公道走行可、ミシュランの未来のタイヤは見た目も中身もスゴイ!
ミシュランタイヤは、サステナブル素材を45%含有した乗用車用タイヤと58%含有したバス用タイヤを発表し、2つの国際賞を受賞した。公道走行承認も得て、市場への投入が待たれる2つのタイヤについて紹介しよう。
今まで見たことがないデザイン!
フランスのタイヤメーカー「ミシュラン」は、2030年に40%、2050年には100%の持続可能なタイヤを生産するという目標を掲げている。そして、2022年に世界初となる、サステナブル素材を高い比率で含有する乗用車用、バス用タイヤを発表した。
このタイヤが、2023年3月にドイツで開催された「Tire Technology Expo2023」で、「タイヤメーカーオブ・ザ・イヤー(Tire Manufacturer of the Year)」と「環境功績オブ・ザ・イヤー(Environmental Achievement of the Year)」の2つの国際賞を受賞した。この2つのタイヤは現時点では開発中ではあるものの、既に公道走行承認済みで、現実的に環境負荷低減に貢献できるタイヤとして注目を集めている。
サステナブル素材を含み、持続可能なタイヤとはどのようなものなのか、その正体に迫ってみよう。
これが乗用車&バス用の未来のタイヤ!
まるで内部構造や断面図をCGで描いたかのような外観だが、これが実物の写真だ。タイヤ側面の複雑な模様は、金属3Dプリンティングを駆使し、植物性のサステナブル素材を象徴するよう、木の葉・根・幹を表現しているそうだ。黒い部分も穴ではなく、異なる素材の組み合わせを表している。乗用車用タイヤには45%、バス用タイヤには58%のサステナブル素材が含まれているが、商品名はまだ決まっていないそうだ。
サステナブル素材は、摩耗したタイヤ、包装ごみ、廃プラスチック、植物性廃棄物などを再加工した素材を指す。生成した再生カーボンブラック、ヒマワリ油やバイオ由来樹脂、籾殻性シリカ、再生スチールに天然ゴムを加えて成型したものが、「サステナブル素材を含有したタイヤ」になるというわけだ。サステナブル素材を用いても現行のタイヤと性能は同等ということで、これは確かに環境負荷低減を実現できそうだ。ミシュランでは加工過程を調理に例えた説明動画を公開しているので、視聴してみるとイメージしやすくなるだろう。
どんなタイヤが普及していく?
ミシュランは2030年に40%、2050年に100%の「持続可能なタイヤ」を生産するため、これまでにないサイクル(設計・製造・輸送・使用・リサイクル)を生み出そうとしている。以前にも紹介した乗用車・ミニバン向けのエアレスタイヤも、今年からシンガポールの公道での実証実験が始まり、次世代タイヤがいよいよ一般市場に投入されるのではないかという期待が高まっている。いったいどのようなタイヤがこれから主流となっていくのか、実に楽しみだ。