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最終更新日:2018.10.01 公開日:2018.10.01

タミヤ、ミニ四駆デザインコンテストの入賞作品を発表!

 株式会社タミヤ(静岡県静岡市)は、4月17日~7月31日まで実施された「ミニ四駆デザインコンテスト」の入賞作を決定、発表した。

11年ぶりとなる「ミニ四駆デザインコンテスト」

 「ミニ四駆デザインコンテスト」は、タミヤが開催するイベント「ミニ四駆 ジャパンカップ」が今年で30周年となることを記念して11年ぶりに開催された。全国から合計568作品の応募が寄せられ、根津孝太氏(*1)、やまざきたかゆき氏(*2)、同社スタッフによって審査が行われた。

 今回のコンテストでは、最優秀賞作品を製品化することを発表していたが、当初の想定を超える完成度の作品が多数寄せられ、選考には審査員一同、大いに頭を悩ませたという。 魅力ある作品を表彰だけで終わらせるにはあまりに惜しいということで協議を重ね、最優秀賞1作品、優秀賞2作品、タミヤ賞2作品の合計5作品を製品化することが決定した。

*1 根津孝太氏は、znug design代表でクリエイティブ コミュニケーター 、デザイナー。1/32ミニ四駆PROシリーズ アストラルスター&ライキリのデザイナーを務めた。トヨタ自動車で愛・地球博「i-unit」コンセプト開発リーダー等を務めたのちに独立し、2005年にznug designを設立。トヨタのコンセプトカー「Camatte」「Setsuna」、ダイハツの「COPEN」などのデザインも手がける。

*2 やまざきたかゆき氏は、pdc_designworks代表でハイパーデザイナー。 1/10RCカーデュアルリッジ&ミニ四駆DCR-01のデザイナーを務めた。本田技術研究所でデザイナーとして「Ape」「ZOOMER」「GROM」などヒット商品を手がけた経験を活かし2012年に独立、pdc_designworksを設立。幅広い視野と、多様な趣味を活用し、カーデザインや工業デザインだけでなく、ファッション、教育などの分野でも幅広く言論活動を行う。

製品化が決定した入賞5作品はこちら!

 今回の「ミニ四駆のデザインコンテスト」で製品化が決定した5作品は、この冬の発売を目指す。ミニ四駆ファンの想いがたっぷりつまった5台のマシンを応募者、審査員のコメントとともに見ていこう。

【 最優秀賞】副賞50万円+ミニ四駆として製品化
作品名:レイザーバック 作者:AF_KURO さん(静岡県・26歳)

カスタムカー「ホットロッド」とイノシシをモチーフにした重厚なデザイン。

レイザーバックのサイドから。フロントモーターを露出させたデザイン。

ホットロッドとイノシシを元にしたデッサン。勢いが伝わってくる。

【作者のコメント】
「カスタムカーのホットロッドとイノシシをモチーフに、猪突猛進の勢いでコースを突き進むモンスターマシンを目指したデザイン。FM-Aシャーシ(*3)の持ち味であるフロントモーターを露出させつつ、前進感あふれる姿勢とエッジの立ったフォルムで只者ならぬ雰囲気を演出しました」

*3 FM-Aシャーシ:2017年に発売された、エアロデザインを取り入れたフロントモーターレイアウトの新型シャーシ。重心がフロントよりなので、アップダウンの多いコースでも安定感のある走りが可能。

【審査員のコメント】
「今までありそうでなかったバランス。重厚感のある塊デザインながらもトルクで突き進むような疾走感、レーシング感があり、コースでも映えそうなデザイン。モーターカバーの見せ方やリムのはみ出し具合もいい感じ☆ 乗り物デザインとしても十二分に魅力を感じました」(やまざき氏)

「独特な突進感のあるフォルムがたまらないです。単なるクラシックなホットロッドにとどまらず、きちんと現代的な造形にアップデートされているのもポイント。FM-Aのモーターカバーをエンジンに見立てて、デザインの一部として取り込んでいるのもうまい!」(根津氏)

