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ライフスタイル最終更新日:2023.08.18 公開日:2023.08.18

字光式ナンバープレートとは? ナンバーを光らせた理由に納得!

深夜0時過ぎ、某国道の山間部を走行していた筆者は、文字が蛍光グリーンに浮かび上がるナンバープレートに遭遇。あれはなんだ?と驚いて調べたところ、この光るナンバープレート、正式名称は「字光式ナンバープレート」といい、バブルの絶頂期にはドレスアップカスタムで大人気だったらしい。現在ではあまり見かけなくなったが、そもそもなぜ文字を光らせたのだろうか。

文=宮本 菜々(KURU KURA編集部)

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暗闇で光る! 字光式ナンバープレートはこうして生み出された

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暗闇で蛍光グリーンに光る「字光式ナンバープレート」。初めて見たときは違法に改造したナンバープレートなのでは? と疑ってしまったが、もちろん違法ではない。正式に運輸支局や検査登録事務所で交付されるもので、当然、車検にも対応している。

字光式ナンバープレート(※画像はあくまでイメージ)

通常のナンバープレートはすべてアルミでできている。一方、字光式ナンバープレートは、文字の部分をくり抜き、樹脂製の成型文字をはめ込んでいる。このプレートの裏に専用の照明器具を取り付けると、樹脂の部分を光が透過するわけだ。なお、軽自動車は文字が黒のため、文字部分を樹脂製にしても光を透過できない。そこで、文字の輪郭を発光させ、浮かび上がらせる構造になっている。

では、字光式ナンバープレートはどのような経緯で誕生したのだろうか? 調べてみたところ、およそ40年前、北海道で誕生したことがわかった。降雪・積雪時の視認性が上がること、融雪効果があることから、登録車で交付が始まったのだという。視認性はよく分かるが、照明器具の熱でプレートの文字まわりを融雪できるという利点は、雪国ならではのメリットといえそうだ。

バブル絶頂期、ドレスアップで大人気

画像:(c) Konstantinos Moraiti/Oleksandr - stock.adobe.comをもとに作成 バブル絶頂期のカスタムカーは字光式ナンバーでドレスアップ

字光式ナンバープレートが広まったのは、1980年代のバブル絶頂期。当時はドレスアップブームの真っ只中で、ホイールを変えたり、シャコタンといわれるような車高を下げる改造も流行っていた。車高を10cmくらいまで下げて、バンパーを擦りながら走るクルマも珍しくなかったという。

そんな中で、字光式ナンバープレートもカスタムアイテムとして大ヒット。あれ? 視認性と融雪性はどこにいった? と思わず突っ込みたくはなるものの、カッコいいドレスアップとして一気に普及したという。

ただ、バブル崩壊後は、字光式ナンバープレートは減っていく。今はあまり見かけなくなったといってもいい。バブル崩壊後は過度な装飾が流行らなくなったのだろうか……流行は過ぎ去ったようである。

さらに、字光式ナンバープレートの照明器具も進化してLED光源となり、以前と比較して薄くなったのと引き換えに、融雪性も弱くなったのかもしれない。北海道に居住する筆者の身内も「最近はあまり見ないかもしれない」といっている。とはいえ、歴史もブームも繰り返すもの。たまに見かけると、素直に綺麗と思うこともあり、再びブームになる可能性もあると思う。

字光式ナンバープレートの取得方法

最後に、字光式ナンバープレートにする方法を説明しておこう。字光式ナンバープレートの交付自体は他のナンバーと同様で、管轄の運輸支局や検査登録事務所で必要な書類を揃えて申請すれば交付してもらえる。ただし、その後の取付には専門知識等が必要なため、基本的にはディーラーや整備業者等に依頼するのがよいだろう。

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