラスワンの対策をとるように呼びかけている。

  • ハンドルロック、ブレーキペダルロック、タイヤロックをする
    ハンドルやブレーキペダル、タイヤを物理的にロックすることで盗難防止になる。また、視覚的なアピールにもなり、犯人が嫌がるので抑止効果があるという。切断して取り外す犯人もいるので強固なバー式ハンドルロックの装着が必要。
  • 自動車の左側面を壁際に駐車する
    新しい年式の自動車を狙うCANインベーダーという手口では、左前のタイヤ付近から機器を接続して車の制御を奪う。対策の1つとして車の左側面を壁際に駐車し、左前のタイヤ付近に人が入り込めないようにすることも有効だという。
  • カギの管理をする。後付けのイモビライザーなどを装着する。
    玄関先や事務所のキーボックスに入れたカギが盗まれ、自動車も盗まれる被害も多く発生しているという。また、スマートキーシステムの電波を悪用した「リレーアタック」という手口で、カギが開けられることもある。電波を減衰する効果のある専用ケース、ブリキやアルミホイルなどの容器に入れて、分かりにくい場所で保管する。また、後付けのイモビライザーなどエンジンが始動できない電子機器を装着することも有効だ。
  • カーアラーム(振動センサー付)を設置する
    CANインベーダーという手口では、自動車に連動しているセキュリティを解除して、車内に侵入する。自動車に搭載されたものとは独立した、電池式等の「カーアラーム」(振動センサー付)をドアに取付ける。
  • 車載GPS装置を取り付ける
    車両純正でGPSが搭載されている車種もあるが、犯人は純正GPSを無効にすることもある。犯人に見つかりにくい場所に別途GPSを取り付けることで、車両の位置情報を確認し、発見することができる。
  • ナンバープレート盗難防止ネジを設置する
    犯人は、窃盗後にナンバーを付け替えて移動するという。ネジ頭が特殊な形状をしたネジに変更することで、ナンバーの取り外しが難しくなり盗難防止となる。
  • 外から見えないガレージへ格納
    自宅敷地内の駐車場であっても盗難被害に遭うケースが多い。可能であれば、外から見えないガレージに格納することで、犯行グループに見つかり難く、さらに盗み難くなる。
  • 車のセキュリティ状態をチェック
    盗難被害に遭っている車種の多くは、ドアのこじ開けなどでクラクションが鳴るようなメーカー標準のセキュリティシステムが装備されている。しかし、システムの設定がオフになっている場合もあるという。ディーラーなどでシステムの状態を確認しておきたい。

犯人はあらかじめ狙いを定めて下調べをし、犯行の機会を窺っている。車両盗難に遭わないために、普段から防犯対策をしておきたい。特に、大きな港に近い都道府県に住み、屋外に駐車しているなど盗難に遭いやすい車種のオーナーの方々は、より注意が必要だろう。

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