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クルマ最終更新日:2018.09.29 公開日:2018.09.29

ロンドン名物2階建てバスのEV車両を支えるゼット・エフの電動ドライブアクスル

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ロンドン名物の2階建てバスの最新車両は、オプテア社製EVバス「Metrodecker EV」。すっかりモダンなデザインの2階建てバスとなった。画像は、デモ走行時のもの。

 2040年までに英国などで内燃エンジン車の販売が禁止されることや(記事はこちら)、トヨタが2025年までに同じく内燃エンジン車の販売をやめるなど(記事はこちら)、世界規模でのEV化が進んでいる。ただし、現状でEVは充電に時間がかかるという課題を抱えており、一般ユーザーにとって購入するには冒険的な一面があるのも事実。一方、それほど長くない一定のルートを巡回するような路線バスなどの公共交通には向いているとされる。

 そうした中、世界展開している自動車部品サプライヤーのゼット・エフ社の日本法人ゼット・エフ・ジャパンは、同社製品の海外のEVバスへの導入実績を9月24日に発表。同社が2012年から発売している電動ドライブアクスル(※1)「AxTrax AVE」の導入が、英国や米国で進んでいるとした。

※1 「アクスル」とは左右のタイヤをつなぐ車軸のことで、ドライブアクスルとは駆動を担当する車軸のこと。

英国ではあの2階建てバスもEV化! 米国でもEVバス増加中!

 大気汚染が深刻な問題となっている英国の首都ロンドンでは、当初の予定より1年前倒しとなる2019年に、超低排出ゾーン(ULEZ:Ultra-Low Emission Zone)を市内に導入する計画となった。これまでロンドンでは2003年には混雑税が、2008年には低排出ゾーン(税)がそれぞれ導入されてきた。しかしそれでもまだ大気汚染問題は解消に至らず、車両の中心市街への乗り入れ数のさらなる削減を検討。そして2019年にULEZが導入されることになり、中心市街へクルマで乗り付けるのに払う税金額がさらにアップすることとなった。

 ULEZの導入に伴い、2019年夏からロンドンの134のバス路線がEV化される。その中にはロンドン名物の2階建てバスも含まれ、オプテア社が製造する2階建ての新型EVバス「Metrodecker EV」が31台導入されることとなった。さらにロンドン交通局は、2037年までに市内中心部のバスをすべて電動化する計画を発表している。

 また米国でもEVバスの導入計画が進む。都市バスの大手製造メーカーであるニュー・フライヤー・オブ・アメリカ社が、2020年までにEVバス「Xcelsior CHARGE」シリーズを合計100台製造すると発表。ロサンゼルス郡都市圏交通局、シアトル・キング郡メトロトランジット、ボストン・マサチューセッツ湾輸送機関、ミネアポリス・メトロトランジットなど、同国内の複数の公共交通機関に納入する予定となっている。

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ニュー・フライヤー・オブ・アメリカ社のEVバス「Xcelsior CHARGE」シリーズ。こちらは2両が連結した輸送力のあるタイプ。米国のさまざまな都市の公共交通機関が採用する予定だ。

電動ドライブアクスル「AxTrax AVE」がEVバスを支える

 今回紹介した、オプテア社製「Metrodecker EV」と、ニュー・フライヤー・オブ・アメリカ社製「Xcelsior CHARGE」シリーズに共通して搭載されているのが、冒頭で紹介したゼット・エフ製の電動ドライブアクスル「AxTrax AVE」だ。

 「AxTrax AVE」は最大1万3000kgまでの軸荷重までの低床バスを駆動可能。ホールヘッドに統合された電動モーターの出力は合計250kWだ。そして燃料電池またはバッテリーのどちらでも駆動でき、両者を組み合わせたハイブリッド構成にもできる。またフラットなデザインのため、完成車メーカーが車内の設計に空間的な自由度を得やすい点も特徴だ。

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ゼット・エフ製電動ドライブアクスル「AxTrax AVE」。

日本はEVバスの大きな市場だが普及にはコストの問題が

 日本国内の路線バスなどへの採用についてゼット・エフ・ジャパン広報に問い合わせたところ、現状では発表できる情報はないが、関心を持っている公共交通機関やバス会社などは多いという。同社として、日本は大きな市場としてとらえているとした。

 日本のEVバス事情は、現状で各地において多数のEV路線バスが走っている。ただし、試験的な形も含めて少数で運用されていることが多い。路線バスのほか、小型EVバスによる一定地域内の循環型もよく見られる。ちなみに大都市圏では、東京都交通局がEVバスの一種であるトヨタ製の市販燃料電池バスを2台導入し、2017年から東京駅丸の内口~東京ビッグサイトで都バスとして運用中だ。

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