2020年国内発売予定の日本車まとめ:日産・マツダ・スバル・スズキ・ダイハツ・三菱編
2020年1月6日現在で、日本車メーカーが発表している、今年の国内新型車の発売情報を集めてみた。第2弾として、日産、マツダ、スバル、スズキ、ダイハツ、三菱の6メーカーの合計10車種14台+αを紹介する。
今回紹介するのは、新規モデル、フルモデルチェンジ車、マイナーチェンジ車、追加グレードなどである。
日産は「リーフ」のマイナーチェンジなど3車種4台+αが発売予定
日産はマイナーチェンジモデルが3車種、特別仕様車が1車種、そして特別扱いの「+α」の1車種がある。
1~2月・最上級セダン「シーマ」がマイナーチェンジ
1988年登場の初代は「シーマ現象」といわれるほどのブームとなった日産の最上級セダン「シーマ」。2012年5月に発売となった現行の5代目が、この1~2月にこのマイナーチェンジを受ける(画像1)。
今回は予防安全機能の強化がメイン。衝突被害軽減ブレーキ「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」、前後進の誤発進抑制「踏み間違い衝突防止アシスト」、前走車や対向車の防眩のためにヘッドランプのハイ/ロー自動切り換え機能「ハイビーム アシスト」などが全車に標準装備される。そのほか、運転支援機能も強化され、全グレードにACC(※1)機能「インテリジェント クルーズコントロール」の標準装備が設定される。
1~2月・高級セダン「フーガ」がマイナーチェンジ
高級セダン「フーガ」は2004年10月に初代が発売された高級セダンで、現行の2代目は2009年11月に登場した。今回は、「シーマ」と同じタイミングでマイナーチェンジを受け、予防安全機能や運転支援機能の向上が図られる(画像2)。発売は1~2月の予定だ。
予防安全機能は「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」や「踏み間違い衝突防止アシスト」、「ハイビーム アシスト」などが全車標準装備となる。そして運転支援機能としては、「インテリジェント クルーズコントロール」が全グレードに標準装備される。
さらに「フーガ」には、2台前を走る車両を検知し、前方に潜む危険に対して注意を促す「インテリジェント FCW」や、発進・加速時に過剰な燃料消費を抑制してエコ運転を支援する「ECOペダル」なども全グレードに標準装備。このほか、これまではブランドバッジがインフィニティだったが(北米などではインフィニティ「Q70」の車名で販売)、今回のマイナーチェンジで日産に変更となる。
2月・EV「リーフ」がマイナーチェンジ
国内では2010年12月に初代が発売され、現行の2代目は2017年10月に登場したEV「リーフ」。現在、初代と2代目の合計で世界累計40万台以上、国内累計13万2000台以上を販売しており、世界で最も販売されているEVとなっている。
今回のマイナーチェンジ(画像3)では、まず運転支援機能「プロパイロット」の性能向上が図られ、下り坂での設定速度保持などが可能となる。さらに、駐車のための全操作を自動で行う「プロパイロット パーキング」の制御を最適化し、車庫入れや前向き駐車に要する時間を約20%短縮したという。
そして安全面では、車線変更時の斜め後方に位置する車両との接触回避をアシストする「インテリジェント BSI(後側方衝突防止支援システム)」が新たに採用されるとした。また、NissanConnectに新サービスが追加され、「ドアtoドアナビ」に目的地に合わせて途中の充電プランを提示するEV専用機能を初搭載。さらに「OTA(Over The Air)自動地図更新」や、車内がWi-Fi環境になる「docomo In Car Connect」も採用されるという。
そして今回のマイナーチェンジに合わせ、日産のカスタマイズカー部門であるオーテックジャパンから販売されている「リーフ AUTECH」(画像4)も、同じく2月にマイナーチェンジを実施する予定だ。
1月・レゴから史上初の日本車「日産 GT-R ニスモ 76896」が登場!
