運転中に雪崩が起きたらどう対応すればいい? 雪崩防災週間に災害の防止と被害の軽減を考えよう
国土交通省は、毎年12月1日から7日を「雪崩防災週間」として定めている。本格的な雪のシーズンを前に、災害の防止と被害の軽減に対する意識を高めよう。
12月1日~12月7日は雪崩防災週間
北国から雪の便りも届きはじめる12月。国土交通省は12月1日~12月7日を「雪崩防災週間」と定めている。
雪崩とは「斜面に積もった雪が、重力の作用により下方に滑り落ちる現象」である。厳冬期に起きやすい表層雪崩は時速100~200km(新幹線並み)、春先に起きやすい全層雪崩は時速40~80km(乗用車並み)の高速で落下する。
道路上ではないものの、過去には、表層雪崩(新潟県旧能生町で発生)で住宅全壊10戸、全層雪崩(山形県尾花沢市)で住宅全壊1戸の被害を引き起こしており、雪崩の種類によらず、大きな被害となることがわかる。
雪崩危険個所(豪雪地帯対策特別措置法に基づく)は、北海道、東北、北陸、関越だけでなく、関西圏(近畿・中国地方)でも指定されており、降雪・積雪地でなくても雪崩は起こり得る。
では、日頃からどのような対策をすればいいのか、もし、ドライブ中に雪崩に遭遇したらどのような対応をすればいいのか、この機会に確認しておこう。
ドライブ前に気象情報を確認しよう
冬期間は晴れた日でもドライブ前に気象情報を確認してほしい。冬の天候は変わりやすい。午前中は晴れていたのに、午後になって猛吹雪になることもある。雪崩は急激な気温の変化があったとき、大量に雪が積もったときに発生しやすい。雪崩に加えて、雪の中で立ち往生することになれば、一酸化炭素中毒や場合によっては凍死の危険もあり得る。
ドライブ前に気象情報を確認して、条件が悪いときには、むやみに車で出かけないようにしたい。
出発前に装備も万全にしよう
雪崩はもちろん、突然の暴風雪でも、車にスコップや牽引ロープを積んでおくと役に立つ可能性がある。また、災害に遭ったとき、すぐに捜索してもらえるよう、出かけるときは、家族など、第三者に行き先を知らせておくのも大切だ。
危険な箇所には近づかない
雪崩の前兆を見逃してはならない。「クラック(斜面の裂け目)」、「雪庇(山の尾根からの雪のはり出し)」、「スノーボール(斜面を転がり落ちてくるボールのような雪のかたまり)」、「雪しわ(しわ状の雪の模様)」は、雪崩の前兆現象としてあげられる。道路に沿う斜面にこのような前兆現象がみられたときは、危険な箇所だと認識して、無理に走行しないようにしよう。
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