深刻化する海洋汚染に、ボルボが使い捨てプラスチックを禁止
(c) VOLVO CAR JAPAN
欧州連合(EU)の欧州委員会は5月28日、ストローや食器など一部の使い捨てプラスチック製品の使用を禁止する方針を発表した。
自動車メーカーでは、ボルボ・カーズが5月18日、すべてのオフィス、社内食堂、イベントで使い捨てプラスチック製品を使用しないと公表。同じような動きは、今後、拡大することが予想される。
海を漂うごみの85%はプラスチック
欧州委員会によれば、72%のプラスチックごみはリサイクルされておらず、海を漂うごみの85%はプラスチックであるという。
またプラスチックが劣化して生じたり、洗料や塗料に含まれるマイクロプラスチックは、有害な化学物質を吸着して魚など海洋動物に食べられ、めぐりめぐって人間の食卓に紛れ込む。海洋生物の生態系に被害を与え、人体に悪影響をおよぼすとされる海洋プラスチック汚染は深刻な問題となっている。
ボルボ・カーズの環境への取り組み
ボルボ・カーズ(本社:スウェーデン)は、カップ、食品容器、ナイフ、フォーク、スプーンなど、2,000万個以上の使い捨てプラスチック製品を、紙、パルプ、木材などの持続可能な製品に置き換える計画を発表。これにより従業員1人あたり年間500個以上のプラスチック製品の消費を削減できる見込みだ。
同社によるプラスチック製品からの置き換えは、2018年末までに世界中で実施される新車の発表会のほか、中国、ベルギー、米国、スウェーデン、マレーシアの施設にあるすべてのオフィスや食堂で実施。2019年には世界中の直営インポーターからも、イベントを含め、使い捨てプラスチック製品を根絶するとしている。