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最終更新日:2019.06.06 公開日:2019.06.06

【JNCAP2018】予防安全性能評価試験、総合得点ランキング

5月30日に発表された、2018年度後期の自動車アセスメント「JNCAP」。ここでは予防安全性能評価において、同内容の試験を受けた、前期発表の10車種11グレードと、後期11車種を合わせた、21車種22グレードを総合得点順にランキングで紹介する。

 JNCAP2019年度後期が2020年5月27日に発表されました。2019年度後期の予防安全性能評価についての記事はこちらからご覧ください。


 国土交通省と独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)により実施されている自動車アセスメント「JNCAP」。ユーザーには、購入時により安全性の高い車種を選択してもらえるように、そして自動車メーカーにはより安全性の高いクルマの開発を促すことを目的とし、その年の人気車種を対象に厳密な試験を実施し、その評価結果を年に2回公表している。

 他車や歩行者などとの衝突事故を回避するための技術を試験する「予防安全性能評価」は、前期に10車種11グレード、後期に11車種が発表された。ここでは、前期後期の21車種22グレードを、126点満点の合計得点順に紹介する。

2018年度は評価試験3種類が追加されて合計126点満点に

夜間における、対歩行者の衝突被害軽減ブレーキの評価試験の様子。トヨタ「カローラ スポーツ」が歩行者のダミーを検知して止まったところ。撮影でフラッシュを使用しているために明るく見えるが、実際の天空照度は15±2ルクスで、写真よりもかなり暗い。

 2018年度から行われるようになった評価試験は3種類で、「夜間における対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ」、「高機能前照灯」、「踏み間違い加速抑制」の3点だ。これにより、2017年度の合計79点満点から126点満点となった。

【夜間における対歩行者の衝突被害軽減ブレーキ:40点満点】
 条件は「街灯がある夜間」で、具体的には「15±2ルクス」という明るさ(試験を受ける車両はもちろんヘッドランプを点灯していい)。この明るさで道路を横断してくる歩行者ダミーを検知して停車できるかどうか、さまざまな走行速度、対向車の有無など、条件を変えて試験は行われる。ダミーに一衝突しなければ40点満点。

【高機能前照灯:5点満点】
 対向車の接近に合わせて照射範囲を自動的に可変させる高機能型ヘッドランプに関する試験だ。対向車のドライバーがまぶしくならないよう、自動的に照射範囲を調節する「自動防眩型」の場合、時速41km以上の全速度域で作動すれば5点満点。より簡易な機構のハイ/ローの「自動切替型」の場合は、時速41km以上の全速度域で作動すれば最高1.4点だ。

【踏み間違い加速抑制:2点満点】
 前方または後方に障害物がある状態で、その障害物に向かって誤って発進させようとしてしまったときに、それを抑制できるかどうかを試験する。障害物までの距離が1mの地点からフル加速、いわゆるアクセルべた踏み状態にして、障害物に当たらなければ1点、前後方とも当たらなければ合計2点の満点となる。障害物までの距離が0.9mからアクセルをベタ踏みして当たらなければ0.9点、障害物までの距離が0.8mだと0.8点となる。障害物に当たってしまっても、障害物がない場合のフル加速よりも速度が抑制されていれば、0.4~0.6点が配分される。

 全項目の得点配分は以下の通り。

●対歩行者・自動ブレーキ:65点満点(日中25点満点、夜間40点満点)
●対車両・自動ブレーキ:32点満点
●車線逸脱抑制:16点満点
●後方視界情報:6点満点
●高機能前照灯:5点満点
●踏み間違い加速抑制:2点満点

2018年度試験車種21車種22グレード

 前期・後期合計の21車種22グレードは以下の通り。OEM車は含まず、また「/」で併記した姉妹車は1車種として扱っている。「(後)」があるものが、後期の評価試験を受けた車種だ。

【トヨタ】
●アルファード/ヴェルファイア (後)
●カムリ(OEM車ダイハツ「アルティス」あり)
●カローラ スポーツ
●クラウン (後)

【日産】
●ノート (後)
●デイズ ルークス/デイズ ルークス ハイウェイスター (後)

「デイズ ルークス」/「デイズ ルークス ハイウェイスター」は、同一性能であることから、共同開発の三菱「ekスペース」/「ekスペースカスタム」にて紹介

【ホンダ】
●インサイト (後)
●N-VAN
●N-VAN +STYLE
●オデッセイ
●CR-V (後)

【マツダ】
●アテンザ
●CX-3 (後)
●CX-5 (後)
●CX-8 (後)

【スバル】
●インプレッサ/XV (後)
●フォレスター

【スズキ】
●クロスビー
●ジムニー (後)
●ソリオ/ソリオバンディット(OEM車三菱「デリカD:2」/「デリカD:2 カスタム」あり)

【ダイハツ】
●ミラ トコット (後)

【三菱】
●ekスペース/ekスペースカスタム
●エクリプス クロス

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ランキングはまずベスト5から!

