走る前に予習! 首都高・横浜北西線利用マニュアル:横浜青葉IC・JCT編
3月22日(日)に開通した、首都高・神奈川7号横浜北西線。同路線は両端に横浜港北と横浜青葉のふたつのIC・JCTがあるが、どちらも少々複雑な構造をしている。そこで事前に予習できるよう、首都高が公開している動画を活用して利用マニュアルとしてまとめてみた。ここでは横浜青葉IC・JCTを取り上げる。これを読めば、迷わず横浜北西線に乗れるはずだ。
横浜だけでなく、首都圏そのものの高速道路ネットワークを大きく進化させるとして期待されている首都高・神奈川7号横浜北西線(K7北西線)。その西側(内陸部側)にあるのが、厚木街道(国道246号)およびE1東名高速と接続する横浜青葉IC・JCTだ(画像1・2)。
ここでは、YouTube「首都高速道路株式会社」チャンネルで公開されているK7北西線関連の動画のうち、横浜青葉IC・JCTの利用を想定したCG走行シミュレーション動画を、シチュエーション別に分類して掲載した。
動画は、走行時に実際に見える様子をドライバー視点で模擬した内容となっており、同時にどの地点を走行しているのかをワイプのナビゲーションマップで確かめられるようにもなっている(画像3)。横浜青葉IC・JCT関連の動画は全6本あり、走行時の注意点も合わせて解説した。
【K7北西線(下り)⇒東名高速】
●動画3:K7北西線(下り)⇒東名高速(上り・東京方面)
●動画4:K7北西線(下り)⇒東名高速(下り・静岡方面)
【東名高速⇒K7北西線(上り)】
●動画5:東名高速(上り・静岡方面)⇒K7北西線(上り)
●動画6:東名高速(下り)⇒K7北西線(上り)
【K7北西線⇔一般道】
●動画7:K7北西線(下り)⇒横浜青葉IC出口(一般道)
●動画8:横浜青葉IC入口(一般道)⇒K7北西線(上り)
円環と3本のラインで構成される横浜青葉IC・JCT
各動画の解説に入る前に、まずは横浜青葉IC・JCTそのものについて説明しておこう。まず横浜青葉JCTは、K7北西線と東名高速が接続するJCTだ。ただし北側の1方向に横浜青葉ICがあり、厚木街道など一般道と接続している。画像4のような特徴を持った形状をしている。
横浜青葉IC・JCTは、K7北西線(下り)を横浜港北IC・JCT側から来ると、K7北西線が3本に分かれていく。左はK7北西線(下り)⇒東名高速(上り・下り)、中央はK7北西線(上り・下り)⇔一般道(横浜青葉IC出入口)、右は東名高速(上り・下り)⇒K7北西線(上り)の連絡路だ。すべての連絡路が東名高速をオーバーパスするが、連絡路同士も交差しており、2層から3層構造になっている区間も少なくない。
また現在「首都高速道路会社」チャンネルでは、2020年2月末に撮影された横浜青葉JCTの最新空撮動画も2本公開されている。動画1は、横浜青葉JCTの上空、東名高速の脇から横浜青葉IC方向を向いて撮影したものだ(画像1とは反対方向からの撮影)。画面中央を通っている高架が、K7北西線(上り・下り)と横浜青葉IC出入口をつなぐ連絡路(車線は上下ひとつずつ)。右下に見えるのが東名高速だ。10秒過ぎにカメラが左にパンし、横浜青葉本線料金所方向に切り替わる(画像1とほぼ同じ向きになる)。
そして動画2は、もっと南側、料金所と北八朔地区のトンネル(地下区間)出入口との中間付近からK7北西線上を北へ向かって飛行し、横浜青葉JCTの手前まで撮影した内容となっている。方向は動画1の冒頭約10秒と同じで、横浜青葉ICを向いての撮影となっている。
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走行シミュレーション動画を紹介
K7北西線(下り)⇒東名高速は左側の横浜青葉本線料金所を通行
まずは、K7北西線(下り)から東名高速の上下線に接続する走行シミュレーション動画2本を紹介する。K7北西線(下り)⇒東名高速の上下線どちらにも共通するのは、K7北西線の横浜青葉本線料金所を通行する際は、一番左のふたつを利用する必要があるということだ(画像5)。K7北西線(下り)⇒東名高速の連絡路と、K7北西線(下り)⇒横浜青葉IC出口への連絡路は、料金所の手前から分岐が始まっているからである。
料金所を通過したあとは、2車線ある連絡路が途中で分岐し、左車線は東名高速の下り線に、右車線は上り線に合流する。東名高速をオーバーパスするため、2車線区間は5%の上り勾配(10m進むと50cm高くなる)が続くので、サグ区間といえる。速度低下は極力抑えるようにしよう(画像6)。頂点を過ぎた先で分岐となる。
K7北西線(下り)⇒東名高速(下り)は連絡路が270度も旋回