そして日産の「+α」の1台。レゴは世界中のスポーツカーやスーパーカー、さらにはクラシックカーなどを発売しているが、実はこれまで国内メーカーとのコラボレーションは実現していなかった。満を持して1月にレゴ・スピードチャンピオンシリーズに登場するのが、初の日本車である「日産 GT-R ニスモ 76896」だ(画像5)。
「日産 GT-R ニスモ 76896」は、NISMO(※2)によりパフォーマンスを高められた「GT-R NISMO」2020年式を商品化したもの。カラーリングは、2016年にドリフトのギネス記録を獲得した際のものが採用されている。パーツは298ピースあり、重量は193g。レゴに慣れていなくても1時間ほどで完成させられるという。スペックは、「最高速度は手の力加減次第、燃料は創造力、航続距離は無限、楽しい時間はエンドレス」を誇る。価格はオープンだ。
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続いてはマツダとスバル
マツダは「CX-5」など1車種を発売
マツダは1車種のマイナーチェンジを行うのと同時に、その車種においてアクセサリーパッケージ装着車と特別仕様車を1台ずつ追加する。
1月17日・クロスオーバーSUV「CX-5」のマイナーチェンジを実施すると同時に特別仕様車などを追加
初代は2012年2月に国内で発売され、現行の2代目は2017年2月に誕生した、マツダのミドルクラス・クロスオーバーSUV「CX-5」。マツダのグローバル販売台数の1/4を占めるという基幹車種だ。
1月17日から発売となるマイナーチェンジモデル(画像6)は、AWD車に「オフロード・トラクション・アシスト」を搭載し、悪路走破性を強化する。具体的にはAWDとトラクション・コントロール・システムを協調させる機構で、悪路でスタックが発生した場合でも、接地輪へ伝達する駆動力を最大化することで脱出できるようにするというものだ。
このほか、今回のマイナーチェンジではボディカラーに新色のポリメタルグレーメタリックも追加(画像6)。センターディスプレイの大型化(7→8インチ)や車内の静粛性(吸音性)のアップも施された。
そしてマイナーチェンジモデルの発売と同時に、アクセサリーパッケージ「TOUGH-SPORT STYLE」装着車(画像6)が新たに設定。SUVらしい力強くタフな印象を演出するパーツや、アウトドアでの使い勝手のいいアクセサリー類が装着・装備される。エクステリアにはフロント/リアアンダーガーニッシュ、ルーフレールなど。車内にはオールウェザーマットやラゲッジトレイなどである。
さらに、特別仕様車「Silk Beige Selection(シルク ベージュ セレクション)」(画像7)も追加設定される。この特別仕様車は、上質で肌触りが心地よく、滑りにくく通気性もよいというスウェード調の生地である「グランリュクス」を中心部に使用したハーフレザレットシート(色はシルクベージュ)が大きな特徴だ。そのほか、前席用フットランプ/マップ/ルーム/ラゲッジルームの4か所の室内照明と、フロントフォグランプにLEDを採用。IRカットガラスなども装備した。
スバルは2代目「レヴォーグ」など2車種3台が発売予定
スバルはフルモデルチェンジが1台、特別仕様車が2台だ。
1月23日・クロスオーバーSUV「フォレスター」に特別仕様車が追加
スバルがグローバル戦略車として重視する大型クロスオーバーSUV「フォレスター」。初代は1997年に登場、現行は2018年7月から発売を開始した5代目で、この1月23日にその特別仕様車「X-EDITION」(画像8)が追加される。
ベースとなるのは、2.5L・水平対向4気筒直噴エンジンを搭載するグレードの「Premium」(ガソリンエンジン車の最上位グレード)。エクステリアには、ガンメタリック塗装の18インチ・アルミホイール、ダークメッキ加工が施されたフロントグリルやフォグランプカバーなど、タフさを強調するためのパーツを装備。インテリアに関しては、アウトドアでの使い勝手を高めるため、撥水機能を持つシートとカーゴフロアボードを採用。またカーゴルームランプとリアゲートランプにはLEDが使用されている。