予防安全性能評価試験2018年度総合ランキング

 ランキングでは、総合得点の126点満点を感覚的にわかりやすくするため、カッコ内に100点満点に換算した点数も併記した。126点満点の車種は、「予防安全性能評価大賞」が与えられる。点数の横にある「ASV」とは「先進安全自動車」を意味する「Advanced Safety Vehicle」のことで、「+」が多いほどASVとして優秀であることを表す。

●ASV+:総合得点12点以上
●ASV++(ダブルプラス):総合得点46点以上
●ASV+++(トリプルプラス):総合得点86点以上※

※ 2018年度から新設

第1位:アルファード/ヴェルファイア(トヨタ)

合計:126.0点(100点) ASV+++ 予防安全性能評価大賞

対歩行者:65点満点(日中:25点/夜間:45点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:5点満点 踏み間違い加速抑制:2点満点

試験に用いられた車種・グレード:アルファード 2.5L S”Cパッケージ”(AYH30W型) ※後期に試験を受けた車種
センサー方式:ミリ波レーダー、カメラ、超音波
予防安全システム名:Toyota Safety Sense

2015年1月に3代目が登場した、トヨタのミニバンの最上位車種「アルファード/ヴェルファイア」。上画像は、GGH35W型「アルファード Executive Lounge S」にメーカーオプションを設定した1台(試験を受けたグレードとは異なる)。2018年度JNCAP後期評価結果発表会にて撮影。

 「アルファード」と「ヴェルファイア」はフロントのデザインこそ異なるが同一性能の姉妹車。前者がトヨペット店、後者がネッツ店で販売されている。2018年1月にマイナーチェンジを受け、トヨタの第2世代予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)」を搭載。トヨタ車で初めて衝突被害軽減ブレーキが夜間の歩行者に対応した。

 また同年10月のマイナーチェンジでは、踏み間違い加速抑制機能「インテリジェントクリアランスソナー[パーキングサポートブレーキ(静止物)]」を搭載。2018年度JNCAP予防安全で唯一の126点満点を獲得したことで、「予防安全性能評価大賞」を受賞した。

 

第2位:クラウン(トヨタ)

合計:124.5点(98.8点) ASV+++

対歩行者:63.5点(日中:25点満点/夜間:38.5点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:5点満点 踏み間違い加速抑制:2点満点

試験に用いられたグレード:2.5L HYBRID RS Advance(AZSH20型) ※後期に試験を受けた車種
センサー方式:ミリ波レーダー、カメラ、超音波
予防安全システム名:Toyota Safety Sense

1955年の初代誕生以来、フラッグシップモデルとしてトヨタを牽引してきた高級セダン「クラウン」。上画像は、現行車種の15代目・GWS224型「クラウン 3.5HV RS Advance」(試験を受けたグレードとは異なる)。2018年度JNCAP後期評価結果発表会にて撮影。

 「クラウン」は、その時代のトヨタの最新技術を搭載することを初代からの伝統としており、2018年6月26日に登場した15代目は車載通信機DCMを全車標準装備。”初代コネクティッドカー”と呼ばれている。予防安全パッケージは、1位の「アルファード/ヴェルファイア」と同様に第2世代「Toyota Safety Sense」を搭載し、衝突被害軽減ブレーキは夜間の歩行者検知にも対応した2車種目となった。試験においては、その夜間の対歩行者の評価試験で満点に1.5点届かず、同門対決で「アルファード/ヴェルファイア」の後塵を拝した。そのほかの項目は満点だ。

 

第3位:カローラ スポーツ(トヨタ)

合計:122.4点(97.1点) ASV+++

対歩行者:65点満点(日中:25点満点/夜間:40点満点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い加速抑制:2点満点

試験に用いられたグレード:HYBRID G “X”(ZWE211H型)
センサー方式:ミリ波レーダー、カメラ、超音波
予防安全システム名:Toyota Safety Sense

トヨタの普及車として1966年に初代が登場した「カローラ」。上画像は、12代目のスポーツモデルであるZWE211H型「カローラ スポーツ HYBRID G」をベースにメーカーオプションを設定した1台(グレード名は異なるが、試験を受けた車両と型式は同一)。2018年度JNCAP後期評価結果発表会にて撮影。

 2018年度前期の予防安全・総合得点ランキングで1位を獲得したトヨタ「カローラ スポーツ」。今回は同門の「アルファード/ヴェルファイア」、「クラウン」に及ばなかったが、トヨタの”表彰台独占”の一翼を担った。「カローラ スポーツ」は、トヨタの普及車「カローラ」シリーズの最新12代目に属する車種で、2018年6月26日に2位の15代目「クラウン」と同時に発表された。「クラウン」同様に車載通信機DCMを全車に標準装備しており、こちらもまた”初代コネクティッドカー”と呼ばれている(サービス面で差異がある)。

 予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」を搭載した3車種目で、夜間の対歩行者被害軽減ブレーキは40点満点を獲得した。ヘッドランプがハイ/ローの「自動切替型」であるため、高機能前照灯の得点は1.4点止まり。126点満点とはならなかったが、それ以外の項目は満点だ。

 

