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クルマ最終更新日:2018.04.16 公開日:2018.04.16

ポルシェが超速いハイブリッドカーを開発 F1を凌駕する性能?

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 4月9日、ポルシェの開発したレーシングカーが、F1も開催されることで世界的に有名な国際サーキット、「スパ・フランコルシャン(ベルギー)」でタイムアタックを行った。結果、全長7.004kmのコースを1分41秒770で駆け抜けるという偉業を成し遂げた。

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 これがどれほどすごいのか。このサーキットには、2017年8月26日に行われた世界最高峰のレースF1の予選でポールポジションを獲得したルイス・ハミルトンがたたき出した1分42秒553という記録が残っている。ハミルトンが乗っていたのは「W08 EQ Power+」で、昨年のF1でドライバーズチャンピオンとコンストラクターズチャンピオンを獲得したマシンだ。今回のポルシェの記録は、そんな世界最速のドライバー&マシンが残した記録からさらに0.783秒も短縮した。これは、同時に走行していたら50メートル以上も先着した計算だ。

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ベースはWEC参戦車両

ベースは世界耐久選手権(WEC)のワールドチャンピオンシップカー

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 ポルシェがタイムアタックに挑んだ車両は「919ハイブリッドEvo」。モータースポーツ好きならお気づきとは思うが、昨年まで世界耐久選手権(WEC)に参戦していた車両「919ハイブリッド」がベースになっている。ポルシェはこのマシンを駆り、2015年~17年に3年連続でル・マン24時間レースに優勝し、FIA世界耐久選手権(WEC)のマニュファクチュアラーズタイトルとドライバーズタイトルの両方を獲得している。WEC最速の名があるにも関わらず、なぜポルシェは今回のチャレンジを決めたのか。

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 レースでは、安全・公平を期すため車両に様々な制約(レギュレーション)を設けている。ポルシェのレーシングカーエンジニア陣は「もしレギュレーションに縛られなかったとしたら、919ハイブリッドのポテンシャルはどれくらいなのか」と思ったのだ。チーフレースエンジニアのスティーブン・マイタス(写真上)は「4年間、ポルシェ919ハイブリットを開発、改良してレースで戦わせた私たちは、この車に非常に思い入れがある。私たちは全員、ポルシェ919ハイブリッドがレースでどれほど成功を収めようとも、その能力が完全には発揮されてこなかったことを知っていた」と語っている。

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 エンジニア陣は、919ハイブリットのパワートレインのハードウェア自体には手を加えていない。だが、レギュレーションによる燃料の使用制限を解除、ハイブリッドシステムの制限を撤廃するだけで、エンジン出力はベース車両比で500PSから720PSに向上、回生エネルギーの出力は10%増しの440PSとなった。空力の制約も取り払われ、足回りも強力なものに変更、タイムアタックに不要なエアコン、ワイパー、センサー、ライトなどはすべて取り除かれた結果、重量はベース車両比39kg減の849kgになった。

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最速の車の今後

気になる最速の車の今後は?

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 このマシンでタイムアタックに挑んだポルシェのワークスドライバー、ニール・ジャニ(写真上)は「919 Evoは、とてつもなく圧倒的だった。私がこれまで運転したなかで、間違いなく最速の車だ。グリップは私にとってまったく新しい次元というべきレベルで、これほどのものだとは、実際に運転するまで想像もつかなかった。919 Evoで1周しただけで体感できるスピードは非常に速く、求められる反応速度は私がWECで慣れていたものとは大きく異なるものだった」と語っている。それもそのはずで、今回の記録は昨年ポルシェチームがWECの同コースで出した記録より12秒も速かったのだ。

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 モータースポーツファンからは「何でもありならそりゃ速いに決まってるよ」という声さえ聞こえてきそうな、まさに”レーコードブレーカー”という表現がぴったり来るマシンだが、この車両をさらに強化し、ドイツのニュルブルクリンク北コースや、アメリカのラグナ・セカなど世界の名門コースでの”サーキット破り”ならぬ「イベント走行」を実施するという。

2018年4月16日(JAFメディアワークス IT Media部 伊東 真一)

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