突然の雹(ひょう)で愛車がボコボコに! クルマを傷から守る方法はあるのか?
氷の塊が降ってくる雹(ひょう)。雹でクルマが傷つくことはあるのだろうか?また運転中に降ってきたら、どうすればいい?いざというときに落ち着いて行動できるよう、クルマの雹対策を知っておこう。
なぜ、空から氷が降ってくるの?
氷の塊が降ってくる雹(ひょう)は、初夏や初冬によく発生する自然現象のひとつだ。もちろんそれ以外の季節に降ることもある。ちなみに、霰(あられ)との違いは氷の粒の大きさで、直径5mm未満と小さい場合は霰。直径5mm以上の大きさになると雹と呼ばれる。
では、なぜ雹や霰が降るのだろうか。空気の温度は、基本的には、地表は温かく、上空にいくほど冷たくなる。一方、理科で習ったように、温かい気体は上昇し、冷たい気体は下降する。つまり、温かい空気と冷たい空気が入れ替わろうとするのだが、初夏のように地表近くの空気が高温多湿になったり、初冬に冷たい寒気が上空に流れこむとこの変動が大きくなりやすい。天気予報でよく言われる「大気の不安定な状態」である。
温かく湿った空気が地表から勢いよく上昇すると、その際に発生するのが、入道雲に代表される積乱雲だ。そして、積乱雲の中で冷やされた湿気の多い空気が水を放出し、その水が凍って重くなると地表に落ちてくる。それが、雹や霰というわけだ。
大気が不安定な状態になると、天気が急変することが多い。「空が突然暗くなった」「雷が見えた・鳴った」「急に雨が降ってきた」ようなときには、雹が降ってくるかもしれないので注意が必要だ。
雹に当たるとクルマはどうなる?
大きな雹はゴルフボール大になることもあるという。ゴルフボールの大きさとほぼ同じ直径50mmの雹の場合、地上に落下した際の速度は時速115kmに達する。雹の大きさによっては、クルマが損傷することもあるし、それ以上に、人に当たればケガをしかねないことは覚えておきたい。
雹の大きさにもよるが、車体に無数の傷が付いた例もある。また、クルマのガラスを貫通した事案もあるという。
屋根のある駐車場へ逃げろ!
では、雹が降ってきたらどうすればいいのか。運転中に降ってきたなら、なるべく早く屋内駐車場などの屋根があるところへ避難したい。ただ、突然、運転が難しいくらい激しく降ってきた際は、無理に運転する方が危険なので、周囲の状況に注意して速度を落とし、道路の左側に寄せて停車しよう。車外に出ない方がよいのは、言うまでもない。
自宅にいて、駐車場が屋内や屋根があれば安心だが、駐車場が屋外なら、早めに布団や厚手の毛布で覆うと被害を最小限で抑えられる。ただし、激しく雹が降っているときに屋外へ出るのは危険なので、屋内で上がるのを待とう。
雹でクルマが被害を受けたら保険は使える?
雹の被害に遭いクルマを修理することになったら、自働車保険で対応可能なのだろうか。答えは、車両保険をかけていればイエスの場合が多い。ただし車両保険の契約内容にもよるので、事前に確認しておくとよいだろう。