第4位:ノート(日産)

合計:122.3点(97.1点) ASV+++

対歩行者:64.9点(日中:25点満点/夜間:39.9点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い加速抑制:2点満点

試験に用いられたグレード:e-Power X(HE12型) ※後期に試験を受けた車種
センサー方式:カメラ、超音波
予防安全システム名:Nissan Intelligent Driving

2代目・E12型「ノート」。2016年11月に追加設定されたシリーズ型ハイブリッドエンジン「e-Power」を搭載したグレードは、2.5代目ともいうべき別格で、発売後約11か月で10万台を突破。2017年国内販売コンパクトカー部門第1位の獲得に続き、2018年には登録車部門第1位を獲得した。

 現行の2代目「ノート」は2012年9月に登場。同車が予防安全装備を初採用したのは、2013年12月のマイナーチェンジのことだ。衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備を採用した「エマージェンシーブレーキ パッケージ」が、一部グレードにメーカーオプション設定された。

 2015年7月のマイナーチェンジでは、衝突被害軽減ブレーキ「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」と車線逸脱警報が全グレードに標準装備に。その後も2017年9月には「インテリジェント クルーズコントロール」と車線逸脱防止支援システム「インテリジェントLI」が採用され、「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」の性能向上も実施。2018年7月には、「踏み間違い衝突防止アシスト」が「e-Power S」を除く全グレードに標準装備されるなど、段階を踏んで先進安全装備の充実が図られて現在に至る。今回は夜間の歩行者でわずかに0.1点の失点があり、また高機能前照灯もハイ/ロー自動切替型のために1.4点しか取れなかったが、他の項目は満点だ。

 

第4位:フォレスター(スバル)

合計:122.3点(97.1点) ASV+++

対歩行者:61.3点(日中:23.5点/夜間:37.8点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:5点満点 踏み間違い加速抑制:2点満点

試験に用いられたグレード:Touring(SK9型)
センサー方式:ステレオカメラ、超音波
予防安全システム名:EyeSight

「フォレスター」はスバルのクロスオーバーSUVの最上位モデルで、5代目となるSK型は2018年7月に発売を開始した。画像は、SKE型「フォレスター Advance」(試験を受けたグレードとは異なる)。スバル初のハイブリッドエンジン「e-BOXER」を搭載した最上位グレードだ。2018年度前期2位。2018年度JNCAP後期評価結果発表会にて撮影。

 「フォレスター」はスバルが最量販車種として位置づけている、グローバル戦略車種だ。予防安全に関しては、ステレオカメラでお馴染みの「EyeSight」の最新バージョン「EyeSight・ツーリング」を全車標準装備。

 スバル車として初搭載となるのが、乗員認識技術「ドライバーモニタリングシステム」。インパネのセンターバイザーにカメラが内蔵されており、ドライバーの顔を認識し、安全運転をサポートする。走行中に一定時間以上目が閉じられていたり、顔の向きが前方から大きく外れていたりすると、警報音や警告表示で注意喚起を行うというものである。対歩行者で昼間・夜間合計で3.7点の減点があったが、それ以外は満点。スバル車では最上位となった。

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続いて第6~10位!

第6位:インサイト(ホンダ)

合計:121.4点(96.4点) ASV+++

対歩行者:64.8点(日中:24.8点/夜間:40点満点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い加速抑制:1.2点

試験に用いられたグレード:EX(ZE4型) ※後期に試験を受けた車種
センサー方式:ミリ波レーダー、カメラ、超音波
予防安全システム名:Honda SENSING

2018年12月に現行の3代目が発売されたハイブリッド・ミドルセダン「インサイト」。上写真は、最上位グレードのZE4型「EX・BLACK STYLE」(装備が豪華でありグレード名が異なるが、試験を受けた車両と型式は同一)。「東京オートサロン2019」にて撮影。

 3代目がハイブリッド専用ミドルセダンとして登場した「インサイト」。2018年度のランキングで、ホンダ車最上位を獲得した。惜しむらくは対歩行者の夜間が満点なのに、昼間に減点があったこと。高機能前照灯はハイ/ロー自動切替、踏み間違い加速抑制などで満点を取れず、トータルで121.4点となった。

 ホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING」を全グレード標準装備。同システムは、衝突被害軽減ブレーキ、前後方誤発進抑制機能、歩行者事故低減ステアリング、路外逸脱抑制機能、渋滞追従機能付き定速走行・車間距離制御機能(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、車線維持支援システム、先行車発進通知機能、標識認識機能、オートハイビームなどを備えている。歩行者事故低減ステアリングとは、ガードレールのないような道路において、歩行者と接触しそうな際にステアリングアシストを行って接触事故を防いだり、万が一接触してしまっても被害を極力軽減したりするというものである。

 

第7位:N-VAN(ホンダ)

合計:120.6点(95.7点) ASV+++

対歩行者:64.0点(日中:24.0点/夜間:40点満点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い加速抑制:1.2点

試験に用いられたグレード:+STYLE FUN Honda SENSING(JJ1型) 軽自動車
センサー方式:ミリ波レーダー、カメラ、超音波
予防安全システム名:Honda SENSING

