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ライフスタイル最終更新日:2023.07.20 公開日:2023.07.04

「エンジンルームに猫」のトラブル、なぜ梅雨時期に多い? JAFへの要請6月最多の理由とは

暗くて、狭くて、あたたかいところが落ち着くという猫たちは、クルマのエンジンルームに忍び込むことも。気が付かずエンジンをかけてしまったら……クルマが故障したり、猫が負傷したり命を落としたりするかもしれない。冬はもちろんだが、実は梅雨の時期も要注意。改めて、正しい猫バンバンを知ってもらいたい。

文=宮本 菜々(KURU KURA)

猫はクルマのどこに隠れている?

タイヤの上でぬくぬくしている白猫。気が付かずに走り出したら……? (c) Daria Mochalkina - stock.adobe.com

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猫は持ち前の身体の柔らかさで、暗いところ、狭いところ、そしてあたたかいところに忍び込む。エンジンルームも例外ではない。車両のパーツのわずかな隙間やタイヤと車体の間から侵入してしまうのだ。タイヤやマフラーなど、車体の隙間にいることもよくあるので注意が必要だ。

猫がエンジンルームに忍び込むのは、気温が下がる冬が多いと思われがちだが、JAF(一般社団法人日本自動車連盟)によれば「エンジンルームに猫」でロードサービスの要請を受けた件数は梅雨の6月が最多であり、冷え込みが厳しい1月と比較しても桁違いに多いという。その件数は、2022年1月1日~31日の1カ月間は21件であったのに対し、2022年6月1日~30日にかけては284件だったという。

なぜこんなにも数が違うのか。その理由は、猫は水が苦手、濡れるのが嫌い、さらに春に産まれた子猫が活発に動き回るようになるから。6月の梅雨の時期は、雨風をしのげて人の往来も少なく、落ち着ける隠れ場所としてふさわしい、クルマのエンジンルームでくつろいでしまうわけだ。

ボンネットで昼寝をする猫。エンジンルームに潜り込まなければいいのだが。(c) KEN'S PHOTO - stock.adobe.com

ただし、JAFによると夏でも「エンジンルームに猫」で要請を受けるとのこと。暗くて狭くて人の往来が少ないだけでも、猫にとっては落ち着く環境。夏は夏でエンジンを切って日陰に停まっているクルマであれば涼むのにもってこい。夏も冬も関係なくエンジンルームに猫が忍び込んでいるかもしれないことを覚えておきたい。

もし猫に気づかず、エンジンをかけてしまったら?

隊員が猫を保護しようとする様子。JAF(一般社団法人日本自動車連盟)より

エンジンルームに猫がいることに気が付かないまま、もしエンジンをかけて走り出してしまったら……。回転する部品に巻き込まれたり、驚いて飛び降りたときに車両にひかれたり、高温になったエンジンで火傷をしたり、猫の命に関わる事態となりかねない。

クルマもファンベルトなどの部品や電気系統などが損傷し、高額な修理費が発生することもある。

猫がエンジンルームにいたことによって車両が故障した場合、車両保険の対象外となるケースも多く、車両の修理費をドライバー自らが負担しなければならないこともある。

というわけで、のるまえに猫バンバンしよう!

猫バンバンとは、クルマに乗る前にボンネットをバンバンと叩いて、エンジンルームに忍び込んでいる猫に教えようというもの。日産自動車は「猫バンバンプロジェクト」を立ち上げ、SNSを活用した「#猫バンバン」の取り組みも、95万超ツイート(2023年1月25日時点)となっている。また、JAFでも乗車前の猫バンバンを推奨している。

<猫バンバンのやり方>

(1)ボンネットをノックするようにやさしくバンバンする
(2)ボンネットの内部に耳を澄ませる
(3)猫の気配を感じたり、動く音や鳴き声が聞こえたら中を確認する

猫バンバンは叩きすぎると逆効果だ。いわゆる「ビビり」な性格の猫だと、怖がって奥に入り込んで出てこなくなってしまうからだ。だからこそ、やさしく猫バンバンした後、音を確認することが重要だ。クルマのエンジンをかける前に、猫バンバンで小さな命を救ってほしい。

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