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最終更新日:2020.08.12 公開日:2020.08.12

あおり運転は罰則強化で減るのか?改正道交法施行後の意識調査結果。

2020年6月30日の改正道路交通法施行を受け、あおり運転は減ったと感じられるのか。全国の男女ドライバーを対象に、「クルマを運転する際の意識変化」に関する調査結果が発表された。調査結果からは、あおり運転を未然に防ぐためのドライバーの意識の変化が垣間見えた。

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「あおり運転」についての改正道路交通法、9割以上が内容把握

© yamasan – stock.adobe.com

 630日に施行された改正道路交通法によって、あおり運転は「妨害運転罪」として新たに規定された。それにより、車間距離不保持や急ブレーキ、割り込み運転などの10類型のあおり運転が妨害運転とみなされ、罰則が科せられることとなったが、その結果、クルマをよく運転するドライバーの意識に変化があったのだろうか。カーリース大手(中堅)のナイル株式会社が発表した調査結果が興味深いので紹介しよう。


出典:ナイル株式会社

 まず、施行された改正道路交通法については、実に9割以上がいずれかの内容について把握しているという結果が出た。この改正が、多くのドライバーにとって関心がとても高いことが窺える。

出典:ナイル株式会社

 その上で、これら把握している人たちに、運転時の意識変化の有無を質問すると、「意識が変わった」と回答したのは50.8%。半数近くの人は「意識は変わらない」と回答していることから、あおり運転は他人事だと感じているドライバーも多そうだ。ただ、あおり運転については、故意ではなくても、認識の違いから加害者になってしまうこともある。他人事とはとらえないで、自分の運転も見直すことが大切である。

出典:ナイル株式会社

 運転時に意識していることを聞いてみると、「安全運転」が9割以上を占めた。次点に5%と少ないながら、「ドライブレコーダーの設置」となっている。昨今のあおり運転事故の増加により、対策としてドライブレコーダーが話題となった結果といえそうである。


出典:ナイル株式会社

 「安全運転」を心がける上で、どのようなことを具体的に意識しているのかについても見てみよう。最も多かったのは「車間距離」が42%で、車間距離の短さが事故やトラブルの原因になりやすいことは、理解されているようだ。また、具体的な意見を聞いた内容をみてみると、「人によって感じ方が異なるので車間距離には気を付けたい」、「他人を不快にさせる運転はしない」といった、相手の立場に立って考えることを重視するものがいくつもみられた。

危険な運転の減少を感じる人は約4

出典:ナイル株式会社

 改正道路交通法施行後に「他人の運転に変化を感じた」と回答した人は22.1%で、決して多い割合ではなかった。過半数以上の人が「意識が変わった」と回答しているが、実際の効果はまだ感じられていないようである。

出典:ナイル株式会社

 法律の改正で変化を感じている人は少ないものの、変化を感じたとすればどこなのかを聞いた質問では、「危険な運転をするクルマの減少」と「車間距離を気にした運転の増加」がともに3割を超えた。具体的な意見としては、「無理な割り込みが減った」、「以前はあおられていると感じることが多かったが、車間距離をあけてくれるクルマが増えたと思う」など、周りの運転の変化に安堵している声も見受けられた。そして、「あおり運転と感じる頻度の減少」という回答も約2割あることから、安全運転が増えているという認識もでてきているようである。

 警視庁が発表した2019年の道路交通法違反の取り締まり状況によると、高速道路における「車間距離不保持」の摘発件数は13,787件で、前年比16.9%増であった。年々増加するあおり運転の社会問題化が今回の道交法改正の契機となったわけだが、この意識調査からは、道交法改正の効果が現れつつあることが分かった。

【「改正道路交通法についての意識調査」概要】
調査主体:ナイル株式会社
調査地域:全国
調査対象:クルマをよく運転する男女1,428人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2020年7月6日~7月17日

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