2018年7月に初代が登場したJJ1型「N-VAN」。基本は商用仕様だが、「+STYLE」シリーズのように乗用仕様も用意されている。上画像の「+STYLE FUN」は、楽しさを演出しており、丸目でフレンドリーな雰囲気のヘッドランプユニットなどが特徴。前期では第3位だった。「東京モーターフェス2018」にて撮影。

 2代目「N-BOX」のプラットフォームをベースに開発された初代JJ1型「N-VAN」。助手席側にセンターピラーレス構造が採用されていることが大きな特徴だ(センターピラーの役目を果たすフレームが助手席側ドアの後端に内蔵されている)。「N-VAN」は軽自動車ながら、ホンダの安全支援運転システム「Honda SENSING」を全モデル・グレードが標準装備している。機能は、第6位の「インサイト」で紹介したものと同じだ。

 「N-VAN」は、2018年度の前期において、ハイ/ローの自動切替を行う「オートハイビーム」機能の有無で分け、2グレードで評価試験を実施。同機能を搭載するグレードである「+STYLE FUN Honda SENSING」は1.4点が加算された。そのほか、対歩行者の昼間、高機能前照灯、踏み間違い加速抑制などで減点があり、トータルで120.6点。ここまでが合計120点以上の車種だ。

 

第8位:N-VAN(ホンダ)

合計:119.2点(94.6点) ASV+++

対歩行者:64点(日中:24.0点/夜間:40点満点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:0点 踏み間違い加速抑制:1.2点

試験に用いられたグレード:L Honda SENSING(JJ1型) 軽自動車
センサー方式:ミリ波レーダー、カメラ、超音波
予防安全システム名:Honda SENSING

商用仕様の標準型・初代「N-VAN」。型式はみな同じでJJ1型だ。JNCAP2018前期発表会で行われた、夜間における対歩行者・被害軽減ブレーキのデモンストレーションにおいて撮影した。

 第7位の「+STYLE FUN Honda SENSING」で説明した通り、「N-VAN」にはグレードによって、ハイ/ローの自動切替を行う「オートハイビーム」機能の有無がある。搭載していないグレードの「L Honda SENSING」は、高機能前照灯が0点となるため、合計119.2点で第8位となった。

 

第9位:CR-V(ホンダ)

合計:119.0点(94.4点) ASV+++

対歩行者:63.0点(日中:23.9点/夜間:39.1点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い加速抑制:0.6点

試験に用いられたグレード:EX・Masterpiece(RW1型) ※後期に試験を受けた車種
センサー方式:ミリ波レーダー、カメラ
予防安全システム名:Honda SENSING

ホンダのSUVの上級モデル「CR-V」。現行は5代目で、国内では2018年8月にまずガソリンモデルが登場し、同年11月にハイブリッドモデルが追加された。上画像は、「HYBRID EX・Masterpiece」(試験を受けたグレードとは異なる)。”Masterpiece”は、ガソリン・ハイブリッド両モデルの最上位グレードで、専用装備を備える。2018年度JNCAP後期評価結果発表会にて撮影。

 今回は4車種5グレードが予防安全評価試験を受けたホンダ車。そのうちの4車種が第6位から第9位までに並んでおり、第9位となったのが、ミドルサイズSUV「CR-V」だ。同車も安全運転支援システム「Honda SENSING」を全モデル・グレードに標準装備している。

 第6位の「インサイト」から、第9位の「CR-V」まで、その差は2.4点と接近している。車重やボディタイプが異なっても近い得点が出るということは、車種ごとの「Honda SENSING」のチューニングがしっかりと行われているという証だろう。「CR-V」は対歩行者、高機能前照灯、踏み間違い加速抑制で減点があり、合計119.0点。

 

第10位:インプレッサ/XV(スバル)

合計:118.8点(94.3点) ASV+++

対歩行者:61.8点(日中:23.7点/夜間:38.1点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い加速抑制:1.6点

試験に用いられた車種・グレード:XV 2.0i-L EyeSight(GT7型) ※後期に試験を受けた車種
センサー方式:ステレオカメラ、超音波
予防安全システム名:EyeSight

スバルのクロスオーバーSUV「XV」の現行3代目は、2017年3月に登場した。2018年10月に、上画像のハイブリッドシステム「e-BOXER」搭載グレード「Advance」が追加された(試験を受けたグレードとは異なる)。「東京モーターフェス2018」にて撮影。

 かつては「インプレッサ」の1モデルだった「XV」。そのため、現在でもJNCAPでは同一の予防安全性能を持つとして、「インプレッサ/XV」と併記されている。実際に2018年度後期の予防安全性能評価試験を受けたのは「XV」だ。

 安全支援運転システムは、ステレオカメラを使用する「EyeSight」のVer.3(最新バージョン「EyeSight ツーリング」の一部機能がないタイプ)を搭載している。また2018年10月にハイブリッドシステム「e-BOXER」搭載グレードである「Advance」を追加した際に、予防安全機能も強化。一部グレードを除いて、後方誤発進抑制機能「後退時自動ブレーキシステム」が搭載された。今回は、対歩行者の昼間・夜間、高機能前照灯、踏み間違い加速抑制で減点があり、合計118.8点となった。

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次は第11~15位!