また運転支援機能および予防安全技術も強化されており、カメラを追加して助手席側面や後方などの死角を減らす「EyeSightセイフティプラス」が装備された。
1月23日・ステーションワゴン「レヴォーグ」に特別仕様車が追加
新世代のスポーツツアラーとして、2014年6月に初代が登場したスバルのステーションワゴン「レヴォーグ」。今回追加設定される特別仕様車「2.0GT EyeSight V-SPORT」(画像9)は、2.0L・水平対向4気筒直噴ターボエンジン搭載グレード「2.0GT-S EyeSight」をベースに、内外装を変更した1台だ。エクステリアは、18インチ・アルミホイール、リアオーナメント、ドアミラーをブラックでコーディネート。インテリアは、シルバーステッチの本革巻ステアリング、ピアノブラック調+クロームメッキのインパネ加飾パネルを採用。フロントシートもホールド性の高いスポーツシートだ。
そのほか安全装備は、「ハイビームアシスト(自動防眩ルームミラー付き)」と、後側方警戒支援システム「スバルリヤビークルディテクション」を装備した「EyeSightセイフティプラス」(※3)を備えている。
2020年後半・ステーションワゴン「レヴォーグ」が2代目にフルモデルチェンジ
また「レヴォーグ」は初代が登場して5年以上となり、いよいよフルモデルチェンジが行われる。2代目のプロトタイプ(画像10)が東京モーターショー2019で披露され、日本国内では2020年後半に発売することが発表された。2代目「レヴォーグ」は新世代のスバルの象徴とするために開発されており、「誰もが自分の意志で、運転をどこまでも愉しめる未来」を実現したパフォーマンスワゴンになるという。
2代目の特徴は、まずエンジンが新開発の第4世代にバージョンアップ。1.8L・水平対向直噴ターボエンジンは、加速性能と環境性能を高次元で両立させることを目指して開発が進められている。そしてプラットフォームとして、高剛性に寄与するフルインナーフレーム構造を取り入れた進化型の「スバル・グローバル・プラットフォーム」を採用。エクステリアデザインには、スバルのデザインフィロソフィー「Dynamic × Solid」を深化させ、クルマが持つ価値をより大胆に際立たせるという新デザインコンセプト「BOLDER」となっている。
そして、運転支援兼予防安全機能の「EyeSight」も新世代版が搭載される予定だ。同機能のコア技術であるステレオカメラが新型となり、さらにクルマの前後に合計4つのレーダーを装備。また、高速道路上で利用可能な高精度地図&ロケーター(※4)を活用した新開発の運転支援機能も備えるとしている。そしてスバル国内初としては、コネクティッドサービスも採用される予定だ。
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最後はスズキとダイハツと三菱
スズキは2代目「ハスラー」など2車種3台が発売予定
スズキは1月にフルモデルチェンジ1車種、マイナーチェンジモデル1車種2台が登場する。
1月20日・軽クロスオーバーSUV「ハスラー」が2代目にフルモデルチェンジ
スーパーハイトワゴン(トールワゴン)とSUVを融合させた軽クロスオーバーSUVとして、2014年1月に初代が誕生したスズキ「ハスラー」。1月20日に、丸6年の期間を経て、2代目にフルモデルチェンジする(画像11)。2代目のエクステリアデザインは、「ハスラー」らしさがわかる外見に、アウトドアアイテムから発想を得て機能性を追求したというタフさや力強さを融合させたものとなっている。
エンジンにはNA車用として「R06D型」が新開発され、同様に新開発されたCVT(※5)と共に搭載。マイルドハイブリッド(※6)を全車標準装備し、実用的な速度域における燃費性能の向上と、軽快な走りを両立させたとしたという。そして、軽量と高剛性を兼ね備えたスズキの新世代プラットフォーム「HEARTECT」(ハーテクト)に、環状骨格構造も採用してボディ全体で剛性をアップ。操縦安定性と乗り心地を高めたとしている。
