能面型メガネで鑑賞する『3D能 エクストリーム』とは?
2017年にGINZA SIX観世能楽堂、2018年ヴェルサイユ内オペラハウスなどで上演され、国内外で好評を博した能×3D映像演出の最新作『3D能 エクストリーム』が11月に東京芸術劇場で上演される。
日本古来の伝統芸能に新しい可能性が。能面型3Dメガネで鑑賞する『3D能 エクストリーム』。
『3D能 エクストリーム』とは、どのようなものなのか?
「能」は室町時代より600年以上演じ受け継がれてきた日本を代表的する舞台芸術。これに最新鋭の3D映像演出を融合させた『3D能 エクストリーム』とは、どのようなものなのか。舞台の3D演出を手掛ける制作委員会に話を聞いた。
-『3D能 エクストリーム』とは、どのようなものでしょうか。
通常の舞台と同じ演目に3D映像演出を加えています。
-3D映像は、どのような見え方になりますか?
プロジェクションマッピングに近い映像演出となりますが、3Dならではの映像表現も実現しています。
-3Dならではの映像表現には、どのようなものがありますか?
背景に奥行きを出すことで、演者が本当にその光景の中にいるように見せたり、観客の目の前に桜の花びらが舞う演出などが楽しめます。
-その他にもアピールポイントがあれば教えてください。
今回は音響にもこだわっており、笛や鼓が個別に録音されたものを使用し、より生の演奏に近い感覚が味わえると思います。
鑑賞の際に必要な3Dメガネは、能面をかたどったデザインとなっている。
どんな人たちが手がけているの?
出演は、気鋭の観世流能楽師として注目される坂口貴信、谷本健吾、川口晃平の3人。演出は、舞台「ペルソナ」シリーズや舞台「攻殻機動隊ARISE」の演出を手がけた映画監督/映像プランナーの奥秀太郎が担当。3D映像技術は、明治大学総合数理学部福地研究室が提供する。
公演は今年11月28日(水)~12月2日(日)の5日間。東京芸術劇場 シアターイーストにて。今回に合わせて映像を刷新した「熊野」「船弁慶」、さらに新作「清経」「葵上」を加えた4つの演目が楽しめる。また、最終日の公演では、落語家・立川志の八、日本舞踊家・花柳まり草がゲストとして登場。イタリア出身のアーティスト・ヤミクラエ(Yami Kurae – Jacopo Bortolussi & Matteo Polato)の演奏の元、日本の伝統芸能が集う舞台を堪能することができる。
本来「能」とは面で演者の表情が見えず、舞台背景がないことで想像力が掻き立てられるのも醍醐味。とはいえ、その奥深さゆえ敷居が高いと感じている人も多いようだ。『3D能 エクストリーム』は、そのような人にこそオススメの新感覚エンターテインメント。ビジュアルによってイマジネーションを補完してくれるため、初めて能を体験する人にも親しみやすいものとなっている。
『3D能 エクストリーム』公演概要
【公演期間】
2018年11月28日(水)~12月2日(日)
【公演スケジュール】
11月28日(水) 18:30
11月29日(木) 14:00/18:30
11月30日(金) 18:30
12月1日(土) 14:00/18:30
12月2日(日) 12:30/16:00
※公演日時により演目・出演者が異なります。
【会場】
東京芸術劇場 シアターイースト