第11位:CX-5(マツダ)

合計:115.4点(91.6点) ASV+++

対歩行者:54.8点(日中:24.5点/夜間:30.3点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:5点満点 踏み間違い加速抑制:1.6点

試験に用いられたグレード:XD PROACTIVE(KF2P型) ※後期に試験を受けた車種
センサー方式:ミリ波レーダー、カメラ、超音波
予防安全システム名:i-ACTIVSENSE

2012年に初代が登場した、マツダのミドルサイズSUV「CX-5」。現行の2代目KF型は2017年2月に登場した。「東京モーターフェス2018」にて撮影。

 マツダ車で2018年後期に予防安全性能評価試験を受けたのは、国内向けのクロスオーバーSUV「CX」シリーズ3車種だ。トップの成績を収めたのが、5人乗りのミドルサイズ「CX-5」。発売当初から安全支援運転システム「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を一部グレードに装備。衝突被害軽減ブレーキ「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」や、渋滞追従機能付き定速走行・車間距離制御機能「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール」、高機能前照灯「アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)」などを備えていた。

 2017年8月からは「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」を全グレードに標準搭載。このとき、新たに「車線逸脱警報システム」、「AT誤発進抑制制御[前進時]」、駐車場から後退で発進する際に車両の接近を知らせる「リア・クロス・トラフィック・アラート」なども追加された。2018年10月のマイナーチェンジでは、「アドバンストSCBS」に夜間の歩行者検知機能が備わった。

 

第12位:CX-8(マツダ)

合計:115.0点(91.3点) ASV+++

対歩行者:54.4点(日中:25点満点/夜間:29.4点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:5点満点 踏み間違い加速抑制:1.6点

試験に用いられたグレード:XD PROACTIVE(KG2P型) ※後期に試験を受けた車種
センサー方式:ミリ波レーダー、カメラ、超音波
予防安全システム名:i-ACTIVSENSE

2017年12月に初代が発売された「CX-8」。6人以上の乗車が可能な3列シートSUVで、2018年に最も販売された人気車種である。「東京モーターフェス2018」にて撮影。

 「CX-8」は、マツダの国内向けクロスオーバーSUV3車種のうちの最上位モデルだ。同社の安全運転支援システム「i-ACTIVSENSE」を発売時から全モデル・全グレードに標準装備している。

 今回、弟分の「CX-5」とは接戦となり、衝突被害軽減ブレーキの対歩行者以外は全項目同点。対歩行者の得点差もわずかで、「CX-8」は昼間は25点満点で「CX-5」を0.5点上回ったが、夜間は逆に0.9点のビハインドに。結果、弟分の「CX-5」に0.4点及ばない115.0点となり、兄弟対決で弟分に上位を譲る形となった。

 

第13位:アテンザ(マツダ)

合計:113.3点(89.9点) ASV+++

対歩行者:52.7点(日中:24.4点/夜間:28.3点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:5点満点 踏み間違い加速抑制:1.6点

試験に用いられたグレード:セダン XD-L Package(GJ2FP型)
センサー方式:ミリ波レーダー、カメラ、超音波
予防安全システム名:i-ACTIVSENSE

マツダのフラッグシップセダン「アテンザ セダン」(ステーションワゴンタイプの「アテンザ ワゴン」もある)。初代は2002年に登場し、現行の3代目GJ型は2012年11月に登場した。JNCAPではセダンもワゴンも同一性能として扱われている。2018年度前期の評価試験を受けたのは「セダン」で、そのときは第5位だった。

 第11位から第13位まではマツダ車が3車種並んだ形となり、第13位は「アテンザ」となった。同車は発売時から「i-ACTIVSENSE」を一部グレードに搭載していたが、2013年11月に、低速走行時の衝突被害軽減ブレーキ「スマート・シティ・ブレーキ・サポート(SCBS)」が一足早く全車標準装備とされた。このとき、高機能前照灯のLEDアレイ方式防眩ハイビーム「ALH」、「レーンキープ・アシスト・システム」、衝突被害軽減ブレーキ「SCBC[後退時]」と「AT誤発進抑制制御[後退時]」も搭載。中高速用の衝突被害軽減ブレーキ「スマート・ブレーキ・サポート」も対応可能な相対速度差を拡大した。

 2016年8月には歩行者対応の衝突被害軽減ブレーキ「アドバンストSCBS」に更新。そして2017年8月には、「i-ACTIVSENSE」が全モデル・全グレード標準装備となった。さらに2018年5月には、「アドバンストSCBS」が夜間歩行者検知機能付きにアップデートされたほか、LEDブロックが20分割に細分化されて「ALH」がより緻密に照射範囲を制御できるようになった。

 

第14位:ソリオ/ソリオ バンディット(スズキ)