【 優秀賞 】副賞20万円+ミニ四駆として製品化
作品名:カッパーヘッド 作者:森尾 しょうじろうさん (福岡県・46歳)

ロングノーズのスポーツカーとヘビをモチーフとしたデザイン。

斜め後ろから見るとヘビが大きく口を開けてフロントタイヤに噛みついているよう。

詳細な色指定までされた図面。ロゴもヘビが取り入れられた統一感のあるデザイン。

【作者のコメント】
「現時点で一番必要なタイプをじっくり研究し、工夫の余地が多いと思われるFM-A用のボディをデザインしました。シャーシとの兼ね合い上、スケッチどおりになるとは限らないので、石粉粘土を使って試行錯誤しました」

【審査員のコメント】
「完成度が高く、そのまま商品化できそうなデザインです。動物モチーフでありながらも、マシンとしての魅力も感じます。コンセプトもしっかりしていて説明不要で伝わってきます。またFM-Aシャーシの特徴を活かしたサイドシルエットも魅力的。低く安定感のある地面を這うような鋭い走りを予感させます。コースで走らせたい!!と強く感じた一台です」(やまざき氏)

「ボリュームを持たせたフロント部分を、喰らいつくヘビの頭部のデザインとしてうまくまとめています。牙のライト、ヘビの舌のグラフィックなど、テーマに一貫性があり、完成度が高いですね。モーターの冷却や大径ホイール装着対応など、ミニ四駆をきちんと研究した実践モデルになっているのもいい!」(根津氏)

【 優秀賞/副賞20万円+ミニ四駆として製品化 】
作品名:マッハフレーム 作者:鶴田 秀之さん (奈良県・40歳)

赤と青のカラーリングが目を惹くスポーツタイプのデザイン。

FM-Aシャーシを採用していながら、スタイリッシュなデザイン。

白いメインフレームに赤と青のパーツを組み合わせて一つのボディとなるクロスシステムを採用。

【作者のコメント】
「幼少の頃よりミニ四駆を続け早や33年。ミニ四駆の他に好きなものをギミックを含めて詰め込みデザインしました。自分のデザインしたマシンが商品としてミニ四駆になることを願っております」

【審査員のコメント】
「メインフレームにカウリングを装着するというオートバイ的な発想がツボ。(上画像3枚目左上)クロスシステム(*4)でできなかったことを具現化してもらった感じです。ちょっとジェラシー(笑)。インダストリアルデザインとしての魅力と、スタイリングの魅力、発展性の魅力が高次元でシンクロしたマシンだと感じました。組み立てたい意欲をくすぐる仕上がりにとても共感です」 (やまざき氏)

「バックボーンフレームを設置して、そこにバイクのカウルのような外装パーツを取り付けるというアイデアが面白い! デクロス(*5)の発展形のようで、新しいボディカスタマイズの可能性を感じます。パチパチとボディを組み換えられる楽しさは、FM-Aシャーシ以外にも応用できるコンセプトだと思います!」 (根津氏)

*4 フロントボディ、キャノピー、リアカウルに3分割されたボディのこと。付属ボディと別売りボディを組み合わせることにより、気軽にボディをカスタムできる。

*5 やまざき氏デザインのクロスシステムを採用した、ミニ四駆「デクロス-01」の略称。

【 タミヤ賞/副賞10万円+ミニ四駆として製品化 】
作品名:ヘキサゴン-GTS 作者:伊藤 辰徳さん (兵庫県・35歳)

現実のSUVを思わせる武骨なデザイン。モチーフの六角形が随所に配置されている。

【作者のコメント】
「六角形をモチーフに、どんな道でも力強く突き進む四駆をイメージしてデザインしました。フロントグリル、ランプ類、エアインテークなど、各所に六角形モチーフを施し、個性あふれるデザインとスポーティさを表現。小さくても存在感のあるモデルを目指しました。このマシンを通して、一人でも多くのミニ四駆ファンに夢や希望を提供できることが、私の夢です」

