高速道路のC1やE20は何のためにある？路線番号の意味と規則性の謎を解き明かす

高速道路の道路標識や路線図にみられる「C1」や「E20」というナンバリング。「路線番号」と呼ばれるナンバーには、どのような意味や規則性があるのだろうか？路線番号の謎を解き明かす。

高速道路

文＝くるくら編集部　資料＝国土交通省

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高速道路のナンバリングはいつから始まった？

霞が関入り口の標識は、上段に首都高都心環状線外回り（時計回り）を意味する「C1」と、下段には中央道を意味する「E20」が表示されている。(c) custum0335 – stock.adobe.com

　日本の高速道路（高速自動車国道と自動車専用道路）は、「東名自動車道」「東北自動車道」のように地名を盛り込んだ路線名が付けられている。日本人であれば「東名」や「東北道」といった略称でも、それが何を指しているのか、たいがい理解できるものだ。

しかし、日本語がわからない、または日本の地名がわからない在日外国人や訪日外国人にとっては、従来の地名による道路名よりも、国道の番号表示のようなシンプルな表示の方が分かりやすい面もあった。

路線番号がなかった時代の高速道路の案内は、日本語表記と小さい英語表記のみだった。(c) w_p_o – stock.adobe.com

　そこで2017年、「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令（一部改正）」の施行によって、固有の言語（日本語）に依存しない路線番号を用いる「路線番号＝ナンバリング」が導入された。そう、実は高速道路に路線番号が導入されたのは割と最近のできごとなのだ。

名神高速は「E1」、第二京阪は「E81」の路線番号がナンバリングされている。(c) BJ – stock.adobe.com

　路線番号がナンバリングされたのは高速道路に加え、それと接続する地域の空港・港湾・観光地へのアクセス路線などである。

路線番号はアルファベットと数字の組み合わせ

国土交通省の資料をもとに作成。全国の高速道路に路線番号がナンバリングされている。

　高速道路の路線番号のナンバリングにあたっては「（1）親しみやすく」「（2）シンプルで（すべての利用者に）わかりやすく」「（3）国土の骨格構造を表現する」という基本ルールが設けられた。

例えば、（1）のルールでは、地域でなじみがあり、かつ国土の根幹的な路線の既存の国道番号（2桁以内）を活用することが定められている。（2）のルールでは、道路種別や機能をアルファベットで表現するため、路線番号の頭に高速道路（Expressway）を意味する「E」を付与する。また、起終点が同じ路線や機能が似ている路線はグループ（ファミリー）化し、路線番号の最後に「A」を付与することとした。そして、環状道路については路線番号の頭に円形や周回（Circle）を意味する「C」を付与することが定められた。

以下は、ここまで説明した国土交通省のルールのまとめと、路線番号をナンバリングした具体例だ。

①1桁・2桁国道に並行する路線

・並行路線の国道番号を付番する
例：E1 東名高速道路（並行路線は国道1号）

②1桁国道とグループ（ファミリー）化する路線

・名神高速道路の並行路線である新東名高速道路・新名神高速道路はE1東名高速道路とグループ化して「E1A」というようにグループ（ファミリー化）する
例：E1A 新東名高速道路、新名神高速道路　E2A 中国自動車道、関門自動車道

③環状道路

・首都圏、名古屋圏の環状道路は、アルファベットで機能を表現するとともに、既存の都市高速道路の環状道路との整合性にも配慮する
例：C3 東京外環自動車道　CA 東京湾アクアライン、東京湾アクアライン連絡道

④1桁・2桁国道に並行する路線の対象を拡大して付番する路線

【A】北海道縦貫自動車道は、国土全体および北海道の骨格構造を表現する路線であることから、全線を5号と付番する

例：E5 道央自動車道

【B】 2桁国道に同一地域内で概ね方向が一致している路線は、この国道番号を活用する
例：E39 旭川紋別自動車道
（国道450号であるがおおむね方向が一致している国道39号の39を付番している）

【C】並行する国道が3桁番号である、又は並行する国道の国道番号を別路線に付番する路線で、隣接して2桁国道がある場合は、この国道番号を延伸する
例：E14 京葉道路（国道14号）、E16 館山自動車道（国道16号）