合計:111.1点(88.2点) ASV+++

対歩行者:62.1点(日中:22.5点/夜間:39.6点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:8.0点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い加速抑制:1.6点

試験に用いられたグレード:HYBRID MX(MA36S)
センサー方式:ステレオカメラ、超音波
予防安全システム名:スズキ セーフティ サポート
※ OEM車に三菱「デリカD:2」/「デリカD:2 カスタム」あり

2018年度前期に評価試験を受けた、スズキの「ソリオ」/「ソリオ バンディット」。かつては、コンパクトトールワゴン「ワゴンR」の1モデルだった。現行モデルは独立してからは3代目で、2015年8月に登場した。「東京モーターフェス2018」にて撮影。

 現行の「ソリオ」/「ソリオバンッディト」は発売時から、ステレオカメラ方式を採用した衝突被害軽減ブレーキ「デュアルカメラブレーキサポート」、「誤発進抑制機能」、「車線逸脱警報機能」などを、一部グレードを除いてメーカーオプションで設定していた(この時点では、スズキの安全運転支援システムを指す「スズキ セーフティ サポート」という呼称がなかった)。

 2018年7月のマイナーチェンジでは、スズキの安全運転支援システム「スズキ セーフティ サポート」の機能が充実。ステレオカメラによる「デュアルカメラブレーキサポート」が夜間の歩行者にも対応した。さらに、定速走行・車間距離制御装置「アダプティブ・クルーズ・コントロール」、ハイ/ロー「自動切替型」ヘッドランプ、「後退時ブレーキサポート」、「後方誤発進抑制機能」、「リヤパーキングセンサー」なども搭載された。ここまでが合計100点以上の車種だ。

 

第15位:CX-3(マツダ)

合計:99.8点(79.2点) ASV+++

対歩行者:47.2点(日中:24.8点/夜間:22.4点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:8.0点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:5点満点  踏み間違い加速抑制:1.6点

試験に用いられたグレード:20S PROACTIVE S Package(DKEFW型)  ※後期に試験を受けた車種
センサー方式:ミリ波レーダー、カメラ、超音波
予防安全システム名:i-ACTIVSENSE

マツダの国内向けのクロスオーバーSUV「CX」シリーズのうち、最もコンパクトな「CX-3」。2015年2月に初代が登場した。「CX」シリーズ3兄弟の対決は、夜間における対歩行者の得点が伸びず、「CX-3」は兄貴分の「CX-5」と「CX-8」の2車種からかなり離されてしまった。

 「CX-3」は初登場時から「i-ACTIVSENSE」を搭載。その内容は、衝突被害ブレーキ系は、夜間の歩行者検知機能付きの低中速用「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」、中高速用「スマート・ブレーキ・サポート」の2種類。さらに、「AT誤発進抑制制御」、「車線逸脱警報システム」、「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール」、「ハイ・ビーム・コントロールシステム」なども搭載されている。

 2016年10月のマイナーチェンジでは、歩行者にも対応して対応速度域も拡大した衝突被害軽減ブレーキ「アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート(アドバンストSCBS)」を全車に標準装備。一部グレードには、「SCBS[後退時]」と高機能前照灯「アダプティブ・LED・ヘッドライト」を搭載された。

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最後は第16~22位!

第16位:eKスペース/eKスペースカスタム(三菱)、デイズ ルークス/デイズ ルークス ハイウェイスター(日産)

合計:93.2点(74.0点) ASV+++

対歩行者:44.2点(日中:24.9点/夜間:19.3点) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:8.0点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い加速抑制:1.2点

試験に用いられた車種・グレード:eKスペースカスタム G Safety Package(B11A型) 軽自動車
センサー方式:カメラ、超音波
予防安全システム名:三菱e-Assist(日産側ではトータルのシステム名は使われていない)

三菱「eKスペース」/「eKスペースカスタム」と日産「デイズ ルークス」/「デイズ ルークス ハイウェイスター」は、日産と三菱が共同開発したトールワゴンタイプの軽自動車。2014年2月に発表された。「eKスペース」と「デイズ ルークス」が通常モデルで、「eKスペースカスタム」と「デイズ ルークス ハイウェイスター」が、上級モデルだ。前期では7位だった。JNCAP2018前期発表会で行われた、夜間における対歩行者・被害軽減ブレーキのデモンストレーションにおいて撮影した「eKスペースカスタム」。

 この4車は発売当初、安全運転支援システムは搭載しておらず、衝突被害軽減ブレーキが2014年12月のマイナーチェンジから搭載グレードが用意され、ほかのグレードではメーカーオプション設定となった。2015年4月には、日産の「デイズ ルークス」/「デイズ ルークス ハイウェイスター」のみ「エマージェンシーブレーキ」と「踏み間違い衝突防止アシスト」を全グレード標準装備とした。

 2018年5月には、4車共に安全支援運転システムの機能向上が実施された。衝突被害軽減ブレーキは、従来のレーザーレーダー方式からカメラ方式に変更。誤発進抑制機能も従来のレーザーレーダー方式からソナー(前後4か所)およびカメラ方式に変更された。今回の21車種22グレードのうち、ASV+++を獲得したのはここまでで、全16車種。

