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クルマ最終更新日:2018.04.05 公開日:2018.04.05

【モーターサイクルショー2018】EVレーサーにサイドカーにトレーラー!

 3月23日から25日まで開催された、第45回「東京モーターサイクルショー」。EVバイクやサイドカー、バイク用トレーラーなど少々変わったバイクたちを紹介する。

EVバイクをレースで鍛えている無限

 無限は現在、レース用EVバイク「神電」シリーズでもって、世界最古のバイクレースであるイギリス・”マン島TT”のEV部門に参戦している(2014~17で4連覇達成)。ブースで展示したのが、5月26日から6月8日にかけて開催される2018年のレースに参戦する予定の最新モデル「神電七」。そのカウルを装備したモデルと、カウルを取り払ってフレームなどを見られるモデルの2台を展示した。

 また、「神電七」で培った技術をフィードバックして市販を目指して開発が進められているのがEVモトクロッサーのプロトタイプ「E.REX」。2018年にプロトタイプの完成を目標としている。

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「神電七」のカウルを取り外したモデル。「神電七」は油冷式三相ブラシレースモーターを搭載し、最高出力は120kW、最大トルクは210N・m。ラミネート型のリチウムイオンバッテリーを搭載し、出力電圧は370V以上。フレームはCFRP製モノコック。ブースのスタッフによると、より出力のあるモーターを搭載してタイムアップを狙うのは簡単だが、バッテリーが持たなくなってしまう。バッテリーを増やせばいいかというと、今度は重量が増えてしまうので、そのバランスが難しいという。

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カウルを装備した「神電七」。マン島TTレースは公道レースだが、平均速度は時速210km、最高速は時速300km以上という、とてつもなく危険でタフなレース。「神電」シリーズは2017年までEV部門で4連覇を達成しており、2018年は5連覇を狙う。「神電七」のスペックは、全長2125×全幅660×全高1130mm、グランドクリアランス130mm、シート高810mm。総重量248kg。EVバイクは加速が強烈だが、プロのライダーにとっては乗りやすいそうである。

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力強いイメージを持たせるため、恐竜(ティラノサウルス)をデザインコンセプトとした「E.REX」。「神電」シリーズの技術をフィードバックし、市販化を目指して開発が進んでいる。

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モーターのミツバのEVバイク&トライク!

コンバートキットを開発中のミツバ

 モーターのメーカーとして知られ、数々のEVバイクやEVコンバートバイクなども試作しているミツバ。EVコンバートとは、ガソリン車のガソリンエンジンなどを取り外し、パワートレインをモーターやバッテリーに交換する作業のことをいう。

 同社が参考出品した1台が、競技用トライアルバイクをEVコンバートした先行実験車両の2018年モデル「E-TR」。既存の変速機が使用可能で、軽量フライホイールも採用されていることから、モーターならではの低回転でいながら高トルクという特性を活かせるようにしてあるという。

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「E-TR」。ミツバが開発した「EVコンバージョンキット」のプロトタイプが使用されている。同キットのモーターのスペックは、最大出力10kW、最大トルク18N・m、定格電圧44.1V、重量3kgとなっている。同キットを用いることで、バイクのシルエットをそのままにEVバイクにコンバートしやすくなる。

 そしてもう1台は、「IF-T1」。東京モーターショー2017で、オリジナルのスーパーカーを出展して話題となったイケヤフォーミュラが開発中の多用途EVトライクだ。”日常の中にも「パフォーマンス」を求め、元気で楽しく走って仕事もできるEV”というコンセプトである。

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イケヤフォーミュラ製EVトライク「IF-T1」。「IF-T1」にはミツバ製モーターが採用されており、後2輪駆動で、最大出力は4kW。最高速度は時速60km、航続距離35km。48V・40Ahのリチウムイオンバッテリーを搭載し、充電時間は約6時間(急速充電は約6分)だ。

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「ウラル」のサイドカーは世界屈指のタフさ!

ウラル・ジャパンはロシア直送のミリタリーテイストの車両たち!

 続いてはEVから打って変わって、サイドカー。それもミリタリーテイスト漂う、とてもタフそうなウラル製バイクたちだ。

 ウラル製バイクは第二次世界大戦直前の1939年に、旧ソビエト連邦が対ドイツ戦を想定し、軍備のアップグレードを図って開発を開始したところまで遡れる。仮想敵国のドイツから密輸したBMW製バイク「R71」をリバースエンジニアリングして「M-72」を開発。1941年、工場をドイツ軍の侵攻に備えてモスクワからウラル山脈のふもとにあるイルビトに移して生産を開始。約1万台が第二次世界大戦中に活躍したという。

 そして時は経って1992年に旧ソ連の崩壊に伴い、民営化してウラル社となった。イルビト工場では旧ソ連崩壊前も含めて戦後の60年間で約300万台を製造。耐久性の高いバイクとして各国に輸出されている。

ラリーマシン

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ウラル「ギア・アップ」(2016年式)をベースに開発された、アジア・クロスカントリー・ラリー2017のサイドカークラス優勝車「ラリーマシン」。バイクとサイドカーの走法にラリーコンピューターが装着され、シートがエンデューロ(耐久)シートに変更されるなど、10か所以上の改造が施されている。

CT

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749ccのOHV空冷2気筒4ストローク水平対向エンジンを搭載する「CT」。最大出力は30.6kW/5500rpm、最大トルクは411N・m。ウラルのバイクは、サイドカーの車輪が駆動する2輪駆動車もあるが、「CT」は1輪駆動。全長2330×全幅1615×全高1380mm、車重330kg。価格は193万円(税込)。

ギアアップ 2018年式 ホワイト メタリック カスタム

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「ラリーマシン」のベース車両となった「ギアアップ」の最新2018年式をベースとした、スペシャル版「ホワイト メタリック カスタム」。エンジンスペックは「CT」と同じだが、「ギアアップ」はサイドカー側のタイヤも駆動輪で2輪駆動。全長2500mm×全幅1600mm×全高1380mm。車重は330kg。価格は通常の2018年式が214万円(税込)だが、日本に1台しかないというこちらの価格は239万9200円(税込)。

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サイドカーに加えてトレーラーも!

サイドカー&トレーラー! サクマエンジニアリング

 国産バイク・スクーターなどにサイドカーを取り付けたモデルやトライクを販売しているサクマエンジニアリング。今年はサイドカーに加えて、バイクでもけん引できるトレーラーも展示した。

タウサイドカー+コンパクトトレーラー

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スズキの125ccスクーター「アドレス125」に、サクマエンジニアリングで開発したサイドカーのニューモデル「タウサイドカー」と、「コンパクトトレーラー」を組み合わせたモデル。「タウサイドカー」は125~250ccクラスのスクーターなら取り付け可能。「タウサイドカー」のサイズは、全長1930×全幅1298×全高1135mmで、1人が乗車可能。改造費込みの価格は34万5600円(税込)。「コンパクトトレーラー」は全長1850×全幅940×全高700mm。価格は21万6000円(税込)。

イオタキャリアサイドカー

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ホンダ「グロム125」と「イオタキャリアサイドカー」。なお、「イオタキャリアサイドカー」の上にはオプションでロードバイク積載キャリアが追加されている。サイズは全長2050×全幅1298×全高1100mm。改造費込みの価格は36万1800円(税込)。

タイニーワイドトレーラー

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ホンダ「スーパーカブ」がけん引しているのが、トレーラーのニューモデル「タイニーワイドトレーラー」。全長1700×全幅840×全高700mm。改造費込みの価格は21万6000円(税込)。

2018年4月5日(JAFメディアワークス IT Media部 日高 保)

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