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クルマ最終更新日:2023.08.14 公開日:2023.04.27

これがフェラーリ初のSUVだ! 予約殺到の「プロサングエ」に初試乗

フェラーリ初の4ドアモデル「プロサングエ」にイタリアで試乗した。SUVになった跳ね馬の魅力を、小川フミオがお届けする。

文=小川フミオ 写真=フェラーリ

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初の4ドア・フェラーリ

静止から時速100kmまでを3.3秒で加速する

静止から時速100kmまでを3.3秒で加速する

 フェラーリが初めて送り出した4ドアモデル「プロサングエ」に乗りました。2023年2月の終わりにフェラーリが用意してくれた、イタリア北東部の山地、東アルプス山脈のドロミーティが、今回の”舞台”です。

驚くほど運転しやすいクルマ、それがプロサングエです。「ファミリー」という言葉がフェラーリの開発者が出ていたぐらいで、スキーリゾートとしても人気あるドロミーティも似合っていました。

当初、フェラーリは、ドロミーティの積雪路でもドライブさせてくれようと思っていたようですが、23年は記録的ともいえる暖冬。スノードライブは、テストドライブのためにあえて作ったスキー場の一角に限られてしまいましたが、ミシュラン製スタッドレスタイヤ(23インチのスタッドレスはかなりレア)を履いたモデルは、スポーツモードでも低ミュー路面を難なくこなしていました。

65度のバンク角をもつV12エンジンが前車軸より後ろに搭載され、重量配分は前後で49対51を実現

65度のバンク角をもつV12エンジンが前車軸より後ろに搭載され、重量配分は前後で49対51を実現

 前車軸とキャビンのあいだに搭載(フロントミドシップ)された12気筒エンジンで組み合わされる4WDシステムは、2016年発表のフェラーリ「GTC4ルッソ」で使用されていたものの進化形で、前後のトルク配分を司る「Eディフ」(電子制御ディファレンシャルギア)と「F1-Trac」(トラクションコントロール)などで構成される「4RM-S」と呼ばれるもの。

4WDシステムの制御ロジックについては、プラグインハイブリッド+4WDのハイパースポーツカー「SF90ストラダーレ」と同じものが採用されており、「812コンペティチオーネ」のために新開発された後輪操舵システムも搭載されています。

こだわりのアクティブサスペンション

4WDシステムは、GTCルッソのものを改良し、フロントのトルクベクタリング、電子制御式ディファレンシャルギア、後輪操舵システムなどがサイドスリップアングルコントロールで統合制御される

4WDシステムは、GTCルッソのものを改良し、フロントのトルクベクタリング、電子制御式ディファレンシャルギア、後輪操舵システムなどがサイドスリップアングルコントロールで統合制御される

 後輪駆動が主体で、しかも最大トルクは716Nmと驚くべきスペックを誇るプロサングエ。スポーツモードに入れたまま、アクセルペダルを強めに踏むと、タイヤは一瞬グリップを失いかけます。

すると、すぐに駆動力可変システムと、ブレーキシステムが介入。グリップは即座に回復し、車体は安定します。後輪操舵システムもおそらく安定性に寄与してくれているのでしょう。

いっぽう、ドロミーティの山岳路のドライ路面では、軽快なドライブが堪能できました。アクセルペダルが重めの設定ということもあって、カミソリにたとえるような加速性ではありません。どちらかというと、トルクの出方はマイルド。

それでも先述のとおり、大トルクですから、たとえ最大トルクの発生回転数がレースカーなみの6250rpmでも、1500rpmも回っていれば、じゅうぶん。結構な急勾配の上りだろうと、軽くアクセルペダルを踏んでいるだけで、後輪が車体をぐいぐいと押し出してくれます。

車体各所には空気を効果的に出し入れするスロットが空いていて、空気抵抗を抑えたり冷却効率を高めている

ダンパーを48ボルト電気モーターで制御するアクティブサスペンションシステムは、コーナリング性能を劇的に引き上げたと謳われる

 ステアリングホイールを切ったときの車体の動きは、ウルトラクイックでないけれど、じつに安定しています。「電気モーターを使ったアクティブサスペンションが完成しなければこのクルマは出さなかった」とは、かつてエンジニアリングのトップのジャンマリア・フルジェンツィ氏が語ってくれたことです。

カーブを走り抜けていくとき、車体のロールは抑えめ。さきにウルトラクイックではないとしましたが、車両とドライバーの一体感は、スポーティという表現がぴったりです。アクティブサスペンションが働いて、車両の動きに合わせてロールセンターを最適に制御するというのは、このことかと、1.6メートル近い全高のプロサングエを操縦しながら感心しました。

後席でリラックスできる唯一無二のフェラーリ

SF90ストラダーレで採用されたデザインテーマをベースにしたコクピットは居心地がよい

SF90ストラダーレで採用されたデザインテーマをベースにしたコクピットは居心地がよい

 ホイールベースが3018mmあり、ボディ全長は4973mm。余裕あるサイズで、前後に身長175cmの人間が座っても、足元に余裕が感じられます。後席シートは、まるでスポーツカーそのもののバケットタイプなのは、「どの席も運転席と同じフィーリングを」というフェラーリの考えかたを反映したものだそうです。

前席より少し後席は、着座位置を高めにして、視界を確保しています。視線を上に上げるとスイッチで透過率が変えられるグラスルーフを通して青空と山あいの景色が見えました。後席も電動でバックレストの角度が調節できるため、リラックスしていられます。フェラーリで、後席でリラックスしていられるなんて、2022年までは想像もできませんでした。

後席スペースは175cmの身長にはじゅうぶんなスペースがあり、シートはバックレストが電動で角度を変えられる

後席スペースは175cmの身長にはじゅうぶんなスペースがあり、シートはバックレストが電動で角度を変えられる

 価格は4760万円。ただしお金だけあっても、プロサングエのウェイティングリストに名前を載せるのは、なかなか難しいようです。世界的に予約希望が殺到していることについて、ドロミティのホテルでの質疑応答の場で、「買えるんでしょうか」という質問が出ました。

フェラーリのマーケティング担当者の答えは「限定モデルではありませんので」というもの。希望を持っていれば、ということでしょうか。発売されたとたんに伝説的になっているのだなあと、私は感心させられました。

フェラーリ プロサングエ|Ferrari Purosangue
ボディサイズ:全長4973×全幅2028×全高1589mm
ホイールベース:3018mm
車両重量:2033kg
駆動方式:4WD
総排気量:6496cc
エンジン:V型12気筒ガソリン
最高出力:725PS(533kW)/7750rpm
最大トルク:716Nm(73.0kgfm)/6250rpm
トランスミッション:8段AT(DCT)
最高速度:310km/h以上
0-100km/h加速:3.3秒
価格:4760万円

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