 

第17位:カムリ(トヨタ)

合計:75.6点(60.0点) ASV++

対歩行者:18.2点(日中:18.2点/夜間:-) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い加速抑制:2点満点

試験に用いられた車種・グレード:カムリ G(AXVH70型)
センサー方式:ミリ波レーダー、カメラ、超音波
予防安全システム名:Toyota Safety Sense
※OEM車にダイハツ「アルティス」あり

トヨタのグローバルミッドサイズセダン「カムリ」。その10代目は2017年7月に登場した。上画像は、2018年8月に追加設定された新グレードAXVH70型「カムリ WS」をベースに、パノラマルーフなどのメーカーオプションを多数設定した1台(試験を受けたグレードとは異なる)。2018年度前期の試験では8位だった。2018年度JNCAP後期評価結果発表会にて撮影。

 発売当初「カムリ」に搭載されていたのは、2種類あったトヨタの第1世代予防安全パッケージのうち、中・高級車向けの「Toyota Safty Sense P」だった。単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせたシステムである。現在のトヨタ車の予防安全パッケージは、その発展型である第2世代の「Toyota Safety Sense」となり、こちらへの移行が進む。

 「カムリ」も現在では「Toyota Safety Sense」を搭載車種となっているが、夜間の歩行者にはまだ対応しておらず、実質的には「Toyota Safty Sense P」のままだ。「Toyota Safety Sense」には、衝突被害軽減ブレーキ、ステアリング制御機能付き車線逸脱警報、オートマチックハイビーム、全車速追従機能付きレーダークルーズコントロールなどの機能がある。また2018年8月のマイナーチェンジでは、一部グレードを除いてインテリジェントクリアランスソナーが標準装備に。それにより、踏み間違い加速抑制機能「パーキングサポートブレーキ(静止物)」が搭載された。

 

第18位:クロスビー(スズキ)

合計:63.9点(50.7点) ASV++

対歩行者:14.9点(日中:14.9点/夜間:-) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:8.0点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い加速抑制:0.6点

試験に用いられたグレード:HYBRID MX(MN71S型)
センサー方式:レーザーレーダー、カメラ、超音波
予防安全システム名:スズキ セーフティ サポート

小型クロスオーバーワゴン初代・MN71S型「クロスビー」は2017年12月に発売。スズキの最も新しい完全新型車である。2018年度JNCAP後期評価結果発表会にて撮影。

 「クロスビー」は、スズキの安全運転支援システム「スズキ セーフティ サポート」を搭載。2種類あるグレードのうち、上級の「HYBRID MZ」は同システムを標準装備しており、普及グレードの「HYBRID MX」はメーカーオプション設定となっている。衝突被害軽減ブレーキは「デュアルセンサーブレーキサポート」に加え、スズキの小型車としては初搭載となる「後退時ブレーキサポート」も搭載した。そのほか、前後方誤発進抑制、車線逸脱警報、ふらつき警報、ハイ/ロー自動切替のハイビームアシスト、先行車発進お知らせなどの機能も備えている。

 スズキは車種によって搭載センサーの種類を変えており、「クロスビー」は「ソリオ/ソリオ バンディット」とは異なり、デュアルセンサー方式を採用。単眼カメラとレーザーレーダーを併用する方式となっている。

 

第19位:エクリプス クロス(三菱)

合計:63.5点(50.4点) ASV++

対歩行者:14.9点(日中:14.9点/夜間:-) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:8.0点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い加速抑制:1.2点

試験に用いられたグレード:G(GK1W型)
センサー方式:レーザーレーダー、カメラ、超音波
予防安全システム名:三菱e-Assist

2018年3月に初代が登場したクロスオーバーSUV・GK1W型「エクリプス クロス」。2018年度前期に評価試験を受けており、そのときは10位だった。2018年度JNCAP後期評価結果発表会にて撮影。

 三菱の新型のコンパクト・クロスオーバーSUV「エクリプス クロス」が搭載する安全運転支援システムは「三菱e-Assist」。衝突被害軽減ブレーキ「FCM」、前後進誤発進抑制、車線逸脱警報「LDW(Lane Departure Warning)」、ハイ/ロー自動切替型の「AHB(Automatic High Beam)」などを全車標準装備している。

 「G Plus Package」などの一部グレードに標準装備されているのが、定速走行・車間距離制御機能(レーダークルーズコントロール)、後退時車両検知警報システム「RCTA(Rear Cross Traffic Alert)」などの機能だ。

 

第20位:オデッセイ(ホンダ)

合計:62.7点(49.8点) ASV++

対歩行者:8.5点(日中:点/夜間:-) 対車両:31.6点 車線逸脱抑制:16点満点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:- 踏み間違い加速抑制:0.6点

試験に用いられたグレード:HYBRID ABSOLUTE・Honda SENSING EXパッケージ(RC4型)
センサー方式:ミリ波レーダー、カメラ
予防安全システム名:Honda SENSING