【審査員のコメント】
「モチーフの大小さまざまな六角形が車体全体に効果的に配置され、まとまりがあり、角張ったフォルムはオフローダーならではの力強さを感じさせます。いかにも剛性の高そうなガッチリとしたボディはモジュールパーツのような形状なのでワイルドミニ四駆などのシャーシにもフィットするのでは」 (タミヤ)

【 タミヤ賞 】副賞10万円+ミニ四駆として製品化
作品名:ジオグライダー 作者:矢島 幹生さん(神奈川県・33歳)

FMシャーシを採用していながら、流線型でシャープなデザイン。

【作者のコメント】
「構造上、力強い印象のマシンが多いFMシャーシのマシンを題材に、ボディ全体に空力パーツとしてのシャープさを持たせることで「速そう!」と感じさせるスタイリングを目指しました。FMシャーシの持つ安定感と、ジャンプしても姿勢が乱れにくい特性をさらに強化する空力マシン、名付けてジオグライダー。どこまでも低く大地を滑走するレーサーです」

【審査員のコメント】
「FMマシン特有のフロントヘビーなデザインをブレークスルーしようという意欲が感じられます。モーターカバーの部分をX字にしてボディラインに融合させようという発想が新鮮。ボディ後方は流れるようなデザインですが、上面と側面の翼の合流部分が空洞になっているため、立体的でシャープな印象を与えています」 (タミヤ)

 どのデザインもコンセプトからグラフィックまで一貫して考えられたプロクオリティの完成度の高さである。

→ 次ページ:
ジュニア賞受賞作品!!

ジュニアデザイナーの力作もたくさん!

 前述の5作品以外にも、小中学生のデザインしたジュニア賞・ファミリー賞の作品も選出されている。子どもならではのインパクトあるボディが印象的。中にはボディ色やシール部分の指定、シャーシの色まで細かく指定されているデザインもあり、ジュニアといえども侮ることのできない作品ばかり。

【 ジュニア賞】作品名:チェリーボム 作者:山村皐太さん (宮城県・12歳)

赤いボディにチェリーのマークがすごく印象的! マシンだけでなく、ロゴや箱のデザインもちゃんと考えてあって、すぐに商品化できそう(根津)。

 チェリーボムについてやまざき氏は「ネーミング、キャッチコピー、さらにはロゴデザインまで!トータルでよく考えられた作品。今後が楽しみなジュニアミニ四駆デザイナー」とコメント。

【 ジュニア賞】作品名:ヒストリックバード 作者:大西 海斗さん (岡山県・11歳)

 ヒストリックバードについて根津氏は「いろいろな角度から描いてくれて、しかもちゃんとどこから見てもつじつまが合っているのに驚きました。大人でも難しいよ」とコメント。

【 ジュニア賞】作品名:にじいろさいきょうみによんく 作者:大塚 伸一さん (富山県・6歳)

【 ジュニア賞】作品名:ライトニングロッド 作者:米山 朱花さん (神奈川県・11歳)

【 ファミリー賞】作品名:ドレミファレーサー 作者:山岡 みゆう & 正英さん (愛知県・9歳 & 42歳)

 審査員一同は、大人顔負けのジュニアミニ四駆デザイナーを称賛。ジュニア賞には副賞としてミニ四駆キット4台セットが授与された。

 タミヤ広報担当者によると、「11年ぶり開催かつ、近年盛り上がっているミニ四駆ブームもあってか、参加者の年齢層が大幅に広がった。小中学生や女性からの応募も11年前に比べて増えている。今回は本当にクオリティが高かった」と語った。

 また、今回のコンテストの好評を鑑みて、今後のコンテスト開催も視野に入れて検討しているそうだ。公式サイトには、ここで紹介しきれなかった受賞作品も掲載されている。

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