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クルマ最終更新日:2018.02.26 公開日:2018.02.26

おじいちゃん、おばあちゃんを連れだそう第2弾! 車椅子での家族旅行。

tsure01.jpg 前回の、車椅子利用の高齢者にオススメの交通手段に続いて今回は同様に宿泊施設の予約や利用方法について考えてみたい。

 2006年に制定された「バリアフリー新法」によって、客室の総数が50以上のホテルまたは旅館には、車椅子利用者が円滑に利用できる客室(通称:バリアフリールーム)が1室以上設置されるようになった。バリアフリールームは車椅子で安全に快適に利用できるよう、浴室と寝室の間の段差を含め部屋内の段差をなくし、車椅子が転回しやすいよう広めに設計されている。そのため、車椅子利用者にはとてもありがたく、筆者も車椅子利用の母との旅行の際には可能な限りバリアフリールームを予約している。

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 予約方法はいろいろあるが、楽天トラベルやホテルズコムなどのオンライン予約サイトを利用すると探しやすい。「車椅子対応客室」「バリアフリールーム」「車椅子での利用可」などにチェックを入れて探すと良い(バリアフリーという名称ではなくても、車椅子での利用に差し支えない部屋も少なくないのでホテルに要確認)。筆者一家が良く利用する東横インやかんぽの宿などでは自社予約サイトでバリアフリールームの予約ができないため、電話またはメールで予約している(左写真は東横インのバリアフリールームの浴室。専用の備品も使いやすい。写真=東横イン公式サイトより)。

 かんぽの宿は車椅子対応客室が複数ある施設も多く、電動ベッドやお座敷用車椅子、大浴場用の車椅子までが用意されている施設も少なくない。嬉しいことにJAF会員の優待もある。1名1泊につき500円割引(同行家族も対象)なので、3人で2泊するとなんと3000円もオトクに泊まれるのだ。

 なお、筆者のこれまでの経験(国内のべ100泊以上)ではバリアフリールームの利用に障害者手帳は不要なので、足腰が弱く、長い距離を歩く際には車椅子がベターという方であっても問題なく利用できるだろう。

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 気を付けたいのは部屋の中は車椅子で移動できても、大浴場や食堂に行くまでに階段があるようなケースだ。1段程度の段差なら車椅子の前輪を上げて乗り越えれば何とかなるが、2段以上だとなかなか厳しい。玄関のスロープも確認しておきたい。筆者はGoogleストリートビューで玄関周りの様子を確認しているが、スロープがあるから大丈夫と思って行ってみたら、夏場は使えるスロープが雪の時期は閉鎖されていて、結局ホテルのスタッフの皆さんに車椅子ごと母を抱えてもらった、ということもあった。

 足腰が弱くなると出かけるのが億劫になる高齢者が多くなるが、親孝行の一つとして交通手段と宿泊施設をしっかり整え、快適で楽しい旅におじいちゃん、おばあちゃんを連れ出してあげてみてはどうだろうか?

2018年2月26日(加藤久美子・雨輝)

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