2013年11月に5代目が発売を開始したホンダのミニバン「オデッセイ」。上写真は上級モデルのRC4型「オデッセイ HYBRID ABSOLUTE EX Honda SENSING」。試験を受けた車種と同一のものだ。2018年度前期の評価試験では、11位。2018年度JNCAP後期評価結果発表会にて撮影。

 5代目「オデッセイ」は発売当初から、誤発進抑制機能を搭載した衝突被害軽減ブレーキ「CMBS」などの安全運転支援系の機能を搭載していた。予防安全システム「Honda SENSING」が登場したのはその後で、2015年1月のマイナーチェンジで初めて上級モデル「オデッセイ ABSOLUTE」などの一部グレードにが標準装備された(そのほかはメーカーオプション)。さらに2017年11月のマイナーチェンジで、「Honda SENSING」が全モデル・全グレードに標準装備となった。

 同じホンダ車でも、2018年から発売を開始した第6位の「インサイト」から第9位の「CR-V」と比較してしまうと、大きな点差がつく結果となった。夜間の歩行者に対応していないこと、高機能前照灯を採用していないことなど、いくつか要因があるが、同じ「Honda SENSING」であっても年式によって性能差があることも大きいようだ。「オデッセイ」は「Honda SENSING」を後付けしていることにより、チューニングが完璧でないことも考えられるだろう。安全運転支援システムは、まさに日進月歩の世界なのである。

 

第21位:ジムニー(スズキ)

合計:61.3点(48.7点) ASV++

対歩行者:13.3点(日中:13.3点/夜間:-) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:8.0点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い加速抑制:0.6点

試験に用いられたグレード:XC(JB64W型) 軽自動車 ※後期に試験を受けた車種
センサー方式:レーザーレーダー、カメラ
予防安全システム名:スズキ セーフティ サポート

2018年に20年ぶりにフルモデルチェンジして3代目が登場した軽4WD「ジムニー」。上写真はJB64W型「ジムニー XC」。「人とくるまのテクノロジー展2019」にて撮影した。

 2018年度の予防安全性能評価試験を受けた3車種のスズキ車のうち、唯一後期に試験を受けたのが「ジムニー」だ。最上位グレード「XC」には、予防安全システム「スズキ セーフティ サポート」が標準装備されている(そのほかの2グレードはメーカーオプション)。

 ただし、同じ「スズキ セーフティ サポート」とはいっても、搭載されている安全運転支援機能は異なる。「ジムニー」に装備されているのは、衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」、誤発進抑制、車線逸脱警報、ふらつき警報、ハイ/ロー切替の「ハイビームアシスト」、先行車発進お知らせ、標識認識となっている。「デュアルセンサーブレーキサポート」は「クロスビー」と同じ方式で、単眼カメラとレーザーレーダーを併用する方式だ。ただし、夜間の歩行者に対応していない。

 

第22位:ミラ トコット(ダイハツ)

合計:60.6点(48.1点) ASV++

対歩行者:12.0点(日中:12.0点/夜間:-) 対車両:32点満点 車線逸脱抑制:8.0点
後方視界情報:6点満点 高機能前照灯:1.4点 踏み間違い加速抑制:1.2点

試験に用いられたグレード:G”SA III”(LA5550S型)  軽自動車 ※後期に試験を受けた車種
センサー方式:ステレオカメラ、超音波
予防安全システム名:スマートアシストIII

2018年6月に初代が登場した軽自動車「ミラ トコット」。「ミラ」の名を冠してはいるが、直接的な後継モデルではなく、新規開発の車両である。「モータースポーツジャパン2019」にて撮影。

 「ミラ トコット」は、2018年度の予防安全性能評価試験を受けた唯一のダイハツ車だ。搭載している安全運転支援システムは、ダイハツの安全運転支援システムの最新版「スマートアシストIII」。「”SAIII”」とグレード名にある車種にはすべて装備されている。その機能は、衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報、前後方誤発進抑制制御、先行車発進お知らせ、ハイ/ローの自動切替型「オートハイビーム」などとなっている。

 「スマートアシストIII」のセンサーには、世界最小クラスのステレオカメラが採用されていることが特徴だ。左右のレンズ間隔が80mmで、「スマートアシストIII」を発表した2016年11月30日の時点では、ダイハツの調べによれば世界最小のステレオカメラとしている。コンパクト化がもたらすメリットは、より小型の軽自動車への搭載も可能となること。実際にその後、ダイハツは次々とコンパクトな軽自動車にも搭載していき、「ミラ トコット」にも搭載された。


 今回の予防安全性能評価は、合計得点が126点となったため、二極化がより目立つようになった。課題は、低価格帯のクルマだ。高性能な安全運転支援システムを搭載した結果、車両価格が大幅に上がってしまうのは、ユーザーもメーカーも望まないだろう。しかし、性能的に「ないよりはマシ」的なシステムではあまり意味がないのも事実。メーカーとしてはさらなる努力が必要となるが、予防安全は人の命を守る技術であり、技術革新やコストダウンなどを進めていってほしいところである。

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