安全面では、夜間の歩行者も検知する衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」に加え、後退時の「後退時ブレーキサポート」を標準装備。さらに、ターボ車にはスズキの軽では初となる全車速でのACCや車線逸脱抑制機能も搭載するとしている。
1月20日・軽スーパーハイトワゴン「ワゴンR/ワゴンRスティングレー」がマイナーチェンジ
1993年9月に新ジャンルの軽スーパーハイトワゴンとして誕生した「ワゴンR」は、2017年2月に現行の6代目が登場した。「ワゴンRスティングレー」は、2003年登場の3代目「ワゴンR」で初めて追加設定された上級モデル。4代目以降の「ワゴンR」にも必ず上級モデルとして「ワゴンRスティングレー」が設定されている。
今回のマイナーチェンジはどちらも外観の変更はないが、一部に新型エンジンを搭載し、安全装備を充実するなど、ビッグマイナーチェンジに近い改良が行われた(画像12・13)。まずNA車用のエンジンとして、2代目「ハスラー」と同じ新開発の「R06D型」と新型CVTを組み合わせたパワートレインを搭載。実用的な速度域の燃費性能を向上させたという。そして安全装備は前方/後方用の衝突被害軽減ブレーキ、後方誤発進抑制機能、リアパーキングセンサーがCVT搭載車に設定された。
ダイハツは軽クロスオーバーの新型車を1車種発売予定
2020年半ば・コンセプトモデル名「TAFT コンセプト」を市販化の予定
ダイハツは、コンセプトモデル「TAFT コンセプト」(画像14)の市販化が1車種予定されている。「Tough & Almighty Fun Tool(タフ&オールマイティ・タフ・ツール)」というコンセプトで、”日常生活からレジャーまでアクティブに使える新感覚の”軽クロスオーバーとしている。2020年半ばを目指して開発中だ。
従来のダイハツの軽自動車にはないコンセプトであることから、おそらくは完全な新規モデルと予想される。開放感あふれるガラスルーフや、フラットで使い勝手のいい荷室スペースなど、”毎日を楽しく過ごせる”装備や機能を多く採用しているという。
この「TAFT コンセプト」は、1月10日(金)から始まる東京オートサロン2020にて世界初公開される予定だ。
三菱は軽スーパーハイトワゴン1車種を発売予定
2019年度内・コンセプトモデル名「SUPER HEIGHT K-WAGON CONCEPT」を市販化の予定
三菱は、コンセプトモデルの市販化が1車種予定されている。東京モーターショー2019で公開した軽スーパーハイトワゴン「SUPER HEIGHT K-WAGON CONCEPT」(画像15)で、発売日は2019年度中(2020年3月末まで)としいる。同車は完全な新型車の可能性もあるが、フルモデルチェンジの可能性も考えられる。後者の場合は、同じ軽スーパーハイトワゴンの「eKスペース/eKスペースカスタム」が予想される。同車は初代の登場から約6年が経過しており、フルモデルチェンジしてもおかしくないタイミングだからだ。
「SUPER HEIGHT K-WAGON CONCEPT」の外見的な特徴は、三菱車らしいSUVテイストを備えていること。フロント部分は、ここ1~2年ほどの間に発売された三菱車の多くに共通するデザインである「ダイナミックシールド」が採用されている。サイドもSUVらしく力強さを意識したデザインとなるようだ。
車内は家族での使用を想定し、クラストップレベルのリアスライドドア開口部を設け、後席の居住空間も最大化したという。そのほか高速道路の同一車線で利用可能な運転支援機能「MI-PILOT」(マイパイロット)を搭載するほか、衝突被害軽減ブレーキ、誤発進抑制などの予防安全技術「e-Assist」(イーアシスト)も装備するとしている。
なお1月10日から始まる東京オートサロン2020において、三菱は「新型軽スーパーハイトワゴン」を披露する予定だ。追加情報がないため、「SUPER HEIGHT K-WAGON CONCEPT」の市販モデルかどうかは現時点では不明だが、その可能性が高いものと思われる。