まずは、K7北西線(下り)から東名高速(下り)へ乗る際の動画だ(動画3)。ルートは、画像7の赤のラインの通り。特徴は、長い右カーブでほぼ270度の旋回をしてから東名高速の下り本線に合流すること。急カーブに加えてアップダウンも多く、さらには横浜青葉IC入口からの連絡路と合流したりと、走行する際は配慮すべきポイントが多い連絡路だ。
料金所を通過してからの注意点は、2車線ある連絡路の左車線に移る必要があること。右車線のまま進んでしまうと、東名高速の上り線に合流して東京方面へ向かってしまうからだ。連絡路の分岐は、5%の上り勾配の頂点を過ぎた先で始まる(画像8)。今度は6%の下り勾配となり、なおかつ右への急カーブとなるので、十分な減速が必要だ。
分岐後の6%の下り勾配は、K7北西線(上り・下り)⇔横浜青葉IC出入口を結ぶ連絡路をアンダーパスするためだ。また右カーブが長く続くが、これは上り線の方に向いている連絡路を180度旋回させて下り線に合流できるようにするため(画像9)。K7北西線から見た場合、最終的にはおおよそ270度も旋回する形となる。
右急カーブが終わるころ、横浜青葉IC入口から東名高速(下り)への連絡路が左から合流してくる(画像10)。その目と鼻の先では、K7北西線⇒東名高速の連絡路(自分自身)の2車線区間をアンダーパス。そこを過ぎると、東名高速(下り)本線との合流だ。
K7北西線(下り)⇒東名高速(上り)の連絡路は見通しが利かない区間も
続いては、K7北西線(下り)から東名高速(上り)へ乗る際の動画だ(動画4)。ルートは画像11の赤のラインの通り。ほかの連絡路を4本も連続してアンダーパスする上に、アップダウンもあることから、先を見通しにくい区間があることを頭に入れておこう。
料金所通過後の2車線区間で注意すべき点は、右車線を走行すること(画像12)。K7北西線⇒東名高速(下り)で説明したように、分岐後、左車線は反対方向の東名高速(下り)に合流してしまうので間違えないようにしたい。
分岐後は、4本の連絡路を連続してアンダーパスすることになる。連絡路の橋脚と、アップダウンが相まって、この区間は見通しが利かない(画像13)。
4本目の横浜青葉IC入口⇒東名高速(下り)の連絡路をアンダーパスしてしばらくすると、横浜青葉IC入口⇒東名高速(上り)の連絡路が左から合流。そして東名高速(上り)本線には右に合流することとなる。
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続いて東名高速⇒K7北西線(上り)への動画
東名高速(上り)⇒K7北西線(上り)は急カーブ・急勾配・分合流が連続
次に紹介するのは、東名高速からK7北西線(上り)へ乗る際の動画だ。まずは東名高速(下り)から取り上げる。K7北西線(下り)⇒東名高速(下り)ほどではないが、この連絡路も右への急カーブが長く続くのが大きな特徴だ(画像15)。
注意すべきは、まず東名高速(上り)から連絡路が左に分岐した直後、さらにもうひとつ分岐があることだ。ここでは右に進もう。左の連絡路に入ってしまうと、横浜青葉IC出口へ向かってしまうので、間違えないようにしたい。
ふたつ目の分岐のあとは東名高速本線をオーバーパスするために4%の上り勾配となり、さらに右への急カーブが待つ。カーブの途中で頂点を越えて5%の下り勾配となり、勾配がなくなるにつれてカーブも終了。そして、東名高速(下り)からの連絡路が右から合流してきて、K7北西線の横浜青葉本線料金所までは2車線区間となる(画像17)。
横浜青葉本線料金所の左レーンは一般専用のため、ETC専用レーンは右レーンのみ。そのため、ここで2車線の連絡路が合流するイメージだ(画像18)。また料金所を通過してK7北西線の本線に入ると、横浜青葉IC入口からの連絡路とも合流となる。合流が続くので、周囲の他車の動きをよく確認しながら走行しよう。
東名高速(下り)⇒K7北西線(上り)は分岐の連続
東名高速(下り)⇒K7北西線(上り)の連絡路は、画像19の通り、ほかの連絡路に比べると緩い左のカーブとなっている。アップダウンもほかの連絡路に比べると少ないといえるだろう。
注意すべきは、東名高速(上り)と同様に、本線から左に分岐した直後にまた分岐が現れること(画像20)。この分岐では、右に進むと横浜青葉IC出口に向かってしまうので、左に進もう。
このあとは、東名高速(上り)からの連絡路が合流して2車線となり、横浜青葉本線料金所となるのは東名高速(上り)⇒K7北西線(上り)で説明した通り。料金所を抜けたあとまで合流が続く区間なので、他車の動きをよく確認しながら走るようにしてほしい。
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最後はK7北西線(上り・下り)⇔横浜青葉IC出入口
