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ライフスタイル最終更新日:2024.04.08 公開日:2024.02.29

実はZ世代の6割以上がクルマの運転が好きだった!? KINTO取材で分かった意外な調査結果とは?(前編)【特集:若者のクルマと恋愛事情】

いま、若者たちの間でクルマに対する意識が大きく変わろうとしている。クルマのサブスクリプションサービスを展開するKINTOは2022年からZ世代への意識調査を開始。そこから見えてきた驚くべき結果とは。クルマ離れが叫ばれる昨今、その秘策はどこにあるのか? 今回はその前編をお届けする。

文=サトータケシ

写真=REALROCKDESIGN

インタビューを受けていただいた、株式会社KINTOマーケティング企画部のみなさん。左から小川彩子さん、木村遥さん、岡部サエマさん。

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なぜKINTOはZ世代への意識調査をはじめたのか?

──まずは、みなさんがどんなお仕事をなさっているのか、というところからお聞かせください。

岡部 私たち3人はマーケティング企画部という部署に所属しています。私は入社5年目で、KINTOの設立初年度から広報とPRを担当しており、意識調査の立ち上げにも携わりました。この1月からはSNSの運用チームに異動となり、公式YouTubeの運営に注力しています。

小川 私は車種とサービスを推進・販売するチームで働いています。たとえば新しい車種やサービスが出た時に、どのようにお客様とコミュニケーションをとるのかを企画しています。

木村 岡部と同じくSNSの運用チームで、LINE、FacebookなどSNSを用いたマーケティング活動に携わっています。この1月から、新たにTikTokの運用もスタートしています。

──みなさんのZ世代のクルマに対する意識調査が非常に興味深い内容でしたが、このような調査はKINTOの設立当初から行っていたのでしょうか。

岡部 2019年にKINTOが設立されて、調査は2020年にスタートしていますから丸3年になりますね。もともとはZ世代のクルマに対する意識調査だけでなく、サブスクという新しいクルマの持ち方が世の中に広がってほしい、ということが狙いでした。いろいろなテーマで調査をすることで人々の意識もわかりますし、サービスに活かしていけることもあるだろう、ということで継続しています。Z世代の若者のクルマに対する意識調査は2022年から始めていて、まもなく2024年版を発表する予定です。

KINTO設立時から広報とPRを担当する岡部さんは、2024年1月に広報担当からSNS運用担当へと異動。広報担当時代に、さまざまな意識調査を実施した。

車種ごとのサービスを企画する小川さんは、「KINTO Unlimited」で提供するトヨタ・ヤリスとヤリス クロスのリーズナブルな価格設定が若い世代に受けるのではないかと、期待しているという。

SNSを担当する木村さんは、1月よりTikTokの運用をスタート。若い世代がクルマを身近に思ってもらえるようなコンテンツを企画しているとか。

Z世代の6割〜7割が「運転が好き」?

──みなさんのアンケート結果で驚いたのが、【2023年版 Z世代のクルマに対する意識調査】です。「Q1 あなたは、自動車を運転することが好きだと感じますか。」という設問に対して、東京では65.1%が「とても感じる」「やや感じる」と答えていて、地方ではさらに多い71.9%が運転を好きだと答えています。

岡部 この結果には私たちも驚きました。これとは別に、【Z世代の自動車教習に関する実態調査】というアンケートも行っています。ここで、「Q1 あなたが、免許をとりたいと考えている理由を教えてください。」という複数回答のアンケートを実施したところ、「ドライブしたいから」「運転に憧れがあるから」「クルマが好きだから」という答えがトップ3を占めました。運転ができないと生活に困るとか、身分証になるからといった答えが上位に来ると思っていたので、意外でした。

木村 調査結果から、ドライブをしたいとか、レジャーとか趣味を楽しむために運転をしたいという若年層の方がそれなりにいることがわかったので、合理性だけじゃクルマは買ってもらえないんだな、と思いました。

小川 Z世代の価値観は、とにかく安くクルマを持ちたいとか、必要な時だけ借りればいいということだけではないことがわかりました。楽しいことをするためにクルマを持ちたいとか、クルマを持てば行動範囲が広がるとか、そういう方向でアピールすべきなのかな、と思っています。

2023年7月7日〜同年7月9日に実施した「Z世代の自動車教習に関する実態調査」で、質問は「あなたが、免許を取りたいと考えている理由を教えてください」というもの。回答したのは自動車教習所(合宿含む)に現在通っているZ世代(18〜25歳)539名。※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため合計値が100になるとは限らない。資料=KINTO

クルマに乗らないのはお金の問題?

──【2023年版 Z世代のクルマに対する意識調査】の「Q4 現在自分名義の自動車が欲しいと思いますか。」という質問に対して、東京では45.5%の方が「非常に欲しい」「やや欲しい」と思っていて、地方ではこれが60.9%にまで増えています。いっぽう、「Q5 あなたが、現在自分名義の自動車を所有していない理由として、当てはまるものを教えてください。」という質問に対しては、自動車の価格や維持費が高いという理由が上位にきています。クルマが欲しいけれど買わない、買えないというのは経済的な理由だということがわかります。

岡部 価格や維持費が高いから買えない、家族のクルマで間に合うから買わないという答えが上位にきているのは、東京でも地方でも同じです。ただ数字を精査すると、東京と地方で15ポイントから20ポイントの差があるんですね。東京のほうが価格や維持費の問題が大きい、具体的に言うと駐車場を確保できないことがネックのひとつになっていると推察しています。

2023年2月16日〜2月17日に実施した「Z世代のクルマに対する意識調査」で、質問は「現在自分名義の自動車が欲しいと思いますか?」。回答したのは普通自動車免許を持っている、都内在住のZ世代(18〜25歳)330名と地方(政令指定都市がない県)在住のZ世代(18〜25歳)330名。※構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため合計値が100になるとは限らない。

同じく「Z世代のクルマに対する意識調査」での内容で、質問は「あなたが、現在自分名義の自動車を所有していない理由について教えてください」というもの。

教習所でクルマの買い方や維持費について学びたい?

──【Z世代の自動車教習に関する実態調査】「Q7 あなたは、教習所の学科の中で、車の買い方/維持費などの知識を学べる機会があれば嬉しいと思いますか。」という質問に対して、8割以上の方が「非常にそう思う」「ややそう思う」と答えています。つまり、経済的な負担を減らせるようなカーライフが提案できれば、若い世代ももっとクルマに親しんでもらえると思うのですが、いかがでしょう?

岡部 正直、この質問にこれだけ賛成の数字が出るとは思っていませんでした。教習所に通っている段階ではきっと学科よりも技能教習の方が楽しいだろうし、車の購入方法や維持費といったお金の話まではまだ具体的に考えていないのかな、と。でも8割以上の方が学ぶ機会をポジティブに捉えているのであれば、うまくKINTOとのタッチポイントをつくることで、免許取得後の車の持ち方の選択肢を広げるきっかけになればいいな、と考えています。

──教習所と自動車メーカー、それにKINTOのような企業はクルマ文化を盛り上げるための運命共同体ですから、ぜひ推進していただきたいです。ということで後編では、KINTOの成功体験を交えて、若者にクルマに乗ってもらう方法を考えたいと思います。

(後編に続く)

「Z世代の自動車教習に関する実態調査」での内容で、質問は「あなたは、教習所の学科の中で、車の買い方/維持費などの知識を学べる機会があれば嬉しいと思いますか。」というもの。

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