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クルマ最終更新日:2018.06.04 公開日:2018.06.04

トヨタ最古の量産型乗用車・トヨダ「AA」型

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トヨダ「AA」型。トヨタ自動車の前身である豊田自動織機製作所 自動車部で初めて量産された乗用セダン。1936年から量産が始まった。今回の画像はすべてMEGA WEBにて撮影。

 トヨタ自動車の前身、株式会社豊田自動織機製作所 自動車部をご存じだろうか? トヨタの創業者である豊田喜一郎氏が1933(昭和8)年9月1日に設立した部門である(当初は公式な会社の部門ではなく、チーム名に近いものだったという)。喜一郎氏は自動車製作用の工作機械などを買い付けさせ、すぐにエンジンと乗用車のボディの開発などに取りかからせた。

 GMの1ブランドであるシボレーの「セダン」に搭載されたエンジンを参考にした「A」型エンジンが1934(昭和9)年9月に完成。部品の多くがシボレーの輸入品を用いていたという。

 ボディの設計でも米国車をモデルとした。当時の日本市場は、日本フォードと日本GMによる寡占状態だったが、モデルとしたのはエンジンとは異なり、クライスラーの「デ・ソート」ブランドのセダン「エアフロー」(1934年式)。同車のデザインはほかのセダンのデザインよりも1~2年先を行っており、そのデザイン性の高さから選ばれた。

 そのデザインを模倣して実際に自分たちのクルマのボディにするためには、当時の技術では年単位の時間がかかることが予想されていたため、その間にデザインが時代遅れにならないようにするのが狙いだったのである。

 そして1935(昭和10)年5月に試作車のトヨダ「A1」型が完成。これもエンジン同様に、パーツの多くにシボレーの純正部品が使われたのだそうだ。

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流線形のボディは、クライスラーのブランドのひとつであるデ・ソートのセダン1934年型「エアフロー」を参考にしてデザイン。同車が選ばれた理由は、当時、ほかの米国車のデザインの1~2年先を行っていたという判断がなされたことが大きい。少なかったため、とされる。MEGA WEBにて撮影。

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「AA」型は1936年に初登場!

1936年に量産が始まった「A1」型の改良モデル「AA」型

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トヨダ「AA」型を真正面から。

 トヨダ「A1」型の改良型として開発されたのがトヨダ「AA」型だ。1936(昭和11)年5月に自動車組み立て工場が建設されると、そこで「AA」型の量産が始まった。なお同年10月からはトヨタ・マークが採用されることとなり、それ以降車名はトヨダからは「トヨタ」と改称された。

 また喜一郎氏は1937年にはトヨタ自動織機製作所から自動車部が分離独立させ、トヨタ自動車工業株式会社を設立。1937(昭和12)年8月28日に設立登記が完了した。ただしトヨタの創立記念日はこの日ではなく、会社として新たな出発となった挙母工場(挙母は現在の豊田の旧地名)の竣工日である1938(昭和13)年11月3日になっている(記事はこちら)。

「AA」型の特徴は?

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「AA」型を後ろから。

 「AA」型は、他社製のセダンよりもエンジンが前方に取り付けられており、キャビンが広いことが特徴だった。シートが前後のアクスルの中間にあるために路面からの衝撃を十分に緩和でき、快適な乗り心地を実現したという。他社製セダンの多くが、後席がリア・アクスル上にあるために衝撃が強かったそうで、当時の「AA」型のカタログ上でも乗り心地をアピールしている。

 また、ステアリングの角度やペダルの位置、シートの傾斜なども、疲労が蓄積しないよう入念に設計してあるとしている。リアシートの角度なども、日本人の平均的な体型をきちんと採寸したり、内張りに高級材料を採用したりするなどして、乗り心地のよさが追求された。

 デ・ソート「エアフロー」(1934年型)を参考にした点としては、流線形のボディのほか、合理的な前後輪荷重、後席の乗り心地のよさ、広い室内空間などが挙げられている。

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最後はスペックについて!

トヨダ「AA」型スペック

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【シャシー&ボディ】

全長×全幅×全高:4785×1736×1730mm

ホイールベース:2850mm

車両重量:1500kg

【エンジン】

エンジン型式:A

タイプ:水冷直列6気筒OHV

排気量:3389cc

最高出力:65hp(48.5kW)/300rpm

最大トルク:190.3N・m(19.4kg・m)/1800-2000rpm

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トヨダ「AA」型を真横から。

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