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最終更新日:2018.05.29 公開日:2018.05.29

【人とくるまのテクノロジー展2018】トヨタの新型2L直4NAエンジンなど

5月23日~25日に神奈川県・パシフィコ横浜で「人とくるまのテクノロジー展 2018 横浜」が開催された。内外の自動車関連会社597社がブースを出展、自社の技術をアピールした。

 トヨタの展示で目を引いたのは、、最新のエンジン2基とトランスミッション。ここではその3つを紹介しよう。

TNGAコンセプトに沿って新開発された2L直4NAエンジン!

新型2L直4NAエンジンのカットモデル。TNGAコンセプトに沿って開発された「Dynamic Force Engine」の1基。種類:直列4気筒NA。排気量:1986cc。内径×行程:Φ80.5×97.6mm。圧縮比:13(NA)、14(HV)。燃料噴射システム:D-4S。最高出力:126kW/6000rpm(NA)、107kW/6000rpm(HV)。最大トルク:205N・m/4800rpm(NA)、188N・m/4800rpm(HV)。排出ガス規制対応:ULEV50。

 新型の2.0L直列4気筒直噴ガソリンエンジン(NA)は、TNGA(Toyota New Global Architecture)コンセプトに沿って新開発された「Dynamic Force Engine(ダイナミック・フォース・エンジン)」の1基。

 高速燃焼技術、可変制御システムを採用したほか、排気や冷却、さらに各種可動部のフリクション(摩擦)など、さまざまなエネルギーロスを低減させたことで、最大熱効率40%を達成した。通常のガソリンNAエンジンで40%、ハイブリッド用エンジンは41%になる。

 エンジンの正式な型式名称、搭載される車種などは未発表。今後発売される新型車に実際に搭載されることだけは間違いないようだ。

新型2L直4NAエンジンのカットモデルを横方向から。熱効率40%は素晴らしい数値であり、それが実験用のエンジンではなく、市販車に搭載される量産エンジンであることがなおさら素晴らしい。

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レクサス「LS500」に搭載された新型エンジン!

レクサス「LS500」搭載3.5LV6エンジン「V35A-FTS」

レクサス「LS500」に搭載されている、3.5Lエンジン「V35A-FTS」のカットモデル。これもまたDynamic Force Engineの1基。種類:V型6気筒ツインターボ。排気量:3445cc。内径×行程:Φ85.5×100mm。圧縮比:10.4。燃料噴射システム:D-4ST(マルチホール直噴+ポート)。最高出力:310kW/6000rpm。最大トルク:600N・m/1600-4800rpm。ターボ:シングルスクロール×2(RH/LH)。排出ガス規制対応:ULEV125/Euro6/J-SULEV。

 2017年10月19日から販売がスタートした、レクサスのフラッグシップセダンの「LS」の5代目。その1車種である「LS500」に搭載されているのが、3.5LのV型6気筒直噴ツインターボエンジン「V35A-FTS」だ。Dynamic Force Engineの1基として「V35A-FTS」も展示された。なお「V35A-FTS」はトヨタ初のV6ターボエンジンである。

 「V35A-FTS」は開発において、まず基本骨格を一から考え直したという。構造・構成も従来のV6エンジンからは刷新された。高速燃焼技術を採用し、「LS500」では新型トランスミッション「Direct Shift-10AT」(開発はアイシン)が組み合わせられる。

アイシンブースで展示されていた、レクサス「LS500」用ATトランスミッション「Direct Shift-10AT」。従来の8速ATよりも70%も変速速度がアップしている。

「V35A-FTS」を別角度から。色がついているパイプは、ターボやインタークーラーなどをつなぐパイプ。なお「V35A-FTS」の最大熱効率は新型2L直4NAエンジンほどではないが、37%をマークしている。

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世界初の機構で性能大幅アップのCVT!

新型2L直4NAエンジンの相棒か?「Direct Shift-CVT」

赤丸の中の発進用ギアを備えることで、CVTの低速域における伝達効率がアップした「Direct Shift-CVT」のカットモデル。

 2018年2月に新型2L直4NAエンジンなどとともに発表された、TNGAコンセプトの新型パワートレインのひとつが、このFF用「Direct Shift-CVT」だ。

 トヨタはCVTの短所として、ベルトを利用していることからくる、低速域での伝達効率の低さを挙げており、「Direct Shift-CVT」では、乗用車用のCVTとしては世界初の仕組みでその効率アップを図った。その仕組みとは、発進用のギアを採用すること。発進時はギア駆動とすることで、よりダイレクトなレスポンスを実現したという。

 また発進用ギアを設けたことで、ベルトとプーリー部の小型化が実現。ベルトを11度から9度への狭角化をすると同時にプーリーの小径化も行って軽量化したことで、変速速度を20%向上させている。

 さらに発進用ギアによってベルトをハイ側に設定できるようにもなった。その結果、15%のワイドレンジ化も行え、2Lエンジン用としてはトップクラスの変速比幅7.5を実現した。これらの改良により、従来のCVTに対して燃費を6%向上させたという。

「Direct Shift-CVT」を反対側から。ベルトが見える。新型2L直4NAエンジンとの組み合わせで利用されるようなので、その新型車はFFらしい…?

2018年5月29日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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