K7北西線(下り)⇒横浜青葉IC出口(一般道)は最も高い地点を通過
K7北西線(下り)から横浜青葉IC出口を通って一般道へ出る連絡路は、東名高速をオーバーパスするための大きなアップダウンが1回あるものの、画像21の通りに直線に近い緩い逆S字である。
注意すべき点は、トンネル(地下区間)を出たあと、東名高速へ向かう連絡路と、横浜青葉IC出口へ向かう連絡路とに分岐するので、右車線を進むこと。
ちなみに横浜青葉本線料金所では、横浜青葉IC出口へ向かう連絡路にだけゲートなどの施設が何もない(画像22)。これは、首都高が現金車もETC車も入口での先払いシステムを採用しているため、出口において料金所の施設を必要としていないからだ(車載ETCとの通信用ゲートはある)。問題ないのでそのまま進もう。
その先は横浜青葉JCTで最も高い30m強の地点が待つ。動画7では上り勾配の割合は表示されないが、反対方向(横浜青葉IC入口⇒K7北西線(上り))の動画8によれば、ここの上り勾配は4%となっている(動画8では下り勾配)。頂点を過ぎた先の下り勾配の方がきつく、7%だ。
また、横浜青葉IC出口料金所でも、同様にK7北西線(下り)の連絡路だけ施設が何もない(画像23)。これは横浜青葉本線料金所と同じ理由で、首都高は出口で料金の追加を必要としないからだ。なお、東名高速から一般道へ降りてくるクルマも多いため、料金所通過後の合流では他車の動きに気をつけること。首都高の出口は1レーンのみで、最も右側に位置する。
なお、横浜青葉IC出口を出て先に待つのが厚木街道(国道246号)だ。2回の分岐があり、最初の分岐の左レーンはIC周辺の市が尾・藤が丘方面用。右レーンが厚木街道に向かう。その先でふたつ目の分岐があるが、左が厚木街道の下り線(厚木方面)へ、右が上り線(渋谷方面)への合流となる。
横浜青葉IC入口でK7北西線(上り)に乗るには最も右のレーンを利用
厚木街道から横浜青葉IC入口へのアクセスは、注意が必要だ。厚木街道のこの区間はバイパスになっており、横浜青葉IC出入口との接続は連絡路によるJCT構造になっているからである。分岐する連絡路を間違えないようにしよう。
また市が尾・藤が丘地域から横浜青葉ICを利用したい場合は、もうひとつの連絡路が用意されている。横浜青葉IC出口から厚木街道への分岐とは逆となり、まず厚木街道の上下線が合流したあとに、市が尾・藤が丘方面からの連絡路が合流する(画像24・25)。横浜青葉IC入口は、神奈川県内でも屈指の幹線道路である厚木街道と接続し、さらにもう1方向からも連絡路が集まる構造なので、それだけ通行車両も多いのだ。
そして横浜青葉IC入口は4レーンあるが、そのうちの左から3レーンが東名高速のものだ。K7北西線(上り)用レーンは最も右側の1レーンのみ(画像26)。緑の舗装路面(路面標示)や、ほかの3つとは異なる料金所施設の形状などを頼りに間違えないように入っていただきたい。特に、市が尾・藤が丘方面からの連絡路でアクセスした場合、横浜青葉IC入口の最も左側に合流するので、一気に右側までいく必要がある。慎重な運転を心がけよう。
横浜青葉IC入口を入るとすぐに7%という上りの急勾配となり、東名高速本線をオーバーパスする。下り勾配はやや緩やかではあるが4%だ。その後、横浜青葉本線料金所となる(右レーンがETC専用、左レーンがETC/一般)。また左側には東名高速からの料金所があり、通過すると合流することになる(画像27)。入口手前から合流が続くので、他車の動きに目を配るようにしよう。
今回はK7北西線⇔東名高速の往来が多くなるであろうことを想定し、まずK7北西線(下り)⇒東名高速、続いて東名高速⇒K7北西線(上り)という順で解説した。K7北西線⇔東名高速の往来は、途中で1~2か所ある分岐さえ間違えなければ目的の方面へ向かう高速道路に乗れるはずだ。
しかし最も間違えやすいのが、最後に掲載したK7北西線(上り・下り)⇔横浜青葉IC出入口(一般道)との往来かもしれない。特に、一般道からK7北西線(上り)へのアクセスは慣れないと間違えて東名高速に乗ってしまう可能性がある。
横浜青葉IC自体は以前から東名高速のICとして使われているので、そこにたどり着くこと自体は難しくはないだろう。ただし、入口に関しては慣れが逆に間違いを呼ぶ可能性もある。横浜青葉IC入口は4レーンのうち左から3レーンは東名高速のものなので、同ICを頻繁に利用しているドライバーは特に注意しよう。
とにかくK7北西線(首都高)に乗りたい場合は、レーンは「一番右」にあることを覚えておくこと。路面の舗装の緑が目立つので、それを見て首都高のレーンであることを思い出すようにしてもらいたい。