ナイフなどの危険物や暴力行為をAIが関知して通報する防犯カメラ
今回発表されたAI搭載の力行為対策カメラシステム「&:」のシステムのイメージ。
コンビニエンスストアなどの24時間営業の店舗では、深夜になるとお客も少なく、店員がひとりということも少なくない。そうした場合、もし強盗が来て凶器を突きつけられてしまうと、せっかく防犯システムがあっても通報ボタンを押すことは難しい。また店員の目が少ないと、店内の死角で暴力行為が行われる危険性もある。
そこで、防犯カメラを手がける日本防犯システムが、コミュニケーションロボットやAIを手がけるMJIと業務提携して開発中なのが、AI搭載の暴力行為対策カメラシステム「&:」(アンド)だ。
搭載されたAI技術は独自の「ビジョンマシンラーニング」
「&:」は、防犯カメラがとらえた映像からAIが暴力行為や危険物を検知すると、警告音として店内のアラームを鳴らしたり、警備会社などに通報したりすることが可能だ。そのコアとなっているAI技術が、機械学習方式の一種である「ビジョンマシンラーニング」である(ディープラーニングとはまた異なる方式の技術)。
MJI広報に確認したところ、「ビジョンマシンラーニング」は同社が独自開発した技術であり、パンチやキックなどの暴力行為(アクション)と、凶器の双方を認識することで犯罪行為か否かを検出するという。
肩を叩いたり頭をなでたりしただけなのか、それとも実際にパンチやキックなどの暴力行為が行われているのか。店員にお札を差し出しているのか、それともナイフを突きつけているのか。アクションと凶器の双方を認識し、そこから判断を下す仕組みだ。
「&:」の動作するイメージ映像。友人同士で少々身体を押したり肩を叩いたりといった行為が暴力行為と見間違えられてしまう危険性なども配慮されており、危険物や暴力行為だけを検出できるよう、多数の映像データでAIが強化されている最中だという。
既存のネットワーク型防犯カメラシステムに組み込める!
「&:」は、ネットワーク型の防犯カメラシステムであれば、すでに設置されているシステムに組み込みやすく、導入コストを抑えられることも特徴のひとつ。その一方で新規に設置する場合でも、日本防犯システムの最新型カメラと組み合わせれば検知エリアが広いことから、対象エリアをより少ない台数でカバーできるので、やはり導入コストを抑えられるという。
ちなみに「&:」には、既存の防犯カメラに最新機能を付加するという意味の”アンド”に加え、ユーザーに”安堵”をもたらすといういう意味が込められている。
発売は2019年を予定しており、現在は、日本防犯システムが犯罪行為の映像データなどを提供し、MJIがそれを活用してAIを強化しているところ。「&:」のコアはAIの精度。犯罪を見逃さない、でも誤認識もしない、頼もしいAIの誕生に期待したい。