気象庁の大雨危険度分布通知サービスを活用。早めの避難で身を守ろう。
浸水害の危険を察知し、安全なうちに避難するために気象庁がWebサイトで提供している「危険度分布」が、新たにプッシュ通知サービスを5つの事業者と共同で開始した。これにより、土砂災害や洪水、浸水といった大雨災害による危険度の変化をリアルタイムで自動的に受け取ることが可能となった。
自主的避難の判断に活用できる「危険度分布」
土砂災害や洪水災害から身を守るために必要なのは、正確な情報を得た上で安全なうちに避難することだ。その情報を得るために便利なのが、気象庁が提供しているWebサイト「危険度分布」。この「危険度分布」は、土砂災害、浸水害、洪水の危険度をリアルタイムで予測し、危険度を知らせてくれる。危険度の判定には、避難にかかる時間を考慮して、それぞれ1~3時間先までの予測値が用いられている。例えば、土砂災害の場合は2時間先までの雨量及び土壌雨量指数、浸水害の場合は1時間先までの表面雨量指数、洪水の場合は3時間先までの流域雨量指数を用いており、警報等に到達するかどうかを測定するものだ。
その指数によって、危険度を5段階で判定しており、それは以下の5つの色に分けて表示される。相当する警戒レベルごとに取るべき行動指針が示されているので、あわせて紹介しよう。
【「危険度分布」の危険度】
※洪水警報の危険度分布の場合、警戒レベル1は「水色」
プッシュ通知で危険度の変化をリアルタイムで知らせてくれる
気象庁では、遅くとも警戒レベル4が危険度分布の地図上に出現した時点で、速やかに避難を開始することが重要だとしている。そのためには、最新の情報をリアルタイムで得る必要があるのだが、この危険度分布の情報は、利用者がWebサイトにアクセスしないと最新情報を得ることができなかった。しかしこの度、気象庁が5つの事業者とスタートさせたプッシュ通知サービスを利用すれば、事前登録した地域が警戒レベル4に到達した時に、自動的にスマートフォンで通知を受け取ることが可能となる。
今回のサービス開始に至る経緯には、2018年に開催された「防災気象情報の伝え方に関する検討会」で、「大雨・洪水警報の危険度分布」の危険度(色)が変わっても、すぐに気づくことができず使いづらいと指摘されたことがある。 そして、「危険度分布」の情報が確実に伝わることを目的に、気象庁が2019年5月にプッシュ通知サービスを実施する協力事業者を募集した結果、以下の5つの事業者が決定したのだ。
【「危険度分布」プッシュ通知サービスの事業者】
アールシーソリューション株式会社:総合防災アプリ「PREP(プレップ)
ゲヒルン株式会社:防災アプリ「特務機関NERV防災」
株式会社島津ビジネスシステムズ:AR天気予報アプリ「お天気JAPAN」
日本気象株式会社:Webサイト「お天気ナビゲーターWEB」
ヤフー株式会社:総合アプリ「Yahoo!JAPANアプリ」
基本的な利用方法は、各アプリかWebサイトから、希望の地域や配信時間などを登録することで完了する。例えば、Yahoo!JAPANアプリで登録設定をする場合は、以下の手順で登録完了となる。
【Yahoo!JAPAN 通知の設定】
①「Google Play」もしくは「App Store」からアプリをダウンロード
②端末の設定>通知で「Yahoo!」を選択
③「通知の許可」をONに設定する
【Yahoo!JAPAN アプリの地域設定】
①画面右下の「その他」から「設定」を選択
②「天気・地域登録」を選択。登録したい地域を県、市の順に登録する
自身の地域を登録することはもちろんだが、離れた場所に暮らしている家族の地域に設定すれば、遠方からでも速やかに避難を呼びかけることにも活用できる。各社の詳しい利用方法については、それぞれ公式Webサイトで確認できるので、自分に合ったアプリを選ぶことをおすすめしたい。また、プッシュ通知で得た危険度情報を避難に活かすためにも、日ごろから避難所や避難経路について確認しておくとよいだろう。