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最終更新日:2022.12.12 公開日:2022.12.12

横浜の開かずの踏切5か所が消える? 相鉄線の一部地下化が始まる

相模鉄道は、現在「相模鉄道本線の連続立体交差事業」を進めている。今回着手したのは、横浜市の鶴ヶ峰駅周辺の線路を地下化する工事だ。これにより近隣住民の大きな問題となっていた開かずの踏切5か所がなくなり、大幅な交通渋滞の解消が見込まれている。

文=高田ひかる

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「相模鉄道本線の連続立体交差事業」が始まる

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 相鉄本線は、横浜~海老名間の24.6㎞を結ぶ首都圏における主要路線のひとつだ。1日あたりの平均利用人数は50万人で、多くの人が通勤通学に利用している。

 今回、地下化の対象となった路線にある踏切は、ピークの時間ともなると、最大で55分間に1度も開かないという。その問題を解決すべく、大きなプロジェクトが動き出した。

連続立体交差事業の着工式

「相模鉄道本線の連続立体交差事業」の着工式のようす。

 1126日に横浜市の旭公会堂で「相模鉄道本線の連続立体交差事業」の着工式が行われた。

 着工式には、前内閣総理大臣の菅義偉と国土交通省の斉藤大臣などが登場した。斎藤大臣は、「鉄道を地下化する本事業による様々な課題の解消に加え、本事業とまちづくりを一体的に進めることで、魅力と活気にあふれる地域になることを期待しています。」と祝辞を述べた。

連続立体交差事業って何?

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 全国には、電車が通過する通勤通学などのピーク時間に、道路を40分以上遮断している、いわゆる「開かずの踏切」が存在する。

 連続立体交差事業は、鉄道を連続的に高架化もしくは地下化して、複数の踏切を一度になくす事業のこと。全国でこれまでに約160か所で進められ、約1700か所の踏切が除去されている。

 開かずの踏切をなくすことにより、交通渋滞の解消や、踏切事故を無くすことに繋がる。また、鉄道で分断されている町と道路が繋がることで、地域活性化が期待されている。

相鉄線の「開かずの踏切」問題

(c)宮岸孝守 – stock.adobe.com

 相鉄本線では、2021年も連続立体交差事業を行っていた。場所は、横浜駅から3駅離れた天王町駅~星川駅の約1.9㎞区間だ。

 線路が高架化されたことで、保土ヶ谷区の中心部に9か所あった「開かずの踏切」が取り除かれた。それにより、最大55分間の踏切遮断による渋滞が解消され、町の行き来がスムーズになったという。

 今回は、そこからさらに3駅離れた、西谷駅から二俣川駅までの間の約2.8㎞区間を地下化する。この区間には踏切が10か所あり、そのうち5か所が「開かずの踏切」と言われている。

「相模鉄道本線の連続立体交差事業」が行われる鶴ヶ峰駅周辺の地図。

地下化工事が開始

 地下化の工事は、二俣川駅東側の保土ヶ谷バイパス付近から、西谷変電所付近まで行われる。線路は、入り口部分を除き、大部分は地下へトンネルが掘り進められる。

 これまで地上にあった鶴ヶ峰駅は、地下に新設されることになる。

「相模鉄道本線の連続立体交差事業」の図。線路を地下化する工事が行われる。

工事が終わるのはいつ?

 全ての工事終了は、11年後の2033年を予定している。

 鶴ヶ峰駅周辺の道路では慢性的に渋滞が発生していた。今回の連続立体交差事業が完了すると、道路の交通渋滞が大きく緩和するはずだ。その期待は大きい。

参考資料=相模鉄道、横浜市、国土交通省

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