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最終更新日:2018.11.29 公開日:2018.11.29

首都高「横浜環状北西線」の工事現場を見てきた! 後編:横浜青葉JCT編

普段は見ることのできない建設現場が見学できる「首都高講座」。 その64時限目、「横浜環状北西線へ潜入!建設現場を歩いて学ぼう!」に行ってきた。 北八朔トンネルの前編に続いて、後編では横浜青葉IC・JCT(仮称)の高架工事現場をリポート。

横浜青葉JCT(仮称)の高架建設現場にて撮影。撮影ポイントは、横浜環状北西線と国道246号の間にある連絡路の上で、ちょうど東名高速をまたぎ始める地点。前編で紹介したトンネル出入口付近の方を向いて撮影した。この辺りが地上30mあり、最も高い。東名は左手前方向が東京方面で、右奥方向が名古屋方面。

 首都高株式会社が2020年の開通を目指して建設中の「横浜環状北西線」(以下、北西線)。第三京浜および首都高・横浜北線に接続する横浜港北JCTから、東名高速および国道246号に接続する横浜青葉IC・JCT(仮称)までをつなぐ高速道路だ。

 11月13日に、首都高は一般を対象とした建設現場の見学イベント「首都高講座 64時限目 横浜環状北西線へ潜入!建設現場を歩いて学ぼう!」を実施。同時に報道公開も行われた。そのイベントリポート後編として、横浜青葉JCTの高架建設区間を紹介する(前編は『北八朔(きたはっさく)トンネル工事現場編』)。

北西線のルート。黄色がトンネル区間で、ピンクが高架・地表区間。北八朔トンネル工事現場の次は、横浜青葉JCT。画像は横浜環状北西線公式資料より。

横浜青葉IC・JCTの概念図。横浜環状北西線公式資料中の画像を、冒頭の画像と同じ方位になるように修正した。冒頭の画像を撮影したのは、国道246号(東名横浜青葉料金所)と北西線(北西線料金所)をつなぐ、水色で着色された上下1車線連絡路の最高地点。このあとの各連絡路の説明では、この概念図の色で説明した。

33本の柱が新たに建てられて複雑な連絡路もほぼ建設済み

 横浜青葉JCTは、北西線、東名高速の東京方面と名古屋方面、国道246号のそれぞれが連絡する非常に複雑なJCTだ。北西線との連絡路を建設するため、新たに橋脚が33本も建設された。そして40の橋桁(橋梁)が渡される予定で、取材した11月13日時点で35の橋桁が架けられており、年内に残りの5本もすべて架け終わる予定だ。

連絡路に上るために仮設階段が設置された真新しい橋桁が多い。画面中央右寄り、遠方に見える高架が東名高速。足場が組まれていて、青いネットが張られているのが建設中の連絡路だ。一番手前(画面上側)の新設連絡路は、東名高速の上り車線(東京方面行き)から北西線への連絡路(概念図の緑色の連絡路)。その奥側のカーブしつつ下がってきている新設連絡路は、北西線から東名高速の上り車線への連絡路(くすんだオレンジ色)。その上を交差しているのは、北西線と国道246号をつなぐ連絡路(水色)で、最も高い位置を通る。

上の画像とほぼ同じ地点で右手を向いて撮影した景観。緑色のラインが入っている高架が東名高速。画像の最も右側で真上を通過しているのは既存の連絡路で、東名高速の上り車線から横浜青葉ICへと向かう。その左の新設連絡路が、東名高速の上り車線から北西線へ向かう連絡路(概念図の緑)。その奥に見えるカーブしている連絡路(画像左端)は、北西線から東名高速の上り車線および下り車線への連絡路(くすんだオレンジ)。東名高速の上をまたいでいるのが、今回見学した北西線と国道246号をつなぐ連絡路(水色)。

2つ前の画像の地点から、さらに東名高速に近づいた地点で撮影したもの。画像右にある高架が東名高速。画像上部のカーブをしている新設連絡路は、北西線から東名高速の上り車線への連絡路(概念図のくすんだオレンジ色)。最も高くを通っている連絡路が、今回登った連絡路(水色)。画像中央奥の仮設階段を参加者が登っているのが見える。30mを階段で上るには体力が要る。

