踏み間違い事故防止へ。東京都が後付け装置9割補助を受付開始。
東京都都民安全推進本部は7月31日、高齢ドライバーによるアクセル・ブレーキペダルの踏み間違い事故などに対する緊急対策として「東京都高齢者安全運転支援装置設置促進事業補助金」の受付を開始した。この制度を利用すると高齢ドライバーが後付け急加速抑制装置を設置する際、費用の9割が補助される。
ペダル踏み間違い防止装置の費用を9割補助
「東京都高齢者安全運転支援装置設置促進事業補助金」は、ペダルの踏み間違いなどによる急加速抑制装置としての機能を有する安全運転支援装置(後付け急加速抑制装置)の設置を推進するための補助金制度。東京都内在住の高齢運転者(2019年度中に70歳以上となる人)が対象となり1割の負担で装置を購入・設置できるよう、取り扱い事業者に対して都が当該費用の9割を補助(補助限度額は10万円/台)するという。対象者の要件は以下の通りだ。
対象となる高齢運転者の要件
・都内在住で、令和元年度中に70歳以上となる人(昭和25年4月1日以前に生まれた人)
・都道府県公安委員会が交付する有効な運転免許証を有すること
・自動車が安全運転装置を設置することが可能なものであること
・装置を設置しようとする自動車が自動車検査証の「自家用・業務用の別」で自家用と記されたものであること
・安全運転支援装置を設置しようとする自動車の自動車検査証上の「所有者の氏名又は名称」又は「使用者の氏名又は名称」に記載されている氏名と、高齢者の運転免許証に記載されている氏名が同一であること。ただし、これらの氏名が同一でない場合は、当該自動車検査証に記載の「所有者の住所」または「使用者の住所」と、当該高齢者の運転免許証に記載の住所が同一であること
申し込み時に店舗で誓約が必要な事項
・自動車税の滞納がないこと
・転売を目的とした安全運転支援装置の設置ではないこと
・暴力団員などでないこと
・装置を設置しようとする自動車は個人の用に供するものであること
ペダル踏み間違いとは
そもそもペダル踏み間違いとは、車の運転中にドライバーがブレーキペダルとアクセルペダルを踏み間違えること。例えば、駐車場でブレーキペダルを踏むつもりが、誤ってアクセルペダルを踏んでしまうと、止まろうとしている意思に反して急発進・急加速をしてしまい事故に繋がる。
交通事故総合分析センター(ITARDA)発行「イタルダインフォメーションNo.124」より。
上グラフを見てみよう。交通事故総合分析センター(ITARDA)によると、ペダル踏み間違いによる事故は75歳以上の高齢ドライバーが起こしやすいという。このことから、高齢ドライバーに対して補助金を設け、後付け急加速抑制装置の設置推進を図ることでペダル踏み間違い事故の減少を狙うものである。
設置までの流れと取り扱い事業者
同補助制度を使用して後付け急加速抑制装置を設置する方法は以下の通り。
【相談から設置・支払いまでの流れ】
①取り扱い事業者の店舗に相談
②店舗でクルマの状態や要件について確認を受け、設置日を予約
③予約日に本人が来店し、申込書などを提出
④店舗にて本人確認の上、装置販売・設置、使用方法を説明
⑤本人が個人負担分の金額を店舗で支払い
基本的には取り扱い事業者の店舗で後付け急加速抑制装置の設置を相談して手続きを進めていくだけ。都の窓口に出向いて手続きをする必要はない。
取り扱い事業者一覧(2019年7月26日時点)
取扱い事業者 | 相談・受付電話番号 | 営業時間 | 対象店舗数 |
(株)イエローハット | 各店舗に問い合わせ | 各店舗に問い合わせ | 23店舗 |
(株)オートバックスセブン | 各店舗に問い合わせ | 各店舗に問い合わせ | 25店舗 |
ダイハツ東京販売(株) | 各店舗に問い合わせ | 10:00~18:00 (火曜を除く) |
31店舗 |
トヨタ西東京カローラ(株) | 0120-346-444 | 9:30-18:00 (日曜日・祝日・第2火曜日を除く) |
26店舗 |
トヨタモビリティ東京(株) | 0120-127-126 | 9:00-17:00 (火曜日を除く) |
206店舗 |
ネッツトヨタ多摩(株) | 0120-425-010 | 10:00-18:00 (火曜日・一部水曜日を除く) |
37店舗 |
ネッツトヨタ東都(株) | 0120-540-010 | 10:00-18:00 (不定休・HPをご確認下さい) |
9店舗 |
なお、設置可能な後付け急加速抑制装置の種類や車両への適合性などについては、上記の取り扱い事業者に確認が必要である。また、主な後付け急加速抑制装置は、工賃込みで通常約3万~6万円程度で設置できる。このうち9割が補助されるとすると、自己負担額は3,000~6,000円程度となる。ペダル踏み間違い事故を未然に防ぐため、同補助制度による後付け急加速抑制装置の普及に期待したい。