上の画像の地点からさらに東名高速に近づいて、左手を向いたところ。大型クレーン車は、最も高い位置を通っている、北西線と国道246号をつなぐ連絡路(概念図の水色)の最後の橋桁を架ける作業を行う。橋桁が欠けた部分の近辺が見学ポイント。連絡路は画像左端のカーブをしているものが、東名の上り車線から北西線へ向かうもの(緑)。その右は、北西線から東名高速の下り車線への連絡路(グレー)。画像右端の連絡路は、北西線から東名高速の上り車線に連絡するもの(くすんだオレンジ)。

1600t級クレーン車「TEREX-DEMAG CC8800-1(1600t仕様)」。ドイツ製のクレーンで、日本に3台しかない。首都高では初めて使用したという。持ち上げる橋桁は本体だけで394tあり、それに付属部材、フック、吊り具などが加わると、約600tになるため、1600t級という国内最大級のクレーン車が必要となる(1600t級とは、1600tの重量物を吊り上げられるという意味ではない)。

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いよいよ地上30mの高見へ!

30mの高さを通る北西線と国道246号をつなぐ連絡路へ

 続いては、北西線と国道246号をつなぐ連絡路からの景観を紹介。

横浜青葉IC・JCTの概念図を再度掲載した。

参加者と報道陣はこの仮設階段を上って連絡路へ。

仮設階段の最上階の踊り場スペースから撮影。左側に見えるのが東名高速。新設連絡路はどちらも北西線から東名高速へと向かうもので、手前側(概念図のくすんだオレンジ色)が上り車線につながり、奥側(グレー)がぐるりと回って下り車線につながる。東名高速と新設連絡路の間にあるのは、東名高速の下り車線から横浜青葉ICへと向かう既存の連絡路。

上の画像と同じポイントで右を向いて撮影。どちらも北西線から東名高速へつながる連絡路で、手前側(概念図のくすんだオレンジ色)は東名の上り車線につながり、奥(グレー)が東名の下り車線につながる。下り車線につながる連絡路は、上り車線につながる連絡路と撮影ポイントのある北西線と国道246号の連絡路(水色)の間を抜けてぐるりと回って東名高速の下り線につながる。白いのは橋桁が見えており、この上に床版が設置される。

床版を設置中の様子。クルマが通過する際に車重を直接受ける床部材だ。コンクリート、鋼、両者のハイブリッドがある。基本的には前編のトンネル区間で紹介した床版と同じ。

床版が設置された箇所。仮設階段の最上階の踊り場スペースから撮影した。北西線と国道246号をつなぐ連絡路(概念図の水色)で、最も高い地点がここら辺。地上から約30mの高さがある。画面奥側に国道246号があり、右手前側が前編で紹介した北西線のトンネルの出入口側となる。

北西線と国道246号をつなぐ連絡路(概念図の水色)で、橋桁が1スパン分欠けている箇所。ここに先ほどの1600t級クレーンで吊り上げた橋桁を設置すると、北西線と国道246号をつなぐ連絡路はすべて橋桁がつながることになる。そして先に見えるのが、現在は東名高速のみが国道246号に接続している横浜青葉IC。北西線と国道246号をつなぐ連絡路は、現在は樹木の陰になっている2つの料金所(赤ランプ)をなくして通行できるようにする計画だ。最高地点から料金所までの勾配は6.8%。

橋桁の残りの4スパンは、北西線から東名高速の下り車線につながる連絡路(概念図のグレー)で使用する。網越しで見づらいが、カーブをしながら東名高速をまたいでいる新設連絡路がそれ。

前編のトンネル出入口側を向いて撮影。下った先で、数台の建機が作業している様子が見えるが、そこに北西線の料金所が建設される。その先に大型の建物があるが、トンネルの出入口はその付近にある。

トンネルの出入口側から横浜青葉JCT方面を臨んで撮影。建機が活動しているエリアに北西線の料金所が設置される。

 2020年の開通を目指して建設が進む首都高・横浜北西線。その工事の様子を前後編に分けて紹介した。トンネル内の工事現場紹介は、『前編:北八朔(きたはっさく)トンネル工事現場編』をご覧いただきたい。

2018年11月28日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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